見習い魔女エマの紀行録   作:クエクト1030

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エマの元へと届いた入学許可証、また魔女に関する説明書その1


「入学許可証」

モルゲヴォーネン家

  ヨハン・モルゲヴォーネン 様

 カトリナ・モルゲヴォーネン 様

   エマ・モルゲヴォーネン 様

 

 

魔法学園アストヒク

校長 アヤネ・ワガソラ

 

 

入学許可証

 

 

拝啓 春、春陽の候。この度、エマ様が魔法学園アストヒクへの入学が許可されたこと、心よりお慶び申し上げます。

魔女紀行ウィッチウォーク、魔法学園アストヒク、魔女についての説明書及び教科書をここに同封いたします。

当入学許可証はエマ様が30の齢を超えるまで有効とし、魔法学園アストヒクはいつでもエマ様を歓迎いたします。

 魔女へとなる決断をいたしましたら、当入学許可証の下部記載のサイン欄と、印欄に、

ご本人がフルネームのサイン、そして自身の血液による拇印をお願いいたします。

2項目の記入を頂けましたら、約120時間後にお迎えの魔女が来訪いたします。

どうぞ、ごゆっくりと検討の程よろしくお願いいたします。

 

 

入学応諾欄

 

 

 本項目には名前、本人の血液による拇印の項目がございます。

この2項目への記入後、エマ様は正式に魔法学園アストヒクへの入学が決定する事となります。

 

[サイン]
[拇 印]   

名前:

 

 

 


 

 

 

魔女について:1

 

 魔女とは人間とは異なる生物です。ですが、ほぼ全ての点において人間と同じ存在と言えます。

魔法の才能を持つ人間は、魔女紀行ウィッチウォークへ渡る事、魔法の研究をせずに一生涯、

人間として生活をする場合であれば、魔女へと変貌せずに生涯を終える事が可能です。

しかし、統計においては人間のまま生涯を終える事が出来たのは8割程度と確認されています。

2割の魔女化の原因として、魔法の才能を持つものは人間社会での生活において、

必然的に生じるズレが存在するためと考えられています。

ズレとは他者との違い、マイナスなコンプレックス、少数派、非人間的といった要素を指し、

これらを認識する事がストレスとなり、積み重なる事でより強い苦痛を齎します。

人間社会で生きる事への苦痛が増加していく中で、一定以上の感情が高まる事で

感情と共に魔力が暴走し、無意識に魔法が発現、問題になります。

これらには個人差が存在しますが、人間社会での生活は上記のような危険性を持ちます。

そして、無意識にしろ魔法を使用する事で、人間から魔女へと近づいてしまいます。

最悪の場合、人間社会に魔女が出現し魔法を始めとした災害として駆除される事にも繋がります。

 

 上記から、魔法の才能を持つ者が人間社会で常に暮らす事は難しいです。

魔女紀行ウィッチウォークで暮らす場合、まず魔法学園アストヒクへと入学します。

そこで魔法や魔女、その他の勉学を修める中で早々に魔法の才能を持つ者は魔女へと変わります。

しかし、魔女紀行においては魔女の存在が当たり前であり、多数派であるが故に、

上記のような人間社会との軋轢やそこから生じる暴走が発生しません。

その主要因は魔力の制御方法を学ぶ事です。

どれだけ感情が揺さぶられようとも魔力の制御方法を習得すれば暴走する事は基本的になく、

あるとすれば魔法を正しく行使する事が出来ない、つまり暴発する事による被害ですが、

暴発についても魔女紀行においては対処方法は古来より行われているため、問題ではありません。

 

 魔女紀行が人間社会を訪れ魔法の才能を持つ者をスカウトする事は、

仲間を増やす事が目的なだけではなく、人間社会と本人共に生じる様々な問題を予め

取り除き、全うな人生を送る事を可能にするためです。

また、1人前の魔女として、そして人間社会との付き合い方、折り合いをつける事が出来れば、

魔女紀行から人間社会へと戻る事は十分可能であり、人間社会からやってきた魔女の内、

約4割程は人間社会に戻っています。この内9割は人間社会に残した家族や恋人、友人といった、

交友関係のために戻っている事が確認されています。

 

 

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