見習い魔女エマの紀行録   作:クエクト1030

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256日目、午後の事件

「最近、関所が何者かからの攻撃を受けてシステムに干渉を受けていることは知っていますね。二人にはこの現場のお手伝いに行ってもらいます──」

 

 

 

 

 

「──で、私たちはこれ……やる事ある?」

 

「ない、ね」

 

 

 私とメアリーは魔法世界と物理世界との関所に派遣されていたの。

 ここは私も通った場所だね。ジョフィアさんに案内してもらったなぁ。その時もこうして……

 

 

「うわ、また出たぞ!戦闘班急げ!」

 

 

 こうして魔法生物が物理世界に出ようと暴れてたなぁ。

 

 

「エマ何やってんだ、退避するぞ!」

 

「あ、待ってよー!」

 

 

 私たちはシステムを点検する仕事……の、社会見学に来てたようなものだったの。

 でも現場について早々、また干渉──ハッキングを受けて、魔法生物が引き寄せられ始めたんだ。

 

 

「悪いけどあなたたちも手伝って。そこに立ってるだけでいいから、魔力貸してもらうよ!」

 

「おまかせを──ををををををを」

 

「いだだだだ!!一気に取りすぎだろ、加減しろよ!」

 

「今は緊急事態です、加減なんかしている場合ではありません!」

 

 

 魔力を提供するために魔法陣に触れると、物凄い勢いで魔力が吸われていったんだ。

 ものすごく痛かった!下手な看護師さんに採血してもらうような感じ、いやっそれよりも横暴粗雑だね!

 

 

「この魔法陣で魔力の広域探知を行っています。二人も痛みに慣れたら関所の結界魔法に干渉している魔女の逆探知を始めてください!」

 

「くっそー!あの先公また私は騙しやがったな!たたの見学じゃないじゃんか!」

 

「び、微妙に慣れてきたけどこんな酷い魔力の使い方は始めてだよー!」

 

 

 とは言いつつも、十分もしない内に私たちも逆探知に参加したの。採血で例えたけど、痛みに慣れれば他のことをする余裕ってあるでしょ?

 

 

「北東は外れ!」

 

「もっと細かい範囲で絞ってください!こちら、南南西見つかりません!」

 

「そんなこと言ったって私たちまだ黎明の魔女だもんー!」

 

 

 そう、私たちはついこの前、ランク2の魔法を一つ修めたことで朝日の位階から、黎明の位階に上がったのである!

 

 日常生活で便利な魔法が中心のランク1に対して、ランク2からはもっと広範囲の便利な力を引き出せるんだ。例えば──

 

 

「あ、これ別の魔法も併用出来るかな!?」

 

「いけそうだな、なんか出来ることあるのか?」

 

「熱で探してみる!《熱源探知(ヒッツェ・ズーヘ)》!」

 

 

 私は逆探知を行う魔法に、更に熱源で探知する魔法を乗せて飛ばしてみたんだ。これが私が黎明に登る際に認められたランク2魔法、《熱源探知(ヒッツェ・ズーヘ)》!

 

 効果は単純!魔法の範囲内をサーモグラフィーみたいに熱に応じて可視化する!見えるのは私だけだけど、逆探知のために飛ばしている魔法は早く広範囲に届くから効率がいいね!

 

 

「……うん?え、あれ?」

 

「なんか見つけたのか?」

 

「怪しい……魔女、見つかった、けど」

 

「何だと、どこだ!」

 

「……」

「関所の中にいるよ、この人」

 

「「なに??」」

 

 

☆☆☆

 

 

「離せーっ!」

 

「大人しくしろこのクソビッチ!お前のせいでどれだけ私たちが迷惑したと思ってんだ!」

 

「全部この環境が悪いんだ!ブラック企業め、滅びろ!」

 

「はーい、裁判所に行きましょうね〜」

 

「やめろー!私は悪く無い!魔女裁判になんかかけるな、おい、誰か私を助けろ!」

 

 

 そうして犯人は無事捕まりました。

 

 この人、魔力の偽装はしてたんだけど、普通に関所の魔法の地下で他の人の作業に混ざりながら直接魔法陣に触ってたんだよね。

 灯台下暗しって感じ。かな?

 

 

「はぁ、こんな単純な見落としで黎明の魔女エマ殿に手柄を持ってかれるたぁ、関所の連中も色々考え直した方がいいんじゃねぇの〜?なぁエマ」

 

「ちょっと同感かも……私たち、社会見学だったしね」

 

 

 うん、労働環境に問題があるとかも聞いたけど、そこも含めてきちんと見直した方がいいと思う。

 

 パパとママのいる世界にあの森に出てきた熊さんが出ていくとかあったら嫌だし。

 

 

「さーて帰ろうぜ。今回は特別報酬くらいあってもいいだろ、何せ解決しちまったんだからな〜」

 

「だね!それに魔力だって使わされたんだし。しかも痛かった!酷いよね!」

 

「そうだそうだ!先公に文句言ってやろうぜ!」

 

「おー!」

 

 

☆☆☆

 

 

「こちらが今回の報酬になります」

 

 

 渡されたのは、前回よりもちょっとだけ多くなった量の魔力の水晶だけだった。

 

 

「意義あり!」

 

「却下します。まだ続きがありますので」

「今回の依頼は見学でしたが、関所での緊急任務とその解決。聞き及んでいますよ、よくやりましたね」

 

「へへ」

 

「えへん!」

 

「で、す、が」

「事前に報酬のことを決めていなかったのは良くありませんでしたね」

「魔女において契約は重要です。契約外で利になる行為を行ったとしても、契約していなければ報酬を払う義務が生じないのです」

 

「はあああああああ!?」

 

「ひどい!!あんまりですよ!!」

 

「落ち着いて。今回は関所側に他の問題点も見つかり、各方面からの詰問を受けている状態です。つまり、学園側も交渉において有利なわけです」

 

 

 そう続けると、先生はどしゃり、と重く多くのものがぶつかり合う音を立てた大きな袋を二つ、私たちの前に出したんだ。

 

 

「ですので、"今回は"報酬を後からせびる事が出来ました」

 

「おおお!」

 

「すごい、こんなにいっぱい!」

 

「でーすーが」

「今回の件でまた一つ覚えてくださいね、何をするにも契約が先です。学園からの依頼で追加の仕事なり、自分たちで依頼を受けるなり。報酬はきちんと自分たちで確約すること、いいですね?」

 

「「はーい!!」」

 

「はぁ、返事はいいのですけど……まぁよろしい。今日はこれで終わりです。お二人とも、もういいですよ」

 

 

 先生はやれやれ、と仕草をしながらも報酬を私たちに渡して、教室を後にした。

 

 

「よっしゃエマ、買い物いこうぜ!」

 

「勿論!どこいく?」

 

「私あれ気になってたんだ。魔法道具の店!あと服屋な!」

 

「いいね、私先に服屋さん行きたい!もしいいの見つかったらさ、それに着替えてからお買い物しようよ!」

 

「ナイスアイデア。よしそうするか!」

 

「レッツゴー!」

 

 

 私たちは日銭を手にして、街へと繰り出した。

 

 計画通り良い服を見つけて着替えたの。勿論その場でお洗濯もしたよ!お洗濯をする魔法、乾かす魔法はもう習得済みだからね!それに、洋服に合いそうな髪型にもしたんだ!

 

 そのあとは魔法道具のお店にも行ったんだけど……ちょっと書きづらいんだけど、えへへ。ちょっとえっちなものとかも〜……きゃ〜!

 

 ふふっ、今日はここまで。

 

 魔法世界にきて、あと三ヶ月くらいで一年。

 黎明の魔女にもなったし、そろそろ帰省したいな!

 

 次に記録する紀行は、パパとママとの一日でありますように!

 




 すみません、完全にこっちに手をつけることを忘れていました(土下座)

 代わりになるかは分かりませんが、また少し書き方や展開を仕方を取り入れてみました。許してください!
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