それはいつか存在した、誰にも届かぬ────。

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ほんの趣味のゆるっと短編。



王者が至った道のあと

時代は世紀末覇王の余韻が未だ残る時────。

 

「時代になるのは、私だ…!」

 

ダートの世界で押しも押されぬ頂点へと至った中央のウマ娘。

もはや越えられないだろうと言われるほどの、どこかの二冠ウマ娘のトレーニングチームで育てられ、かの名瀬トレーナーに見出された逸材。

輝かしい未来があった。

たしかに、輝かしい未来があった。

だが、

 

『でも、でも、でも!!!』

 

まだ、"アイツ"がいる。

 

────あの、"悪魔"がいる。

 

 

美しい青毛の髪をしたそのウマ娘は今でも伝説と謳われるダートのパイオニアであった。

日本のウマ娘で初めて、海外のダートG1を勝ったウマ娘。

冷静沈着にすべてを置き去りにしていくスピードスターに目を奪われない者は誰も、誰も…。

そんなウマ娘なので尊敬されるなんてよくあること。

『あなたに憧れました』だとか、『あなたみたいなウマ娘になりたいです』だとか、月並みな言葉ばかりの中で。

 

「お久しぶりですね、凡人」

「……」

 

そのウマ娘の前には…自分とまったく瓜二つなウマ娘がいた。

しかしその表情は自分とはまったく似ても似つかない、嘲りと██(××××)が交じった顔───とはいっても、それはほんの微々たる変化なのだが。

自分とひどくよく似たウマ娘が、美しい微笑を浮かべて自分に近づいてくる。

前に会ったのは────"あの日"だったか。

 

「そういえば、私も名瀬トレーナーが担当になることに決まりましてね」

「…、」

「"()()()"()()()()()()()、海外ダートの走り方、教えてくださいね!」

 

軽い足取りで去っていく姿に、"あの日"が重なり、ひゅうと息がおかしくなる。

"あの日"を含めて、彼女たちに勝てたなんて、自分も、名瀬トレーナーも思ったことがない。

あれこそが、"天才"というのだ。

 

────いつだって、どこだって。

 

まだ、"アイツ"の背が消えないまま。

 

 

キングスラナウェイとは日本の競走馬。主な勝ち鞍は帝王賞、──────。ダートグレード競走において今日もなお生涯地方所属馬ながら最強馬の一頭として数えられ、現役時代にはヒーロー列伝のポスターも作成された。半弟に全日本二歳優駿、ジャパンダートダービー、帝王賞などの勝ち鞍を持つクラウンオーヴァーがいる。

 

キングスラナウェイ

現役期間 1998-200×年

欧字表記 Kings Runaway

性別 牡馬

毛色 芦毛

生誕 1998年⬛︎月⬛︎日

死没 200×年⬛︎月⬛︎日(×歳没)

ツインターボ

██████

母の父 オグリキャップ

生国 日本(××××)

 

 

現役時の活躍により、一部メディアから「地方から来た悪魔」「砂塵の魔王」、他厩舎関係者より「馬のカタチをした悪夢」等と称される。

また若くして夭折し、「砂上の魔人」と称された主戦騎手███が当馬とのコンビを「魔王×魔人が合わさったらもう『魔神』だ」と雑誌インタビューで語ったエピソードから「魔神コンビ」とも。

 

なおこの███騎手と当馬のコンビは当時中央最強ダート馬とされ、後に日本馬で初めて海外ダートG1を勝利した██████(父サンデーサイレンス)の鞍上を務めた⬛︎⬛︎(名瀬文乃)をして「今でも彼らに勝てるイメージが浮かばない」と語られており…。

 





なお母母父に【狂気の逃げ馬】がいるし、主戦騎手は顔がいいけど呑む打つ買う三拍子のクズ兼気性が荒いのでよく騎乗停止になっては後世で当時の競馬よく知らない民から「キングスラナウェイが勝ってたのはマグレ」って言われてるんだよね。
初めから逃げて逃げて逃げて逃げて…そこからバケモンじみた末脚使って突き放す走り方してくる"悪夢"…。
まぁ、私が書く主人公の傾向通り勝ち逃げするんですけどね!!!!

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