RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。   作:白波 鷹

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第14話 モンスターと戦いたい

「―シュウがモンスター討伐を?」

 

 リラルタに連れられ、孤児院の食堂でマフィと師匠とともに全員で食事をしている中、師匠から話を聞いたミエク先生は驚いた様子で声を返した。

 

「ええ。師を勤めている私から見ても、彼……シュウの才能はすさまじいものです。いえ、マフィもミュライトもエリシルも同じく素晴らしい才能を持っていますが……しかし、彼は別格というか……正直に言うと、今現在でも街の外のモンスターと戦うことは可能かと」

「冗談だろ? シュウはまだ十二だよ? 才能があるって言ってくれるのは親としちゃ嬉しいけど、さすがに街の外でモンスターと戦うなんて無理だと思うけど……本気なのかい、シュウ?」

「ああ。ミエク先生には悪いとは思うけど、正直、このままの生活は子供達にとってはかなり厳しいと思う。けど、俺がモンスターを狩ってその素材を売れば、少しくらい美味いものが食べられるはずだ」

「子供のあんたにそこまで考えさせちまうなんて、あたしは自分が情けないよ……すまないねぇ、シュウ」

「いや、そうじゃないって。ミエク先生が居るから俺達は路頭に迷わずに済んでるんだし、むしろミエク先生には感謝しかないよ。だからこそ、その恩返しとして街の外でモンスターと戦う許可が欲しいんだ」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、あたしとしちゃあんたに危ないことはして欲しくないところなんだけどね……」

「大丈夫だって。だから、ミエク先生はみんなと一緒に俺の帰りを待っててくれよ」

「……はぁ、分かったよ。あんたは言ったらきかないからね……そこまで言うなら良いよ」

「ミエク先生、ありがとう」

「怪我だけはしないでくれよ? ……フェレールさんって言ったかい? 悪いけど、うちの子を頼んだよ」

「安心して下さい。彼は私が責任を持って守ります」

「―わたしも行く」

 

 そうして、師匠がミエク先生に頷いていると、ミュラが真剣な表情で師匠に向かって声を上げてきた。

 

「ミュラ……危ないし、お前まで付いて来なくても……」

「フェレールさん、私も連れていってもらえませんか?」

「師匠、私も行きます」

「エリシル……それに、マフィまで……」

 

 三人から声が上がり、師匠は軽くため息を吐いた。

 

「……まあ、試しにモンスターと戦うのも良い経験になるか。ミエクさん、よろしいですか?」

「本当なら止めたいところだけど……ミュラ、エリシル、本気で付いていくつもりなのかい?」

「うん……シュウばっかりに頼ってられないから」

「ミュラの言う通り、私達ももっと強くならないといけないと思うんの……シュウにはもっと頼ってもらいたいし」

「ミュラ……エリシル……」

「……はぁ。そこまで決意してるんだったら、止めるのは野暮ってもんだね……良いよ、行ってきな。ただし、三人とも怪我をしないこと。そこのお師匠さんとマフィって子もだ。全員が無事に帰って来ないと許さないよ。分かったかい?」

「はい!」

 

 ミエク先生の言葉に、顔を見合わせた俺達とマフィは揃って声を返す。そんな俺達にフェレールさんもふっと笑みを浮かべていた。

 

「分かりました。子供達は責任を持って私が無事に連れて帰ります」

「ああ、頼んだよ」

「ええ。しかし、街の外に出るとなると、出来れば『魔導師』が欲しいところなんだが……知り合いに掛け合ってみるか」

「魔導師ですか?」

 

 そういえば、基本的に『プリテスタファンタジー』はRPGなだけあって、近距離攻撃と遠距離攻撃を持っているキャラクターでパーティを組むようになっている。その中で遠距離攻撃特化の魔導師は序盤から最後まで必須のキャラだ。

 

 それは、この世界でも同じようで、師匠は考え込むような仕草をしながら真剣な表情で俺に声を返してきた。

 

「ああ。モンスターと戦う場合、向こうも遠距離攻撃を持って現れることがある。その時に近距離攻撃では向かうのに時間が掛かるからな……それで、遠距離攻撃を持った魔導師が居てくれると倒すのがかなり楽になるんだ」

「あー……それなら、丁度良い人を知っているかもしれません」

「何? 本当か?」

「はい。まあ、協力してもらえるかは分かりませんが……」

 

 まあ、正確には『プリテスタファンタジー』で知っているだけなんだけど。

 しかも、今はゲーム開始から五年も前……実際に出会うよりもかなり前だ。とはいえ、この『プリテスタファンタジー』の魔導師といえば、『あのキャラ』しか居ないだろう。

 

 ――けどまあ、『秘策』はある。

 

 そう考えた俺は不思議そうな表情で俺を見てくるみんなに笑みを返した。

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