RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。   作:白波 鷹

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第21話 バジリスク戦②

「ええっと……?」

 

 突然の師匠の発言に俺が首を傾げると、師匠は俺に試すような視線を投げかけた後、『バジリスク』を横目に再び質問をぶつけてくる。

 

「先ほどお前が言っていた話だ。あの『バジリスク』を倒せる……ついさっき、お前はそう言っていたな?」

「あぁ、そのことですか。はい、多分倒せると思いますよ」

「ちょっと!? 子供の言うことを間に受けてどうするのよ!?」

 

「当然、普通の子供の発言なら聞き流す……だが、シュウの力はわたしでも測れない時がある。ゆえに、このような発言が出てくると、あながち無視できんと思ってな」

「あのね……お弟子さんを持ち上げたいのは分かるけど、今はそういう状況じゃないのよ? 『バジリスク』の毒は危険なのは聞いたことくらいあるでしょ? 向こうに居る人達を見なさい。すぐに治療しないと手遅れになるかもしれないのよ?」

「『バジリスク』の毒は有名だ。受ければ致命傷になるという話は知っている」

「なら……」

 

「……が、それを聞いた上で、もう一度聞く。シュウ……お前はあれを倒せるのか?」

「だから、人の話を―」

「ええ。倒せると思いますよ」

 

 師匠の言葉に俺が笑顔でそう答えると、師匠やツィオラさん、そしてレシアーナの視線が集まる。すると、レシアーナは俺にひそひそと声を返してきた。

 

「シュウさん……悪いことは言いません、さすがにこういう時にまで格好付けない方が良いですよ? どう見ても、今はそういう状況じゃないですから……」

「完全に信じてないな。所詮、レベル15の『バジリスク』に30超えの俺が負けるはずないから安心しろって」

「れべる……? あぁ、これは駄目そうですね……あまりの恐怖によく分からないことを言い始めちゃってますよ……」

 

「人を異常者みたいな目で見るのはやめろ。ともかく、『バジリスク』を倒せるのは間違いないって言ってるんだよ」

「あのね、君……さっきの話聞いてた? 『バジリスク』の毒は本当に危険なのよ? なのに、もし食らったらどうするつもり? 残念だけど、連れてきた人達の中には『バジリスク』の毒を治せる人は居ないし、すぐに治療することはできないのよ? 分かったら、レシアーナを連れてそっちのお師匠さんと一緒に馬車に戻って―」

「あぁ、多分その辺は心配ないと思いますよ。俺、毒とか状態異常系に耐性を持ってるんで」

 

「状態異常系に耐性……? 何の話……?」

「あー、まあ、簡単に言えば毒をくらわないってことです」

「毒を食らわないって……何を保証にそんなことを言ってるのよ……それより、早く荷台に隠れて―」

 

 そうして、ツィオラさんがそこまで言いかけた時だった。

 

「キシャアアアアアアッ!」

「く、くそっ!」

「きゃああああっ!」

「しまった……!?」

 

 奥の方から『バジリスク』の鳴き声と仲間達の声が聞こえ、それに気付いたツィオラさんが声を上げる。そうして、すぐにツィオラさんは身の丈ほどの大きさの杖を構え、魔法を唱えようとしたが―俺はその隣を一気に走り抜けながら声を返した。

 

「―それじゃあ、証拠を見せますよ」

「―え? あ、ちょ、ちょっと、君!?」

 

 俺が前に出ると思っていなかったツィオラさんが声を上げ、レシアーナも驚いた様子で視線を向けてくる。ただ一人、師匠だけは何も言わずに何かを見極めようとしつつも剣を構え、いつでも助けに入れるような姿勢をとっていた。

 

 ――『バジリスク』はデカいし、かなりインパクトがるけど……なに、エリシルを助けるっていう一番大変なイベントをクリアできたんだ。それに比べれば、こんなもの大したことない。

 

 俺は自分にそう言い聞かせると、『バジリスク』に囲まれていた仲間達の下へ一気に駆け付けていった。

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