型月でセレビィ()に目を付けられた男の末路   作:どういうことか説明しろユキナリ

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第1話

 突如として辺りに光の粒子を募らせ始めた目の前の妖精はこう言ってのけた。

 

 

 

「行こうニンゲン! ワタシといーっぱい遊ぼう!」

 

「は?」

 

「いろんな景色を一緒に見よっ!」

 

「ちょ、待て    

 

 

 

 ……頭の痛くなる話なのだが、こうして集まった光に呑まれ俺は元いた世界から消えてしまったという訳だ。

 最悪だろ? よりにもよって妖精に絡まれるなんて。

 

 しかもそいつは亜麗じみた力    『時渡り』という無法過ぎる力を有した妖精でしたよというおまけ付き、○レビィかな?

 

 

 

「いっててて……えっどこここ」

 

 

 

 幸運なのか不運なのかと問われたら間違いなく不運と人は呼び嘆くが、幸いなことに隕石の降る直前の世界だとか戦争のど真ん中にすっ飛ばされたわけではなかった。

 その代わり元凶(ヤツ)の姿も見えないのだが。

 

 

 

「あのパチモン、どこ行きやがった?」

 

 

 

 なまじ人より高位な存在なせいで、妖精の行う神秘には生半可な介入は不可能。

 異常な才能とか、それこそ根源に到達できた人外ならどうにでもなるんだろうけど。

 

 

 

「お兄さん、誰?」

 

「ん……俺は怪しいお兄さんだ、通報してくれてもかまわんよ」

 

 

 

 明らかに幼い少女の声に暗い部屋、そして突然現れた俺。

 怪しくない訳がない、それに通報してもらった方が手っ取り早く情報集められそうだし……。

 そうして怯えているであろう声の主へと顔を向ける……のだが。

 

 

 

「何だお前」

 

「……」

 

「ただのガキには見えないが」

 

 

 

 この少女、少女の皮を被ったとてつもないナニカだ。

 ……ふむ。

 いや待て。

 

 

 

「……お前まさか……いや、まさかな」

 

「?」

 

 

 

 俺の目を通してとんでもない推察立てられたけど流石にあり得んだろと遮断する。

 そんなもんの目の前に飛ばすなよ。

 

 

 

「綺麗な目、だね」

 

「心にもない世辞をどうもありがとう、人には見えない人の子さん。ところでこれくらいのちっさいせ……じゃなくて妖精見なかったか」

 

 

 

 あいつセレビみてぇな力してるだけでセ○ビィじゃねぇし……そもそもポ○モンがまずこの世界にいるもんじゃない。

 

 

 

「……光の粒と、お兄さんは見た。それ以外は何も」

 

「なるほど、ありがとな」

 

 

 

 ほんとにどこ行ったんだヤツは。

 あんだけ無邪気に遊ぼうだの景色を見ようだの言ったのにもう気分が変わったのかい。

 せめて元の世界にゃ返してくれませんかねぇ。

 

 

 

「私からも、聞いて良い?」

 

「ん、ああ」

 

「その目は、何? お兄さんと目を合わせた瞬間、頭の中に色々流れてきた」

 

「……嘘だろ?」

 

「嘘じゃない」

 

 

 

 俺の目から情報流されてんだけどどういうこっちゃねん。

 つまりこのとんでもない少女、その性質通り周りに影響されやすいってことかね。

 

 

 

「まあいっか。俺の魔眼()は『知識の魔眼』っつー天然ものでな、今まで俺がこの眼で見たものに限られるがそれらを眼の知識として蓄積する、ここまでは良いか?」

 

「うん」

 

「よし。……そして俺が、新しいものに直面した時にその蓄積した知識を当てはめて対象を解析する、って能力だよ」

 

「流れて来た通り、ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

 

 

 どういうカラクリかはまだわからないが、この『聖杯』などという解析結果の出た少女は、俺と目を合わせただけで俺の知識……もとい、眼に蓄積された知識を全てコピーしてしまったらしい。

 末恐ろしいね。

 

 

 

「いい、眼?」

 

「……そんなもんでもない、見たことないものに対して無力過ぎるからな。あらかじめ備えた知識がないとどうにもならん」

 

 

 

 よりにもよって手の内を秘匿しがちな魔術師同士の戦いにおいてそれを要求されるというのがね。

 どこかでちらっと見てしまえれば楽なもんだが、そううまくいくもんでもない。

 

 もっとわかりやすく結果の出る方が有効活用は楽だと思うぜ。

 

 

 

「……私って……?」

 

「さぁ、俺にも事情はさっぱりで。で、家族はどうした」

 

「いない、いなくなった?」

 

「そうかい」

 

 

 

 俺のせいで常識というか自我のようなものが芽生えた気がせんでもないがそこは気にしない、俺も巻き込まれたばっかやねんと。

 あのトンチキな結果を遮断した結果『解析不可(Error)』という文字しか浮かび上がらない眼も当分役に立たないだろう。

 もっとピースが必要だ。

 

 

 

「とりあえず歩くか? そこから外には出られるんだろう」

 

「いいの?」

 

「俺はかまわん、他の奴らは怒るかもな」

 

「……行く」

 

「なら行こう」

 

 

 

 この少女の家の縁側らしき所へ足を運ぶと……何だこれは、結界か?

 特に妙なものには見えないな。

 

 

 

「人を制限するものじゃない、ということなら……」

 

 

 さぁて、どうしよう何にもわからん。

 この手の結界は初見だからな眼は当てにできない、出入りこそ簡単だということはわかるが……。

 出入りが簡単なら、この結界は何から何を守っていたという話になる。

 

 

 

「作戦変更、この結界を解析し終わるまでこの中で待機だ」

 

「うん」

 

 

 

 聞き分けいいなこの子、ちょっと怖い。

 目の前にいるの怪しいお兄さんだぞ? もうちょっと危機感持とうぜ小学生……もうちょっと幼いか?

 あの妖精も探さないとだし……ほんとにどうしようか。

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