型月でセレビィ()に目を付けられた男の末路 作:どういうことか説明しろユキナリ
背景、どっかの誰か様へ。
助けて下さいこのままだと虎女に殺されるかこっちがぶっ殺すかされそうです。
「あっはははははは! 楽っしいです、ねぇ!」
「ええい鬱陶しいわ!」
……寺を離れた瞬間から四六時中、この虎に襲撃されるんだわなぁ!
これじゃあ武術の訓練にはなるが肝心の魔術に全然手を付けられん。
「見たことのない武術ですね、どこで習ったのです?」
「……父親代わりの人に仕込まれただけだよ」
まだシータが幼く勘違いもなかった頃のジャナカ王にこれでもかと仕込まれたからな、多少の覚えはあるとも。
「ほうほう……では、続きと参りましょう !」
「はぁ」
また虎が突っ込んで来る。
ええいこれ以上構ってられるかよ。
「……遊んでる時間がある訳じゃないんだ俺にもよ」
「!」
まあこの虎のお陰で収穫もあった。
例の色白イケメンとあの板の仕組みだ。
「
板を握り、それっぽく名付けた術式を起動させる。
そうすると……。
「影、ですか?」
『……ん、まあそういう手品だよ』
「声まで濁るとは、旅の芸というのも奥が深いのですねぇ」
板から漏れ出た影の様なナニカが、俺にまとわりつき始める。
……濁るってか認識阻害よなこれ。
加減がわからねぇ……まぁ、とりあえず虎を黙らせようそうしよう。
『後ろがお留守だぞ』
「……んにゃっ」
虎の背後に周り拳を振りかぶる。
今のところ判明しているこの影の効果は身体強化と影状の魔力、そして認識阻害の効果の3つ。
いずれも一般魔術師では手が届かない程高レベルだ、情けなくなってくるな。
『寝て……ろっ!』
「あぐっ!?」
そしてその白い頭に拳骨を落とす、こいつは悶絶する。
……これが最近の日常である、武士の時代こえー。
「あいたたたた……視界が揺れますねぇ……」
『揺れる程度で済むんだから大したもんだよ、全く』
影を解除してため息を吐く。
あの時と違い加減はしているとはいえ素の俺より遥かに強い人外レベルの拳骨なんですけどね、なんで頭揺れる程度で済むんだこいつ。
「ガキってのは末恐ろしいな、どいつもこいつも人並み外れた力を持ちやがる」
「……私のような生き物が他にもいる、と?」
「ん? まぁ確定で1人は見たことあるよ」
俺が結果的にトラックから救ったあの金髪ロリ、あいつは今でも勝てる気があまりしない。
発言からして未来視的な要素をあの歳で実行している天才で、俺の眼で情報が完結しなかった末恐ろしいロリ。
……そもそも俺の眼が大したことないというのはまぁそうなのだがね。
俺の眼は、俺の知識が深まれば深まるほど性能の上がるパソコンのような扱いでいいのだが、いかんせん俺が未熟なもんで。
なんとなく不意打ちやら肉弾戦やらに持ち込めば勝てなくもないという感覚もあるのだが、いかんせん接した時間も情報も少ない。
あいつも人間だしな。
「あいつは今のお前さんよりよっぽど恐ろしかったよ、お前なんざ可愛いもんだマジで」
「……」
例外中の例外だというのはまぁそう。
まあ、今後会うのかは妖精の気分次第だろうからどうにもならないのだが……最後のセリフには妙な迫力があったな、うん。
「どうした、気が済んだならもう行くぞ俺は」
「……あっ、はい。また明日リベンジしますね!」
「辞めろ」
美遊、金髪ロリ、色白イケメン、シータ、虎。
今んとこ約2分の1でやべーのに遭遇するんだが今後もこうなのか俺は、勘弁して欲しいぞ。