型月でセレビィ()に目を付けられた男の末路 作:どういうことか説明しろユキナリ
「いってぇ」
今日も今日とてちび虎に拳骨を喰らわせる日々である。
いや悪化してるわ、こいつ平衡感覚フラッフラでもお構いなしに襲ってくる様になったし。
それに……。
「理解不能って何だ」
俺の眼お得意のエラー吐きが牙を剥く。
なんとこのネコ科猛獣、美遊とおなじく何か得体の知れないものを内側に飼ってるみたいでな。
しかも美遊と違って何か結果を遮断したわけでもない、どういうことやねん。
「イレギュラーが多過ぎて信用ならん」
美遊は一度結果を出した後それを否定したら答えを出せなくなった。
金髪ロリは情報を読み込むこと自体はできるが結果が延々と出てこない。
ちび虎はなんか最初っからエラー吐いた。
……そして何より、全員前提として分類は人間だという判断を下している。
人間こえー。
「見たことあるものからしか答えを導けないからエラー吐いてる訳だが」
美遊は聖杯みたいなもんだと仮定しておこう、その方があの子の為になるかもしれない。
金髪ロリはほんとにわからん、
小虎は……まあ本当に俺が見たことがないものが内側にあるんだろうな。
「厄ネタ多過ぎないか? 俺の癒しは美遊とシータくらいかね」
本人達の気質もあるんだろうが、あの子達といた日々は本当に穏やかだった気がするよ。
金髪ロリは一瞬だったからじゃないかって? いやぁやばい予感がするんだよね。
「早急にあの影を研究する必要がある」
見てちゃんと中身を理解してこそ俺の、魔術師の本領だ。
つかそうじゃないと基本的に使えん。
てことで、住職様にこいつを預けてさっさと奥に行こう。
「よっと……軽いなぁお前」
両腕で抱えても全然重く感じないレベルだ。
毎日酒しか飲んでいないのか? ちゃんと食えよ成長期。
あと酒は本当に控えとけなんだ塩をつまみって、塩味の暴力じゃねぇか。
意外と合うってのは否定せんが悪影響過ぎるぞ、肝臓を労われ馬鹿虎め。
「ふふ……にゃー、まだまだ行けますよぉ……」
「夢の中でまだ戦うんじゃねぇ」
何と傍迷惑な、夢の中でも俺に平穏は訪れないと申すのか。
……正夢になりそうだ、悲しいなぁ。
「住職」
「おや、旅のお方。……ああ、成程虎千代ですか」
「ええ、疲れて寝てしまったので」
住職様にはそれっぽい遊びをしているとだけ伝えている。
いや殴り合いしてますとか言えんし……うん、仕方のないことなのである。
「……ほっほ、そうですかそうですか。では虎千代はお預かりします、旅の方はまだ散策をお続けに?」
「ええ、自然を見て回るのが好きなので」
嘘ではない。
お山を見て回るというのはこんな状況でなければ是非堪能したいしな、こんな状況じゃあなければ。
お山の奥の方にある小さな洞窟、そこにいつでも廃棄できる簡易工房を作ってある。
お寺に誤魔化しの魔術をかけて……でもできなくはないだろうが、虎に効くのかが割と結構怪しいからな、リスクは取っていられない。
「セレビ○をどうにかする策をわずかにでも進め続けなきゃならないからなぁ」
俺の様な現代パンピーの力で果たしてあいつに通用する手があるのかという疑問こそあるけどながはは。
そん時は当たって盛大に砕け散ろう。