型月でセレビィ()に目を付けられた男の末路 作:どういうことか説明しろユキナリ
「無様ね、ヒトに成れない獣風情が」
「は……?」
「一人前に私の王子様に欲情しちゃって。そんなに
「 」
あかん終わった。
理解不能(情報量膨大)と理解不能(正体不明)がぶつかっても悪いことしか起こらんのよ。
「ああ」
「……」
「ふふ、ごめんなさいね? そもそもそんな感情があなたには
その先が、金髪の少女から語られることはなかった。
何せ数メートル吹き飛ばされたからな、誰でもない虎の拳によって。
「……ツカサさん」
「何だ」
「私が言えたことではないのは重々承知ですが、女の趣味は考え直した方がよろしいかと」
「俺の趣味じゃねぇが?」
待てと。
確かに知り合いなのは否定しないがあの金髪ロリに粉かけた覚えはねぇんだなぁこれがよぉ!
「なら何をされたので?」
「と、じゃねぇな、あー……勢いのすげぇ乗り物に轢かれかけたとこ助けたんだよ」
「乗り物? 馬の類ですか」
「そんなもん、偶然だよ偶然」
これ○レビィに転移させられた直後のお話である、不可抗力だろ。
ちなみに俺の辞書の中にそんなのを見捨てる選択肢はない、美遊とシータに顔向けできないから。
「ここまでやばいとは思ってなかったが」
「ほう」
「いきなり酷いじゃない」
けろっとした顔で戻って来る金髪の少女。
まあ魔術的な防御は視えたし当然っちゃ当然か、むしろ虎の手の方が心配だ。
「どれだけ取り繕っても所詮は畜生ね」
「……あは」
少女の挑発は中々毒を帯びている、キレッキレだ。
ちび虎の方はなんか怖い。
「では獣らしく短絡的に参りましょうか、不快なあなたを仕留めます」
「取り繕うことすら放棄するのね」
「どう頑張っても所詮は畜生、なのでしょう?」
両者の間に重苦しい圧が流れ始める。
……んー修羅場ぁ、何でこうなるのか。
「ふふ、いいわ。その方が手っ取り早く片付くから」
「いや待てよ、俺の目の前でそんなことさせると思うな」
外見ただの少女達が血みどろになって殺し合うとか痛ましいわやめんかい。
それによぉ金髪ロリ。
「偽物の身体でこの虎を相手にするのは、流石に分が悪いと言わざるを得ないぞ」
「あら、バレちゃった」
少女がわざとらしく笑みを浮かべる。
「何でバレたのかしら」
「一目見たらわかるだろ、俺の眼なら」
「ふふ、ふふふ。そうね、そうだものね」
あの時は見ても見ても情報が完結しないことで頭痛がするほどの存在だったってのに、今目の前にいる少女はさっき現れた瞬間に解析が終わった。
ちなみに解析結果とんでもないこと書いてたな、信じたくない。
「根源の姫様よ、俺にマーキングとは抜け目ないな」
「
「……」
またアラン・スミシーって答えてもいいんだが。
んー……まぁ知られたところでって感じだな、この前は魅了かけられたから咄嗟の判断で誤魔化しただけだし。
「
「……最初からこうすれば良かったのね」
「そういうことだ」
名前を聞けたことがそんなに嬉しかったのか、柔らかく笑う沙条。
魅了なんてされなきゃ俺だってすんなり答えたさ、されたと自覚して尚警戒しないのは流石にのんびりが過ぎる。
「2人の世界にしないでもらえますか? 私もいますから」
「あら、そこらの害獣なんて数に入れてなかったわ。ごめんなさいね」
悪意しか感じねえ受け答えである、俺との落差よ。
「は? 後からやって来た間女如きが何をほざくのですか」
「彼と出会ったのは私が先よ?」
「名前もまともに教えてもらえない出会いですか、微笑ましいですねぇ。……ああ、私はもちろん知ってましたけどね?」
「……」
……俺はどうすれば良いんだこれは?