型月でセレビィ()に目を付けられた男の末路 作:どういうことか説明しろユキナリ
「我、見通し記す
虎に説教したは良いものの、俺は俺の方で妖精どうするかとかあの全能様どうするかとかの解答を用意できていない、八方塞がりだわ。
ということで初心に戻ろう。
家の魔術を行使する、随分とご無沙汰していた気もするな。
「
これ頭痛いとかの次元じゃないし得られる成果が割にあってないと思うんだが、これがうちのやり方だからなぁ。
しゃーない。
「先人築きし知識の書庫、開けや
『……もう、シキ、シキって。そんな熱心に呼ばれたら目も覚めてしまうわね』
……ん?
なんか違和感があった気が……。
「まぁいい。目的のとこには
縦に横に、どこまでも続く摩天楼の様な本棚の世界。
俺が詠唱から辿り着いたのは……いわゆる固有結界と呼ばれるものに近い心象世界。
大木戸家が代々積み上げて来た知識の園と言うべき世界だ。
「ここから読むのも探すのも、苦労しかしねぇんだけどなぁ」
俺の様な未熟者の眼が聖杯やら根源やらを認識できたカラクリはこれなのだが……。
うん、頭痛いわここ。
「知識溜め込み過ぎだってーの、居るだけで熱暴走起こしそうだわ」
天然ものの眼である『知識の魔眼』とすこぶる相性悪いんだなこれが、処理落ちしそうで眼がバグる。
沙条とどっちが重たいのかね。
「本の形をしてはいるが実際は情報の塊、見ただけで読み取ろうとしてしまってキリがない」
不便なもんだよ。
……まぁ今日は我慢だ、しっかり読み解いていかねぇと。
先達の中には継承してから死ぬまでここに篭ってたってバカモンもいるらしいが。
俺はごめんだね、眼と頭が爆発するわこんなもん。
「はてさて、どこかに答えがあると良いんだが」
初代様の知識とか見つけられたらワンチャンあるか?
よく関わってるらしいし、口伝だけど。
こんだけ積まれてたらしばらくは見つからないんだろうが。
俺が爆発するのが先か読み終わるのが先かのチキンレースである、終わってらぁ魔術師の世界はよぉ。
「知識の為にこんな世界オープンした初代様も初代様で規格外だよマジで」
そのせいで一般魔術師がおいそれと
しかも識るだけで到達できるわけじゃねぇからなこれだとさ。
「ほんと、あなたって飽きないわ」
「げ」
あんた何でここにいるんだよここ一族の秘伝ですけど?
堂々と踏み荒らすもんではない。
「偶に来てるわ、あなたを見ていたら見つけちゃったんだもの。……いくら読んでも読み終わらない、楽しみが尽きないなんてすごく素敵」
「見つけちゃったんだもの、で見つかるもんじゃねぇがなぁ」
ここの入り口魔術刻印みたいなもんだぞ、どこにあるのか全くわからないタイプの。
どこまで規格外なんだか。
「ツカサさん? ツーカーサーさーんー?」
「……」
「寝てるんですかぁ? イタズラし……しちゃい、ますよーっ」
「……」
「むぅ、ほんとにしちゃいましょうか? ……なんて」