型月でセレビィ()に目を付けられた男の末路 作:どういうことか説明しろユキナリ
「内臓に響くぞくっそ……」
今度は何処に飛ばされたのだろうか、これ以上異世界トラックアタックされると本気で死んでしまうのだが。
「……どこだよ、ここは」
明るい光が差し込む森の中、だった。
もしくは山か。
……山の中は山の中で危ねぇんだぞ、田舎の民だから俺知ってる。
「あー……今度はサバイバルでもしろよと」
軋む身体でサバイバルってどんな罰ゲームなんだ?
いや、しかしトラックよりマシ……そんなのよりマシだと思ってる自分がなんか嫌だなぁ!
「とりあえず見晴らしのいい場所……っ」
俺の耳に、枝葉を踏み締める音が響く。
……いやぁまずいかもね。
「……熊じゃなけりゃどうにでもな
「■■■■■……」
振り向いて音の主の姿を確認すると。
明らかに俺より魔力も図体もデカそうなでっっっけぇ猪がいた。
……。
は?
「……な、なるほどここ一体がお前の魔力で満ちていたと……」
「■■■■■■……!!!!」
こんな時でも俺の眼は冷静だ。
いやそうじゃない今は……!
「全、力、疾走だぁ !」
「■■■■■■■■■■ッ!!!!!!!」
身体こわれる。
ああくそ無茶な場所ばかりに送りやがって妖精めっ!
「ちっ、このっ!」
田舎っ子パワーにより木々や岩の間をひょいひょい駆け抜けることには慣れているが。
奴の方はそれらをお構いなしに突き破っている。
おそらく今の奴の目には、目の前にいる
「しかし追い付かれてはいないっ、このまま んんっ!?」
おれのめのまえにあかごがふってきた
……俺の目の前に赤子が降ってきたぁ!?
「……趣味が悪いにも程があるぞ妖精!」
俺が幼子を見捨てられない病気にかかってしまったのを見計らってのことなのだろうか、3回中3連続だぞ。
100%は流石にキレていいと思うんだ。
「よっ……綺麗な髪してるとこ悪いが、俺の腕ん中は揺れるぞぉっ!」
「?」
「■■■■■ッ!」
まずいまずいまずい!
赤子を抱えたままパルクールを続けると言うのは無理がある、どこかで塞がった手のツケが回ってくるからな。
つまりは外に出なければならないと言うことになる。
「相手が猪じゃなけりゃあなぁ……!」
何もない直線の速度であの図体の加速と真っ向勝負はしたくないが、赤子の登場でそれをしなければならない状況を迫られている。
「ん 」
森の端っこ、つまり平野をこの先に確認する。
強化した視界で、平野……否、畑らしきものにあるものを捉えた。
「……やるしかねぇかなぁっ!」
「ぁう?」
「おうお前は死なせねぇよ赤ん坊っ!」
前回前々回と役に立たないこの眼だが、今回だけは役に立ったと思っておこう。
お陰で一か八かの賭けができる。
「抜けたっ!」
「■■■ッ!」
森を抜け目に入ったのは畑と その、あぜ道。
あそこしか、ないっ!
「あそこに、俺を、詰め込め っ!」
「■■■■■■■■■■ッ!!!!!」
「……なんとかなった……」
俺のなけなしの策というのは、あぜ道の溝に俺自身と赤子を詰め込んで猪から隠すと言うもの。
何せあの殺人的な図体だ、一度見失ったものを探すのは容易ではないだろう。
しかも足元の溝の中なんて尚更。
「きゃはっ、きゃはっ!」
「……はは、笑いやがって。お前も俺もあぜの子なんだぞ今んとこ」
もう一歩も動けない、病みから上がってすらない身体で無茶をしたのだから当然か。
「ま、生き延びたんならそれで儲けもんかぁ」
「あぅあ!」
「おうともよ、強く生きなきゃだもんなぁ」
出会ったばかりの俺にすら懐く、いい子じゃないか。
なんで落ちてきたのかが疑問だが、この子に聞いても無駄だろうし。
……ちびっ子に出会う呪いにでもかかってたりする?
「……!?
「え」
なんか急にわからない言葉で話しかけられた。
……どうしようか。