英雄にしかなれない男、転スラに行く   作:ちゃがまくら

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覚醒の時

俺は今、大量殺人鬼のセイイチ・ニッタ(新田誠一)の最後の目撃地点であるイングラシア王国に来ていた。

より詳細にいうなら、王都の路地にあった血溜まりのある所に。

 

これから探すのだが、探す方法は簡単!

探知者(サガスモノ)』で探すだけ。

本人は探せなくても、血溜まりがあるなら、この血が付着しているはずだ。

さらに言うなら、死体を調べたところ財布などの金目のものがなかった。

 

財布の場所、血の場所、魔力痕跡、目撃情報、この4つがあるなら1時間もかからずに見つけることができる。

早速、『探知者(サガスモノ)』で探知してみた。

 

すると、少し遠目の王都の隣町に反応があった。

そこにある西方聖教会支部に転移して、早駆けの加護を使い走った。

 

着いた先は大通りで、探していたセイイチ・ニッタ(新田誠一)は屋台で食べ物を買っていた。

 

見た目の印象は少しグレた高校生といった感じ、ただ目には狂気が宿っている。

質の悪い魔人と同じ目をしている。それも痛めつけるも殺すも自分次第といった考えを持ったような魔人と同じ目。

 

召喚者であることは知っていた。

犯行動機を調べる際に聞いたから。

しかし、ここまで力があるとは思っていなかった。

ギィやミリム、それから魔王の宴(ワルプルギス)怠けていた魔王(ディーノ)と同じような嫌な感じがした。

 

まあ、話しかけるくらいで殺しに来ないだろう。

その安直な考えで話しかけて見ることにした。

 

「やあ。君が新田誠一かな?」

「あ?誰だよ?」

「西方聖教会所属のラインハルトという。少し、良いかな?」

「なんでお前にいうことなんざ聞かなきゃいけねーんだよ?」

「ここじゃ、人が多いからね。君にとっても、良いことないしね」

「俺は構わねえよ。んで、なんのようだ?」

「君にイングラシア王都での大量殺人容疑がかかっている。来てくれないか?」

 

言ってみると、嫌な顔され、殴りかかってきた。

 

「ただの優男が出張ってんじゃねぇよ。ば〜か!」

「ただの優男が大量殺人鬼の捕縛に就くとでも?」

「は?なんで効いてねぇ...。何しやがった?」

「君、毒使いなんだろう?俺に毒は効かないんだ」

「何言ってやがる?俺の毒は毒耐性を無効化する。絶対に防げねえはずだ!」

「はあ、実力行使させてもらう」

 

説明が面倒なので、さっさと終わらせよう。

そう思い剣を引き抜く。

 

「安心しろ。殺しはしない。ただ、反省はしてもらう」

「俺は何も悪くねぇ!悪いのは全部よえー奴らだ!」

「君じゃ俺に敵わないよ」

「はっ!お前に効かないなら、お前以外にかければいい!」

 

そう言い、毒で作った矢を街全体に降らせた。

その程度なら、魔力をためて、振り抜く!

その動作で毒矢は弾かれた。

しかし、彼は嗤う。

 

「やっちまったなぁ?」

「ん?何をだい?」

「俺の毒は一定の衝撃を受けたら霧散するようにできてる!お前のせいで街全体に広がったってわけだ!」

「...そうか。なら、早急にどうにかしないとな」

 

そうか、そうか...同じ日本人のよしみで、召喚後の環境を配慮して、気を遣ってきたが...

 

もういいか。こいつはもうどうしようもなさそうだ。

 

《確認しました。勇者の卵が孵化・・・覚醒しました。それに合わせてスキルを進化させます。》

 

聞き覚えのある声を聞きながら、願う。

俺があいつを倒すまで街の人間に俺の加護を共有しろ。

 

《加護共有を発動します。共有する加護は不死鳥の加護、解毒の加護、闇払いの加護。また、精霊武装の使用を提言します》

 

精霊武装?じゃあ、それも使え。

 

《使用の意思を確認しました。精霊武装を装着します。》

 

これが精霊武装か...俺のイメージのせいか、ラインハルトの格好と同じになっている。

まあ、いいや。かっこいいしね。

そんでもって、龍剣レイドもある。

へー、抜くに値する相手か...これは引き締めないとな。

 

あと、スキルも進化するのか...

じゃあ、『精霊之王(オベロン)』って名前にしよう。

 

《進化が完了しました。『加護者(マモリエルモノ)』をベースに『探知者(サガスモノ)』『勇気者(ユウキアルモノ)』『転移』『魔力感知』『隠密』『助力』、さらに力を貸している精霊を統合し『精霊之王(オベロン)』に進化させました。》

 

じゃあ、閲覧の加護で見させてもらおうか。

 

精霊之王(オベロン)

思考加速・森羅万象・万能感知・多次元結界・空間操作・加護{獲得・共有・簒奪・譲渡}・精霊意思・精霊覇気・精霊世界・精霊支配{契約無視・精霊統一・精霊武装権限}・心核(ココロ)治癒

 

やれることが増えすぎだろ...

まあ、いいや。

 

精霊意思...話せる?

 

『話せるよ!』

 

じゃあ、サポート任せて良いかな?

 

『オッケー!』

 

名前ある?

 

『オベロン!』

 

よろしく、オベロン。

 

『よろしく!』

 

加護のあれこれは任せる。

 

『得意分野だよ!』

 

じゃあ、アイツ斬って来るね。

 

龍剣レイドに魔力と霊子を纏わせて斬る。

名前は『聖魔斬(カオススラッシュ)』でいいか。

 

あとはアイツに思考加速かけて、反省してもろて

 

『残りの人生、反省しておけよ』

 

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新田誠一 視点

 

は?アイツなんなんだよ。いつ切られた?

わからない、なんでまだ死なない!

 

これからだったのに...これから...これから?

俺は何をして...何をしようとしてた?

 

初めはただ自由になりたいと思っただけなのに、なんでこんなに人を殺したんだ?

騎士はまだ、わかる。俺を召喚した奴らの仲間だからな。

だが、なぜ何もしていないアイツらを...仲間を?

 

う...もう時間が..ない。思い出せ。

あ...紫髪の女に、人をなんとも思わない悪魔に会ったんだ。

アイツに会ってから何かがあった。

 

「..むら...き」

 

________________________________________________________

 

原初の紫(ヴィオレ) 視点

 

ん?あーあ、死んじゃった。

人間達、あんまり死ななかったな〜。

それに、もうちょっとで体取れたのになぁ

 

まあ、あとはなんとかしよっと。

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