英雄にしかなれない男、転スラに行く   作:ちゃがまくら

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この話は思いつきなんで設定は適当です。


過去編:森の中の剣士

??? 視点

 

気持ちのいい朝だな。

だが、こんな日はあの時のことを思い出す。

 

あの時はこの世界に来てから感じたことのないほどの絶望が私を襲った。

 

敵対したわけではない。

アレはただ強く、私はただ圧倒され、無力感を味わい、未来への活力を得た。

 

この森を縄張りにするかの暴風とは違う。

暴風は気まぐれに守ってくれるが、アレは自分の価値観で選別していた。

 

私が厄介になっている大鬼族(オーガ)を殺しに来たのかと思えばただ剣を打ち合うだけで終わり、何処かへ行く。

 

アレの…かの剣士の技を真似てみるが根本的に違うようで振るうだけで腕が、肺が、脚が痛い。

 

アイツのは化物を殺す剣だ。

私の同格より少し上から自身以下を殺す剣とは違い、世界の化物を、竜種や魔王を殺す剣。

 

私は見ただけで抑えきれずにその剣士に手合わせを願った。

だが、断られた。

 

何故かと問うたが首を振り、こう言う。

「君のはまだ完成していないだろう?完成したなら、君や君の門弟と手合わせしよう。何年かかってもいい。俺には時間があるから。」

 

ついぞ、私が相手することは叶わなかったが…

私には才のある孫が出来た。この子なら…私を越えられるだろう。

 

「孫よ」

「御祖父様、なんですか?」

「気持ちのいい朝だな」

「はい、そうですね」

「私の昔話を聞いてくれるか?」

「御祖父様の?珍しいですね。」

「そうか?ただ私の夢の話だよ」

「夢…ですか?」

「ああ。私はかつて見た剣士を超える剣技を作り、手合わせしたかった。」

「御祖父様ほどの剣士でも叶わなかったのですか…」

「それもあるが…私はこの森から出ることなく剣の修行に明け暮れた。それが私の誇りであり、約束だ。」

「約束?」

「故郷の仲間との…その剣士との…。でだ、お前に頼みがある。」

「頼み…ですか?」

「ああ。私の作った剣技を…■流を広めてほしい。」

「私がですか…?」

「ああ。私は長くは生きられん。だが、お主なら長く生きられる。剣の才もある。」

「ですが、私には務まるとは…」

「なに、お主の人生のついででいいとも。私はこの世界に生きるのに力がいるから教えたまで。気楽にやればいい」

「気楽に…」

 

________________________

 

今のは…人間だった頃の記憶だろうか…?

もしそうなら、私は人間だった頃から剣バカだったようだ。

 

それにしても肝心の剣士の顔を思い出せん…

うーむ…もう少しで思い出せそうな気もするのだが…

 

「アゲーラ!カレラ様がまたウルティマ様と喧嘩してるからなんとかしてよ!?」

 

カレラ様が…?

剣での勝負を提案したら止まるだろうか…

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