ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第101話 ネネとロゼッタ

神聖歴583年 春の始め月 11日

 

 

「タロゥ久しぶり」

「ネネも元気そうでなにより。昨日会えると思ってたんだけどな」

「ん。本当は行きたかったけど私は道場関係者じゃないし。お兄が居たらついていけたんだけど」

「あ、そういえばメメさん彼女が出来たって話だけど聞いてる?」

「聞いてない。ついにお兄も覚悟決めたんだ」

 

 

 カルデラに着いた日は道場の皆に歓迎会を開いてもらい、次の日。

 

 久しぶりに会うもう一人のパーティーメンバーである薬師のネネに会いにカルデラの大学へ行く。カルデラの大学は近隣でも最も規模の大きい学校で、歴史や文化だけではなく経済についてや薬学、医学に関する知識も得ることが出来るそうだ。

 

 入学する条件は自分が学びたい分野の最低限の知識を持つと試験官にアピールする事。大分アバウトな内容だが、基本的に来るもの拒まず去る者追わずなスタンスらしく入学者は多いけど実際に学業を終えて卒業できる人は大分少なくなるそうだ。前世で言うアメリカの大学に近いのかもしれない。

 

 

「基礎が出来てない子には卒業は難しいだろうね。私は教授から太鼓判を押してもらったから、卒業自体はいつでもできる。今は教授の補佐で新薬の効果実験とフィールドワークの助手をしてる」

「おお。何年も森を駆けずり回った経験が生きたのか」

「ん。カルデラの森はもう私の庭。いつでも頼ってくれていい」

 

 

 お気に入りの皮帽子の縁を弄りまわしながら、ネネは得意そうに笑う。カルデラの森か。サニムの森と違って大狼さんが居ないから普通に魔物が生息してるはずだが、ネネの言動や態度を見るに本当にカルデラの森を熟知しているのだろう。

 

 去年の今頃は基本的に荒事は俺とザンムに振っていたはずなんだが、もしかしてネネも武の道へ進んだのだろうか。それを見るって意味でも、機会があれば一緒に森へ潜ってみたいものだ。

 

 

「所でタロゥ。私はこの後は暇。来たばかりで不慣れだろうし街を案内しようか?」

「うん、ありがとう。申し出は嬉しいんだけど、この後はロゼッタと合流して借りる候補の家を見に行くんだ。だから」

「ん。絶対についていく」

「お、おう」

 

 

 カルデラについた日は宿で寝泊まりしたが、長期滞在になる予定なのでいつまでも宿を借りるわけにもいかない。幸いなことに去年の春にロゼッタも留学のためにカルデラに来ているから、事前にイールィス家に頼んで良い賃貸を探してもらっていたのだ。

 

 こっちで先に借りておこうかとも提案されたが、1,2年後には妹も絵の勉強のためにカルデラに来る予定のため長期間住まう家になる。出来れば借りる前に見ておきたいので、幾つか候補をピックアップしてもらい最後に自分の目で見て決める予定だ。

 

 その為、別に俺一人でも問題ないんだが道場の歓迎会にも来れない位に忙しい筈のロゼッタが、わざわざ案内する時間を取ってくれるという。本来なら遠慮するべきなのだが、妹と同じ女の視点は必要だと言われたらね。全くその通りだとしか答えられない。

 

 なにかロゼッタにはお返しをしないといけないな。そう考えながらロゼッタとの合流場所にネネの案内で向かう。

 

 ロゼッタに指定された場所は、大学近くの噴水がある広場だった。カルデラは水の町でいたるところに噴水があり、観光名所にもなっているらしい。各所にある噴水には精巧な造りの像が周囲を囲むように建てられており、それぞれの広場の像は過去にカルデラで起きた歴史的事件を題材にしたもののためそれらをぐるりと見るだけで歴史の物語を学ぶことが出来るらしい。

 

 久しぶりに見るロゼッタは、綺麗になっていた。元々綺麗な子だったのだが、ネゼ・カルデラでもトップの町で1年生活したからか。洗練された印象が強くなっている。遠めでも輝くような金髪に小さな赤い帽子が良く似合っている。服は赤と白のチェック柄の外套に、少し長めの黒いスカートが合わせられている。サニムではめったに見ないお洒落な装いだ。

 

 俺が見ているだけでも2回、ロゼッタは道行く男に声をかけられていた。あれだけの美人さんなら納得だ。余計な面倒が起きる前に早く合流しよう。

 

 

「ロゼッタ、ごめん。待たせた」

「あ! タロゥ、お久しぶり――ネネ?」

「ロゼッタ。昨日ぶり」

「ええ…………昨日ぶりね。どうしてここに」

「それは、こちらの、台詞。タロゥの家探しをしてるなんて聞いてない」

「ええ。あくまでも家を探すだけだから言う必要がないと思ってたの」

「そう。そうか。そういうんだ」

 

 

 俺が声をかけるとロゼッタは満面の笑顔でこちらに振り返り、次の瞬間その笑顔のままピタリと止まって視線をネネに向ける。俺以外にネネが居たから驚いたんだろう。二人は同じ大学に通っているため、学ぶ内容こそ違うが同級生という事になる。どちらもサニムの有力者の子弟だから、こっちでも協力し合っているらしく二人はにこやかな笑顔を浮かべて互いに言葉をかわしている。

 

 ただ、ちょっとだけ不穏な気配になってるのは良くないな。気に食わないことがあったから不機嫌になるのはしょうがない。でもそれをぶつけ合って周囲に迷惑をかけるのは頂けない。

 

 仕方ない。ちょっと強引な手を使おう。

 

 にこやかに向かい合う二人の手を取り、ぐっと強く引き寄せる。英雄スキルに覚醒した際、俺の身長は前世とほぼ同じくらいの170と少しくらいまでまで大きくなった。その分力も強くなったため、ロゼッタとネネを同時に引っ張る事なんて造作もない。空に舞う羽みたいに軽く感じる。

 

 

「え、ちょっ」

「きゃっ」

 

 

 可愛い悲鳴を上げた二人の腰を両手で掴んでぐっと抱き上げる。もちろん強くしすぎればベアハッグみたいになってしまうから、加減はしてある。

 

 

「さ、行こうか」

「え。は? はあ!?」

「待って。お願い待って。この格好で? この格好で街を練り歩くの!?」

 

 

 頭の上から二人が割と本気で焦った声で抗議してくるが、俺を理由に勝手に喧嘩していたの二人の方だからな。なら俺が勝手に二人を抱えて街を歩いても悪くはないだろう。久しぶりに会ったのに、友人同士の喧嘩を見せられたのだ。奇異の目で見られながら町の中を歩く程度の罰は受けて当然だろう。

 

 まぁ最終的に一件目の物件についた時、本当に泣いて謝ってきたのでこの件はこれで終了だ。次にやったらまた同じことをすると言っておいたし、これで二人が喧嘩することは少なくなるだろう。多分。

 

 




お気に入り・☆評価よろしくお願いします!

タロゥ(10歳・普人種男) 

生力65 (65.0)
信力122 (122.8)UP
知力48 (48.0)
腕力71 (71.0)
速さ67 (67.0)
器用55  (55.0)
魅力60 (60.0)
幸運36  (36.0)
体力70 (70.0)


技能
市民 レベル4 (59/100)UP
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル4 (66/100)
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (48/100)
剣士 レベル6 (15/100)
木こり レベル2 (70/10
楽士 レベル3 (48/100)
教師 レベル3 (58/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル6 (79/100)
テイマー レベル2 (71/100)
絵師 レベル3 (89/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー
水兵 レベル2 (35/100)
執事 レベル3(100/100)ー


スキル
夢想具現 レベル3 (100/100)ー
直感 レベル4  (81/100)
パチン・コ流格闘術 レベル6(79/100)
パチン・コ流武器術 レベル6(79/100)
飛行術 レベル3 (11/100)
フォークダンス レベル5(100/100)ー
フォークマスター  レベル1 (100/100)
念話 レベル2 (56/100)
女たらし レベル6 (12/100)UP
サニム流マナー レベル3 (32/100)


英雄スキル
夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)


カルデラ近隣地図
https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139845715828802
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