ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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誤字修正、げんまいちゃーはん様ありがとうございます


第116話 随分ロックな女神様なんですね

神聖歴583年 夏の中月 5日

 

 

「おばちゃんはねぇ! マリアちゃんと森で薬草を採る仲間だったんだよ! マリアちゃんは教会の教えだと清楚でおしとやかな女性だったって話だけど自分と意見が違う子がいるといっつも「主よ、未熟な私をお許しください」って言いながらブチギレてでっかいハンマーでしばき倒してたんだ! 竜殺しや海の王殺しなんかも本当は話し合いで終わらせる気だったんだよ! でもしばき倒してた!」

「随分ロックな女神様なんですね」

「おっと違うよ! マリア教はマリアちゃんが主神じゃない。マリアちゃんだけが信じてる主ってのが主神なんだ! でもマリアちゃんとずっ友だったおばちゃんもその主ってのが何かわからないんだよね! マリアちゃんの弟子たちも今の教皇も多分わかんない!」

「信教とは一体……」

 

 

 大学からのフィールドワークの護衛を受けて数日。冒険者チーム『赤頭(レッドヘッド)』として大学のフィールドワークチームと合流したら、100人規模の集団が待っていて度肝を抜かれた後、俺たちは船に乗ってカルデラを出発した。クラピエス河を遡ってクラピエス湖に入り、そこから山脈の麓まで移動するルートだ。

 

 

「10年くらい前まではね! このルートで大学の希望者皆を船に乗せて運んで山脈のフィールドワークに行ってたんだ! でも君が倒したほらウナギのでっかいのみたいなのが湖を荒らすようになってからは出せなくてね! いっぱい船が襲われちゃったからさ! でも君がしばき倒してくれたから通れるようになって大助かりだよ! あれから被害も聞かないし多分繁殖もしてないようだね!」

「あ、そういう因果関係が」

「そうそう! 因果関係! あいつ死んだ? よっしゃーって感じで船出すの決まったの!」

「行き当たりばったりすぎません最高学府」

「うちの教授なんてそんなのばっかだよ!」

 

 

 そして今回、俺達『赤頭(レッドヘッド)』はこのでっかい鼠でありネネが大学で教えを受けている薬学部の教授、ネズコさんの護衛としてこのフィールドワークチームに参加している。100人規模というのはフィールドワークが必要な学部の教授とかが自前で用意した護衛や学生たちも含めた人数だな。

 

 それぞれ大体10人規模でグループを作って現地に到着したらまずは本部的なキャンプ地を立て、そこから各自でフィールドワークに赴く予定になる。だから、そこに行くまでは各自の護衛が協力してこの集団を守り、別れた後も可能な限りは協力し合うことが求められている。

 

 という訳で各チームの冒険者とは軽く雑談がてら打ち合わせだ。これはザンムやネネにもお願いしてあり、ザンムは向こうでガタイの良いお兄さんたちに「デカい」「デカ……デカい」と言われてるしネネはあっちでお姉さん冒険者たちに「わ、お洒落な帽子ね。これどこの工房?」「お肌すべすべ。やっぱり薬学部ってそういう、薬って詳しくなるの?」と可愛がられている。

 

 うちのチームはまだカルデラに来て日が浅いからな。こっちの冒険者とはほとんど顔も合わせてないからこの機会にしっかりと顔を売って今後に繋げないと。

 

 二人が頑張ってくれてるし、俺も頑張らないとな。

 

 

「お前らが湖の人食いをぶっ殺してくれたんだってな! 感謝するぜ。あいつ強い奴がいるといっつも逃げる奴でなぁ。しかもほとんど水中に居るから倒しにもいけねーしカルデラの冒険者みんなウゼーって思ってたんだよ!」

「まぁ、うちの仲間が機転を利かせてくれたので」

「お。ただの腕っぷし自慢でもなさそうだな! 今回の仕事は期待しとくぜ!」

 

 

 俺が話す相手は各チームのリーダー格たち。今回呼ばれた冒険者チームは基本的にカルデラに在籍する冒険者チームでもお行儀の良い方の人たちばかりだ。まぁこれは当たり前なんだが社会的地位のある教授やまだ子供って時分の学生を護衛する事になるから、荒くれ者っぽい連中や信頼がおけないような類の連中は最初から弾かれているんだな。

 

 当然、彼らくらいのチームは大学が提示した報酬なんてはした金にしかならないんだが、この仕事実はこれ以外にも結構大きな報酬が存在するため、彼らはそれ狙いでこの仕事に参加している。

 

 その内容はずばり、希望すれば大学の講義を聴講できる権利だ。

 

 これ実は結構な特権で、普通はカルデラ市民でも結構な額の税金を納める上流階級の人かその学部の学生にならないと大学の講義なんて聞くことは出来ないのだ。この世界、というか俺の前世の世界でも本来はそうなんだが、大学の講義ってのは行ってみれば最先端技術を学ぶ場だ。本来、その技術を手に入れるために研究者たちが費やした時間を無視して最先端技術に触れることが出来るというのは、本来なら黄金を積まないと聞くことが出来ないものでもある。

 

 その大学の講義を、大学の発展に貢献したという名目で聴講する事が出来るようになる。その価値が分かる者には破格の報酬である。

 

 

「まぁ、俺らそれを知ったのは仕事を受けた後なんですがね」

「嘘だろお前! なんで受けたん?」

「いや、うちのチームの紅一点が薬学部の学生なんで」

「あー、そういうルートか」

 

 

 大体のパーティーに挨拶をした後、暇だから話そうぜと誘ってきた青年と情報交換がてら会話を交える。彼は槍使いのリューターという青年で『清らかな乙女の鈍器』という冒険者チームのリーダーを務めている。スゲー名前のチームだなと思ったら結構由緒あるチームらしく彼は10代目くらいのパーティーリーダーだそうな。

 

 10代続いてる冒険者チームってのも凄い話だが、カルデラにはこういう歴史ある冒険者チーム、というかそのチームが起こした冒険者クランっていうのが幾つかあって、彼らと同じように歴史あるチームをクランメンバーが引き継いでいくってのは割とよくある話らしい。

 

 ちなみに彼らのチームには乙女も鈍器使いも居ないため絶賛募集中らしい。どういう基準でチームを受け継いでるのかよく分からん。

 

 

「しかし大学かぁ」

「良いよなぁ、大学。この仕事を受ける時に初めて入ったけど、こう。歩いてる人みんなが知性的というかさ。今回の仕事も学がある冒険者志望の子と知り合いになれないかって期待してんだよなぁ」

「ああ、いい着眼点かもしれませんよ。さっき話したうちのチームの紅一点は薬師として大学に通ってますが、大体の薬師は見習い期間に森で薬草摘みをするらしいんで冒険者とも結構接点があるんです。俺たちが出会ったのも正にそれだったんで」

「ほー? なるほど。そういう接点もあるのか。薬草摘みかぁ、盲点だったわ」

 

 

 普段は魔物狩りをしているらしいリューターは薬草摘みには行った事が無いらしい。まぁ、魔物が狩れるなら割に合わない仕事だろうな。でも割に合わないからこそ結構役得とかもあったりするんだ。ああいう仕事は。お陰で俺とザンムはネネに出会えたし薬草や薬の知識も学ぶことができた。値段以上の価値があの仕事にはあったのだ。

 

 もしも今の知識と力を持ったままあの時に戻ったとしても、俺はまた薬草摘みをしただろう。

 

 

「なるほどなぁ……な、タロゥ。対価は払うから後で薬学部の人を紹介してくれねぇか?」

「構いませんよ。うちのパーティーメンバー伝手になりますけど。でも、対価次第ですかね」

「助かる。まぁ、対価っつーのはうちのパーティーのメンバーなんだけどよ。今回俺らはこの船の運航のために雇われてんだが、それはそいつが理由なんだ」

「運航のため? ええと、船乗りが居るって事です?」

「いいや。この船、川上に向かって進んでるだろ? 帆もないのに」

 

 

 そう言われてみると、確かにこの船は帆船でもないし漕ぎ手も居ないのに川を上っている。動力が無ければありえない動き方だ。となると怪しいのは信力を使ってるという可能性だがそれをリューターの仲間が行っているという事かな?

 

 

「あっちを見ろよ。すぐわかるぜ」

 

 

 そう言ってリューターが指さすのは船の先。船首の辺りに立つ一人の青年の姿だった。恐らく彼がリューターの仲間だろう。リューターの言葉を聞くに彼が何かをしている筈なんだ……が……

 

 俺が視線を向けると、青年の前の水面がザバァと膨れ上がり、巨大な何かが水中から現れる。正体はすぐに分かった。前世で何度か見たことがある生き物と同じ形をしていたからだ。

 

 そう。あれはカバだ。

 

 鯨のようなサイズのカバが「ヒヒーン!」と鳴きながら水面から姿を現したのだ。

 

 

「カバだ……」

「カバ? いや、あいつはヒヒンタマクスだぞ。うちのオリオはテイマーでな。ヒヒンタマクスだけじゃなくて馬や羊なんかも育成してるから畜産方面にも顔が利くんだ」

「あいつは割と普通に船の動力をしてる生き物なのか?」

「いや、テイマー自体が少ないからな。カルデラでもオリオ以外に1人2人だった筈だから、滅多にない。普通はもっと小さな船で手漕ぎか帆船を使うもんだよ」

 

 

 テイマー、俺、持ってるなぁ。ということは俺もあんなのと意思疎通できるって事だろうか。山巨人は念話で言ってる事もある程度わかるようになったし、多分出来るようになるんだろう。

 

 良いね、良いじゃないか。まさかこんな所でこんな依頼で先達のテイマーに出会えるとは思わなかった。中々成長させられなかったテイマースキルを成長させるチャンスが来るなんてな。後でリューターをネズコ教授に紹介してやろう。ついでにネネの友達の女の子も紹介してもらおうか。それくらいやってあげてもバチは当たらない対価だからな!

 

 




お気に入り・☆評価よろしくお願いします!

タロゥ(10歳・普人種男) 

生力67 (67.0)
信力129 (130.1)UP
知力51 (51.0)
腕力71 (71.0)
速さ68 (68.0)
器用58  (58.0)
魅力62 (62.0)
幸運36  (36.0)
体力71 (71.0)


技能
市民 レベル4 (77/100)UP
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル4 (66/100)
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (48/100)
剣士 レベル6 (18/100)UP
木こり レベル2 (70/10)
楽士 レベル3 (48/100)
教師 レベル3 (74/100)UP
パチン・コ流戦闘術 レベル6 (100/100)ー
テイマー レベル2 (78/100)
絵師 レベル3 (90/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー
水兵 レベル2 (45/100)
執事 レベル3(100/100)ー
乗馬 レベル0(23/100)



スキル
夢想具現 レベル3 (100/100)ー
直感 レベル5  (3/100)
パチン・コ流格闘術 レベル6(100/100)ー
パチン・コ流武器術 レベル6(100/100)ー
飛行術 レベル3 (31/100)
フォークダンス レベル5(100/100)ー
フォークマスター  レベル1 (100/100)
念話 レベル2 (72/100)
女たらし レベル6 (56/100)
野獣の眼光 レベル0(21/100)
ネゼ・カルデラ式マナー レベル3 (46/100)
釣り師 レベル4(3/100)


英雄スキル
夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)


カルデラ近隣地図
https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139845715828802
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