ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第118話 おーい、力自慢はあつまれー

神聖歴583年 夏の中月 6日

 

 

 漁師村を出発して凡そ半日。無事に船はクラピエス湖の対岸に到着し、俺たちはメインキャンプとなる場所……の筈の荒れ地にやってきた。

 

 

「ここが前にキャンプした所で間違いないんです?」

「そうだよ! でも10何年ぶりだからね! いっぱい樹とか生えてるね!」

 

 

 地図を手に持ったネズコさんがそう言って「あっちからあっちまで!」と大体の範囲を指で差す。言われてみると他の森とかよりも平地っぽいように見えるが、前回から期間が空きすぎたせいでほとんど荒れ地にしか見えない。普通に樹とか生えてるし。

 

 

「しゃあないか。おーい、力自慢はあつまれー」

「おう!」

「やってやるかぁ」

「俺の出番だな!」

「がんばろー」

 

 

 この状況では全員分のテントを張るなんて出来るわけがないので、先に整地する必要がある。フィールドワークに出る前にこの程度の調査はしとけよ、と思うのだがカルデラの教授陣は口をそろえて「こう言った出来事もその場でなんとかするのがフィールドワーク」と言っているため、恐らくこれも教育の一つなんだろう。多分。少人数で森や山を探索する場合はまた違った条件になるんだけどね。

 

 とはいえさっさと場所を開けないと今夜は屋根なしになってしまう。作業をするならさっさとやってしまおう。

 

 

「ザンムー。緋熊つかって木を引っこ抜いてくれ。みんなーうちの奴が巨大化するからちょっと場所明けてー」

「りょうかいー。グルルルアアアア!!!」

「巨大化!? あ、そういうスキル!?」

「すげーなあの熊人種」

 

 

 そしてこういうパワーの居る現場だと我が相棒のザンムは最高のスペックを発揮する重機となる。樹を鷲掴みにして根っこから引き抜くという荒業が可能になるためだ。引き抜いた後の樹木はその場に置かせて、ザンムにはどんどん樹を引き抜いてもらい抜いた樹は他の冒険者たちがわっせわっせと運んでいく。

 

 さて、樹木はザンムに任せるとして、俺は残った余り力自慢ではない冒険者や学生たちに作業を割り振ろう。本来はもっと冒険者歴の長い奴がやる仕事なんだが、何故かそういう奴ほど力仕事の方に行っちまいやがったからな。学生、特に女学生から向けられる黄色い声援目当てなんだろうが、もうちょっと、こうね? 冒険者なんて若い子からの声援なんてめったに向けられない職業だから、ちょっと浮つく気持ちはわかるんだけどな。

 

 

「力自慢たちが邪魔物を退かしてくれたから、その後を整地しよう。樹が抜かれて空いた穴に土を入れて塞ぐんだ」

「はーい!」

「重ーい」

「あのクマちゃん良いよねぇ! おっきい!」

「やっぱり力持ちが居ると違うんだねぇ」

 

 

 キャッキャと華やぐような会話を繰り広げる学生たちにスコップを渡して、簡単な作業を頼む。こういう事は参加したって気持ちがないと思い出にも残らないからな。当たり前の事だがただフィールドワークに参加したより、色々な作業をしたという経験が残る方が良いに決まってる。

 

 さて、残ったあまり力仕事向きじゃない冒険者たちは、学生たちと一緒に土の整地作業と並行して彼ら彼女らの護衛にもついてもらう。荒事になれている冒険者ならなにか不測の事態が起きた時に冷静に対処できるだろうからね。

 

 もちろん各自にそう伝えてあるだが、何故かオリオを筆頭にこいつらは「タロゥ師匠」と俺を呼んでくるようになった。学生との触れ合いの場を作ってくれたから? いや、そういう浮ついた考えを持つなとは言わんが仕事は真面目にやれよ?

 

 あと俺を師匠と呼ぶなら道場に来い。ちゃんと師匠してやるから。

 

 

 

 

 

 

 かなりの速度で整地を終えたが、時刻はすでに夕方。随分と辺りが暗くなってきたため、光源がないと危ない作業は出来ない時間帯だ。当然、テントを立てるのは慣れた冒険者以外は通常なら難しい状況だ。通常なら。

 

 

「おおおおタロゥくんとやら! この、この布の材質は一体……!」

「企業秘密です」

「そこをなんとか!」

「俺には答える権限がないのでサニムに問い合わせお願いします」 

「おばちゃんはこっちのお香のが気になるねぇ! 蚊が全然寄ってこないじゃないか! これ虫よけの効果と殺虫成分があるね!!?」

 

 

 だがこの場では違う!(ギュッ)

 

 一先ず雨風をしのげる場所が作れればいいんだからと安いビニールシートを夢想具現で創り出し、それを近隣の木々や各自のテントにつかう支柱を使って簡易的な屋根を仕立て上げる。これを随所に繋げて一晩だけの仮寝所を作り上げるのだ。もちろん壁もクソもないから横風や虫なんかは素通しだが、風に関しては夏場だからむしろ壁がない方が涼しいし虫に関しては伝家の宝刀、蚊取り線香をキャンプ地の周辺を囲うように置いておく。

 

 久しぶりに信力がからっからになるまで使ったが、一晩の間に合わせとしては十分なものが出来たんじゃないかな。ちょっと支柱が弱いのが気になるから、流石に明るくなったらちゃんとしたテントを立てた方が良いだろうけど。

 

 

「タロゥ、お疲れ様。ご飯できたよ」

「あ、ありがとう」

 

 

 さて、信力を使いすぎて回復するまでラーメンも作れなくなってしまった。回復を早めるためにもしっかりと食べておかないとな。お、牛串じゃん。でもめっちゃ塩辛い。塩使いまくって保存したんかな。こういうのは軽く塩抜きした方が上手かったりするんだけども。

 

 

「これ保存用の塩付けたまま焼いてない?」

「ん。調理担当が保存食の料理に慣れてなかったみたい」

「そうか。貴重な経験だな」

 

 

 視線を向けると必死に周囲に頭を下げている普人種の女の子を、周囲がやいのやいのとからかっている姿が見える。焼き加減を見るにかなり手慣れているようには見えたから、本当に保存食を扱ったことがなかっただけだろうな。次に繋がる知識になる、いい失敗だ。

 

 あとは設備がある程度整ったら、スープも欲しい所だな。明るくなったらとりあえずの寝床を解体してちゃんとしたキャンプ地に立て直すからその時に期待しよう。

 

 

「ねえタロゥくん! このせんこう?ってのについてもっと詳しく教えて欲しいんだけどもね!」

「タロゥくん! この天幕につかっているビニールとやらについて教えて欲しいんだが!」

「今は業務外なんでお答えできません」

 

 

 とりあえず今日はよく働いたし、ゆっくり休んで明日に備えよう。明日も忙しくなるからな。

 

 




お気に入り・☆評価よろしくお願いします!

タロゥ(10歳・普人種男) 

生力67 (67.0)
信力131 (131.8)UP
知力51 (51.0)
腕力71 (71.0)
速さ68 (68.0)
器用58  (58.0)
魅力63 (63.0)UP
幸運36  (36.0)
体力71 (71.0)


技能
市民 レベル4 (78/100)UP
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル4 (66/100)
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (51/100)UP
剣士 レベル6 (18/100)
木こり レベル2 (70/10)
楽士 レベル3 (48/100)
教師 レベル3 (76/100)UP
パチン・コ流戦闘術 レベル6 (100/100)ー
テイマー レベル2 (80/100)
絵師 レベル3 (90/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー
水兵 レベル2 (45/100)
執事 レベル3(100/100)ー
乗馬 レベル0(23/100)



スキル
夢想具現 レベル3 (100/100)ー
直感 レベル5  (3/100)
パチン・コ流格闘術 レベル6(100/100)ー
パチン・コ流武器術 レベル6(100/100)ー
飛行術 レベル3 (31/100)
フォークダンス レベル5(100/100)ー
フォークマスター  レベル1 (100/100)
念話 レベル2 (72/100)
女たらし レベル6 (73/100)UP
野獣の眼光 レベル0(21/100)
ネゼ・カルデラ式マナー レベル3 (46/100)
釣り師 レベル4(3/100)


英雄スキル
夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)


カルデラ近隣地図
https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139845715828802
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