ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第120話 水陸両用タイプ

神聖歴583年 夏の中月 13日

 

 

 カルデラ大学主体のフィールドワークが始まって1週間ほど。各学科の成果はまず順調と言っていいものになるようだ。

 

 俺が護衛についている薬学部はカルデラ山脈付近でよく群生する薬草を中心に採取しつつ、それらが群生する条件等を記録したり過去の記録と照らし合わせて植生に変化が起きていないか等を調査している。ネズコ先生曰く、大きな変化は無さそうだが10年前の調査ではあまり量が無かった薬草が増えていたりするそうなので来年以降も引き続きフィールドワークに訪れる必要があるそうだ。

 

 

「ねね、タロゥくんタロゥくん! 君ぃ、私抱えて飛べないかなぁ!? ちょっと山頂付近も足を延ばしたいかなって思ってるんだけどさ! ほら山頂付近は常に雪が残ってる環境だから全然植生も変わるんだよね! 雪山にしか生えない薬草とかもあるからさ!」

「業務外の飛行はお断りしておりまして」

「ああん事務的! でも諦めきれない!」

 

 

 そして順調に推移しているという事で、やたらと元気になってるのがこちらのでっかいネズミさんである。欲張りさんだなぁと適当にあしらっていると、他の学部や学科の教授陣もわーわーきゃーきゃーしながら山頂に行きたいと言い出してきた。もちろん全力お断りである。そもそも食料的な限界もある。そろそろ帰りの準備をしないと本気で備蓄がつきるんだからここから延長なんて出来る訳がないのだ。

 

 というかこういうスケジュールの管理をするのが本来教授陣の役割なんだが、こいつらが率先して予定を長引かせようとしてくるのはなんなんだろうな、一体。

 

 

「最初に言ったじゃん! うちら研究者はノリと勢いで行動するって!!!」

「偉そうに言ってますけど自分には計画性がないですって宣言してるのわかってます???」

 

 

 お偉い学者先生なんだからさぞ賢い人ばっかりなんだと思ってたんだが、今回のフィールドワークでは全くついぞそんな部分は感じられず趣味人の集まりにしか思えなかった。前世では大学に行かなかったけど、もしかして大学ってどこもこんな感じのノリなんだろうか。だったらちょっともったいない事をしたかもしれない。学生としてこのノリの中に居るのはさぞ楽しかったろうに。

 

 

「お、大学に興味ある? 興味あるよね!? 今回のお仕事を受けてくれた君にはなんと! 大学の講義を受ける権利が付与されちゃうんだよー! 嬉しい? 嬉しいよね!? タロゥくんならうちの薬学部は大歓迎! ネネちゃんも居るし一緒に大学でおばちゃんのフィールドワークを手伝ってくれたらおばちゃんも嬉しい! 一挙両得! だからね、タロゥくん。皆に内緒でちょっとの間だけ山頂にだね」

「業務外の飛行はお断りしておりまして」

 

 

 どんだけ山頂に行きたいんだよ、このでっかいネズミのおばちゃん。

 

 

 

 

「撤収だーーーーーー!!!」

 

 

 ベテラン冒険者が大きな声で音頭を取り、ブーたれる大学教授たちを横目にテントの撤収が始まった。勝手な事をしてるわけじゃない。俺達冒険者は食料の提供前提で契約してるんだからそれが尽きる前に帰りの準備をするのは当たり前の話なんだよ。

 

 一度場が流れ出すと学生たちもそれに従って動き始める。うん、大体1週間ほどのキャンプ生活だったけど学生たちもフィールドワーク初期と比べて野外での動き方が様になっている気がする。良い学習結果だと言えるんじゃなかろうか。

 

 

「おばちゃんはもうちょっと残りたかったんだけどねぇ! まぁ記録した書類を持ち帰って整理するのもやらないといけないから良いんだけどね! あとは今回調査した環境を近場で再現して薬草を栽培できないかもやらないといけないし! そう考えたら早く帰りたいかな!」

「実際に街でも育てられるものなんですか? サニムだと栽培できないものが結構あって、だから毎年冒険者と薬師見習いが森で採取してたんですけど」

「ものによる! やっぱりじめッとした森の中じゃないと駄目なのとか森の肥沃な土じゃないと駄目とかね! それらを再現するのが大変すぎて再現できないってものじゃなきゃ街でも栽培できるんだよ!」

「なるほど」

「こっちの薬草は街でも栽培してるやつなんだけどね! でも街の物とは育ち具合が違うから多分薬効も変わってくる! こういうのの違いを記録して統計を取って均一の成分に落とし込むのがおばちゃんのやりたい事なんだよね!」

「なるほど」

「ところでさっきから荷物をどんどん背中に入れてってるけど! その服どうなってんの!?」

「手品です。種も仕掛けもあります」

 

 

 ネズコ先生の講義を聞きながら自前のテントを畳んで背中に収納、に見せかけて信力に戻していく。うちのパーティーはこれで他よりも身軽に移動できるのが強みの一つだ。「手品……手品!?」と首をかしげるネズコ先生を尻目に周囲の片づけを手伝っていると、リューターとオリオが随分と慌てた様子で船の方に駆け寄っていくのが目に入る。

 

 あれ、なにかトラブルでも発生したかなとそちらに視線を向けると、オリオがテイムしているヒヒンタマクス(でかいカバ)が水辺から上がってどたどたとオリオに向かって走ってくる。そのヒヒンタマクスの背後にあった船が湖から浮かび上がるように持ち上げられ、その下からザバァっと音を立ててでっかいサメの頭が湖の水面から浮かび上がってきた。

 

 

「敵襲ーーー!!」

 

 

 あ、これガチの緊急事態だ。それを察した瞬間、指揮を執っていたベテラン冒険者が大きな声を上げて武器を抜き放つと、それに呼応するかのように周囲の冒険者たちが荷物を放り投げて武器を拾い構える。そうしてほとんど瞬時に戦闘態勢に入った冒険者たちが近くにいる学生たちを引っ張ったり誘導したりしている間に、サメに持ち上げられた船が滑り落ち大きな水しぶきと共に湖に落ち、転覆。身軽になったサメは四本のヒレを足のようにつかって浅瀬に立ち上がった。

 

 この巨大サメ、水陸両用タイプらしい。

 

 

 




お気に入り・☆評価よろしくお願いします!

タロゥ(10歳・普人種男) 

生力67 (67.0)
信力132+35 (132.8)UP
知力52 (52.0)UP
腕力71 (71.0)
速さ69 (69.0)
器用58  (58.0)
魅力63 (63.0)
幸運36  (36.0)
体力71 (71.0)


技能
市民 レベル4 (81/100)UP
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル4 (66/100)
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (51/100)
剣士 レベル6 (21/100)UP
木こり レベル2 (70/10)
楽士 レベル3 (51/100)UP
教師 レベル3 (83/100)UP
パチン・コ流戦闘術 レベル6 (100/100)ー
テイマー レベル2 (80/100)
絵師 レベル3 (90/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー
水兵 レベル2 (45/100)
執事 レベル3(100/100)ー
乗馬 レベル0(23/100)



スキル
夢想具現 レベル3 (100/100)ー
直感 レベル5  (8/100)UP
パチン・コ流格闘術 レベル6(100/100)ー
パチン・コ流武器術 レベル6(100/100)ー
飛行術 レベル3 (48/100)UP
フォークダンス レベル5(100/100)ー
フォークマスター  レベル1 (100/100)ー
念話 レベル2 (72/100)
女たらし レベル6 (81/100)UP
野獣の眼光 レベル0(21/100)
ネゼ・カルデラ式マナー レベル3 (46/100)
釣り師 レベル4(11/100)UP


英雄スキル
夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)


カルデラ近隣地図
https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139845715828802
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