ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第134話 お前、サイコーだよ

 力み過ぎた。今のでドタマぶち割るつもりだったんだがな。

 

 ニタニタと笑う男の頭を再度狙って指の中の鉄球を弾くと、信力を纏った小さな鉄球は十分に人を殺せる速度で男に襲い掛かる。パチン・コ流の基本中の基本、打出・銀球鉄砲は初動の速さにおいて他の追随を許さない技だ。目の前で笑い転げる隙だらけの魔法使いの頭をざくろのように砕くなんて造作もない。

 

 と、思ってたんだが。

 

 ガァン、と金属音を立てて鉄球が撃ち落とされる。いつの間にか男の後ろに控えていた戦士たちの一人。唯一兜を付けていない大柄な男が、鉈のような形をした大剣を持ってマリア教のローブを着た男を庇うように前に出て、俺の銀球鉄砲を切り落としたのだ。

 

 速い。大剣使いの癖にとんでもないスピードだ。俺が打出を使った瞬間は、確かに男の後ろに大剣使いは居たはず。という事は少なくとも俺の銀球鉄砲とほぼ同じ速度で動けるという事になる。

 

 

「レイモンド神父よぉ、用心してくれねぇかい。俺が庇わにゃ死んでましたぜ」

「ひ、ひっひっひ。くふっ、申し訳ない。ダイモン。まさかこんな僻地の山の中で、こんな素敵な出会いがあるとは思わず」

 

 

 続けて銀球鉄砲を放つも、ダイモンと呼ばれた大剣使いは構えた大剣を軽く構えを変えるだけで飛来する鉄球を全て叩き落とす。特別な動きなんて一切ない。ただ、無駄を全て省いた見事な剣捌きだった。こいつ、普通に達人だ。頭の中の警戒度をMAXにまで引き上げる。

 

 後ろに控える戦士団もこいつと同レベルだったら流石にキツイぞ。俺の背中から降りた黒ドレスはゲーゲー吐いてて身動きが取れないし、流石にこいつを庇いながら目の前の男と戦士団を相手にするのは死地に等しくなる。

 

 切り札を切るか? この場に黒ドレスが居なければ遠慮なくキンタロゥになれるんだが、黒ドレスはカルデラの人間だ。キンタロゥ=俺という図式がバレるのは不味い。

 

 一瞬の逡巡。それを相手がどう思ったのかは分からないが、レイモンドと呼ばれた神父服の男はにやけ面のままダイモンに話しかけた。

 

 

「ダイモン、峡谷に居た敵が上がってきてしまった。これ以上はもう無駄だよねぇ」

「そうですなぁ。こちらの部隊は相手の精鋭に足止めされておりますようで」

「情けないなぁ、この村の獣耳どもは。あんなんじゃ彼らを信じて死んでいった奥さんや子供たちが浮かばれないよね。殺したのは我々だけど。まぁ我々はちゃぁんと相手側の精鋭をこうやって引き付けたわけだから仕事は果たした。我々の契約はきっちり完ぺきに満了となったわけだ! ああ、すまないなぁ村長。君が身を粉にして頑張ってくれたというのに、我々はカルデラの暴虐から君の村を守る事が出来なかったよ! ごーめーんーねー!」

 

 

 男は村長と呼んだ死体を踏みつけながらそう言うと、気持ちの悪い笑顔を浮かべながら俺を見た。ゾッとする目だった。この目を俺は、見たことがある。前世で、他者の為に簡単に自分の命を投げ出す連中がしていた目と一緒だ。

 

 自分が信じるものがありとあらゆるものに優先する。そんな事を本気で信じている連中と、同じ目だ。

 

 

「すまんな、少年。我々も依頼で非道を行ったが傭兵であるゆえに! 雇い主の要望は出来る限り尊重しなければいけないからねぇ」

「その雇い主を殺した奴が言う言葉じゃねぇぞ」

「契約を破ったのはこのゴミだよ。ナシェルズの商隊を襲った時は大層勇ましく喚いていたのに、カルデラからの討伐隊が来た程度でイモを引いてねぇ。大人しく武器持って突撃してれば何もしなかったさ。我々は信義を重んじる傭兵だからね!」

「その契約も雇い主が死んだ以上確認しようもないだろう。お前はナシェルズの商隊を襲った一人でこの村を皆殺しにした凶悪犯。その事実以外に俺が見えるものはない」

「視野が狭い! もっと広く世の中を見ないと真実を見ることはできないよ? ま、君がどう言っても私がどう言ってもこの会話は平行線だね。平行線の会話を続けるのってどういうことか分かる? 無駄だよ、無駄! 無駄は嫌いな主義なんだ。という訳で僕らはここらでお暇させて貰おうかな」

「逃がすと思うか?」

「追えると思うのかい?」

 

 

 俺の質問に問い返すようにレイモンドが尋ねてくる。まあ、そう判断するわな。俺一人であればまだ打つ手があるんだが、ここにきて黒ドレスが動けないのがデカすぎる。向こうの方が圧倒的優位な状況だ。こっちを殺しに来ないのは、俺がやけっぱちになって暴れるのを警戒しているのか。それとも、何度も何度も呟く様に口にするレンツェル神父様に関係するなにかか。

 

 俺もただ単にお喋りをしていたわけじゃなく、何度か強襲出来ないかと会話しながら隙を伺っていたんだが。相手のダイモンという大剣使いが機を潰してくるせいで動くに動けないのだ。不用意に動けば負ける。目の前の男は、その領域の相手だ。

 

 ダイモンを殿に、レイモンドは踵を返して歩き去っていく。このままでは逃げられる。一度山の中に入られれば、土地勘のないこっちが相手を見つけるのは至難の業になるだろう。なにか、なにか手はないか。

 

 俺の焦りを見透かしたのか。レイモンドは振り返り、にこやかな表情を浮かべた。

 

 

「それでは少年。名残惜しいが今回はこの辺で。レンツェルに言っておいてくれ。裏切者、いつか必ず殺しに行く、とね」

「その前に俺がお前を殺してやるよ」

「はっはっはっ! 元気があってよろしい! やはり子供は元気が一ばぎゅぶ」

 

 

 俺の言葉を嘲笑う、レイモンドの笑いが凍り付いた。言葉の綾じゃない。話している最中に口から顔半分が氷に覆われたのだ。

 

 レイモンドはバタバタと顔に手をやり、自由に動く目だけで驚愕を表しながらなんとか氷を剥がそうともがいている。だが、完全に氷が張り付いているようでレイモンドはただただもがき続けている。

 

 

「言ったでしょ」

 

 

 その様子にダイモンが初めて隙を見せ、それを逃さず俺が一歩信力を込めた足を踏み込んだ瞬間。

 

 背後にいた黒ドレスの声が、耳に届いた。

 

 

「メグは、栄えある氷魔法の名家レイトー家の、実践派魔法使いだって」

「ああ。お前、サイコーだよ」

 

 

 振り返らず、軽口を言葉にして。信力によって爆発的な加速を得た俺は、ダイモンのカバーを掻い潜りレイモンドの腹に全力の拳をぶち込んだ。

 

 




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タロゥ(10歳・普人種男) 

生力68-11 (68.0)
信力138-23 (138.9)UP
知力56 (56.0)
腕力72 (72.0)
速さ70 (70.0)
器用60  (60.0)
魅力64 (64.0)
幸運40  (40.0)UP
体力72 (72.0)


技能
市民 レベル5 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル4 (66/100)
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (51/100)
剣士 レベル6 (24/100)
木こり レベル2 (70/10)
楽士 レベル3 (58/100)
教師 レベル4 (9/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル6 (100/100)ー
テイマー レベル3 (12/100)
絵師 レベル3 (90/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー
水兵 レベル2 (45/100)
執事 レベル3(100/100)ー
乗馬 レベル0(73/100)



スキル
夢想具現 レベル3 (100/100)ー
直感 レベル5  (61/100)UP
パチン・コ流格闘術 レベル6(100/100)ー
パチン・コ流武器術 レベル6(100/100)ー
飛行術 レベル3 (91/100)UP
フォークダンス レベル5(100/100)ー
フォークマスター  レベル1 (100/100)ー
念話 レベル2 (72/100)
女たらし レベル6 (100/100)ー
野獣の眼光 レベル0(21/100)
ネゼ・カルデラ式マナー レベル3 (46/100)
釣り師 レベル4(62/100)


英雄スキル
夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)


カルデラ近隣地図その2
https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/2912051597546751843
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