ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第5話 セットメニュー! そんなのもあるのか

 神聖歴578年 春の始め月 15日

 

 

 ズルズルとラーメンを啜る。今日のラーメンは味噌ラーメン。薪拾いで酷使した体が濃厚な味噌を求めていたから仕方ない。これは頑張った自分へのご褒美って奴だ。

 

 

「おいしい」

 

「ちゃんとかむんだぞ」

 

「あむあむ」

 

 

 妹はスプーンを咥えてご満悦の様子だ。夢想具現スキルを手に入れてから、1日1食とはいえ妹にお腹いっぱいご飯を食べさせることが出来ている。これを2食に。出来れば朝昼夜の3食にしたいのだが……右手に自身のステータスを表示する。

 

 

生力8  (8.9)

 

信力9-8  (9.1)

 

知力3 (3.9)

 

腕力1 (1.5)

 

速さ2 (2.8)

 

器用3 (3.0)

 

魅力2 (2.5)

 

幸運1 (1.3)

 

体力1 (1.8)

 

 

技能

 

市民 レベル1 (18/100)

 

商人 レベル0 (12/100)

 

狩人 レベル0 (20/100)

 

 

スキル

 

夢想具現 レベル1 (15/100)

 

 

 これが現在の俺のステータスだ。先週に比べれば小さいけれど、確かな進歩を感じる数値になっている。なってはいるのだが……まだまだ足りないというのが現状だな。

 

 特に信力。この信力という能力は、俺にとって最優先で伸ばすべき能力だった。味噌ラーメンを出してからそろそろ30分ほど。恐らくそろそろだとステータスを見ると、信力の項目が信力9-8から9-7に変化している。数時間ほど置いておけばこの-表記は無くなり、ステータスは元の数字に戻る。そしてそのタイミングでラーメンを出すと、信力の項目にはまた-6が表記される。

 

 つまり、この-というのはスキルを使ったときに使われた信力の数字なのだ。前世でよくやっていたゲームで言う所のMPみたいなものと思うべきだろう。ラーメンを1杯呼び出すと信力を6消費してラーメンが出てくる。

 

 またこの信力というものは使えば使うほど伸びていく筋肉のような存在で、毎日のようにラーメンを呼び出しているとどんどん経験値?のようなものが増えていくらしく。気付けば信力は2も上昇していた。やはり地道な努力とラーメンは全てを解決する、ということだろう。

 

 そして、これらの事により俺は一つの気付きを得る。

 

 

「ごちそーさま!」

 

「おそまつさま。おいしかったか?」

 

「うん!」

 

 

 銀色に光るスプーン。2歳児の妹には少し大きすぎるそれを握り締めて、妹が笑顔を浮かべた。妹の笑顔に自分も笑顔になるのを感じながら、口周りについた米粒を手で拭う。

 

 米粒。そう、米粒だ。俺は味噌ラーメンを食べていた。これで信力は6消費しており、新しい料理を呼び出すことは現状の俺の信力では難しい。だが、ここには一つの抜け穴がある。あったのだ。

 

 セットメニューという、抜け穴が。

 

 

「チャーハン、すき」

 

「うんうん。そうだね。ラーメンにはチャーハン。これはもうおうどうのくみあわせだよ」

 

「おーどー?」

 

 

 ラーメンにはチャーハン。これは前世の自身が最も好んだ組み合わせのメニューだ。ラーメン単品600円、半チャーセット750円という言葉が頭を過った瞬間、即決で半チャーセットを呼び出した自分に、よく思いついたと褒めてあげたいくらいだ。

 

 

「しんりきは、100えんたんいかな?」

 

 

 ぽつりとつぶやいて、回復した信力を使って飲み物を呼び出してみることにする。夢でよくラーメンと一緒に頼んでいた、瓶コークがいいかな。ビールは流石に、この身体にはまだ早すぎるだろうし。

 

 ラーメンの時と同じように念じてみると、信力を1つ消費して瓶コークを出すことが出来たので俺の予想は当たったことになる。つまり現状、俺はMAX900円までのもので、夢に見たことがある物品を具現化することが出来る――というわけだ。

 

 

「でも、ゆめみたものってのがなぁ」

 

 

 覚えているもの全てを無条件で呼び出せるなら凄いチートだって言えるんだが、現状だと行きつけのラーメン屋のメニューくらいしか出せそうにないのがネックか。なんなら毎晩夢で見るもんな。まぁそれでも食事が出来ずに腹を空かせている頃より万倍マシだからこれ以上は贅沢ってもんだろう。

 

 出せるものはその内増えていくと考えて、今は信力を伸ばしていく事が最善。という事で信力に関しては今後も溜まり次第に何か出していくとして。

 

 問題は、明らかにいきなり増えたこの商人と狩人って技能についてだよなぁ。

 

 

 

 

「技能はそうそう増えることはありません。これはまぁ、職業のようなものだからです。一つの職責につき、それを長年かけて磨き上げなければ技能レベルは出てこないし上がらないんですよ」

 

 

 俺の知る限り最も技能を持っているレンツェル神父は、技能というステータスの項目についてそう言った。そして俺のステータスを見て、しばらく黙り込んだ後。

 

 

「出てこないはず、なんですがねぇ」

 

 

 そう言って、心底不思議そうに首を傾げた。俺の方が首をかしげたい気分なのだが、知り合いで最も博識そうなレンツェル神父にも分からないのならしょうがない。これもまぁ自分で考えるしかなさそうだ。

 

 ただ、レンツェル神父はヒントを教えてくれた。技能とは職業のようなもの。つまり、商人や狩人が職業上で行っているような事をすれば上達するということだろう。

 

 商人の方は分かっている。ロゼッタとのあのやり取りが、俺にとって最初の商売だった。あそこで技能として商人が出現したのだろうし、その後も薪売りとして商売は行っている。これによって経験が少しずつ溜まっていってるのだ。

 

 そして狩人に関してだが……これについてはザンムと一緒に森を歩く時、罠を仕掛けて鳥や小動物を獲るのを手伝ったくらいしか心当たりがない。罠の形状についてザンムと話し合ったり、新しい罠を手作業で作ってみたりとしているが当然薪拾いのついでだから、それほど頑張った記憶もない。

 

 けれど、その結果は明らかに商人よりも経験が身についている様子だ。もしかしたら向き不向きによって経験の溜まり方が違うのかもしれないが、そうなってくると今度は先ほどのレンツェル神父の「技能とは職業のようなもの。そうそう出てこないし上がらない」という言葉が引っかかる。

 

 

「でも、2こだけじゃなぁ」

 

 

 とはいえたった2例だけではまだまだ検証も出来ないか。そもそも子供の頭は物覚えが良いし、俺くらいの年齢から真剣に技能を磨けば、あっさりと技能レベルを身に着けるものかもしれない。ちょっと年上のロゼッタも商人レベル1になっていたからあり得る話だろう。

 

 一先ずは、技能の件は後回しでも良いか。別に困るものでもないし、なんなら狩人の技能がついたおかげか森歩きでもあまり転ばなくなったし。しばらくは地力を上げることを優先で、余裕が出てきたら他の事も考える、でいいかな。

 

 それくらいの気持ちでいたほうが気が楽だしね。

 

 

 




タロゥ(5歳・普人種男) 

生力8  (8.9)
信力9  (9.1)
知力3  (3.9)
腕力1  (1.5)
速さ2  (2.8)
器用3  (3.0)
魅力2  (2.5)
幸運1  (1.3)
体力1  (1.8)
 

技能
市民 レベル1 (18/100)
商人 レベル0 (12/100)
狩人 レベル0 (20/100)


スキル
夢想具現 レベル1 (15/100)
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