ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第53話 つまり君は大大大大冒険したんだね!

神聖歴579年 冬の中月 26日

 

 

「タロゥ……! 良かった、本当に!」

 

「コーケン師範代。ご心配をおかけしました」

 

 

 正装を着たコーケンさんが、俺を見るなり駆け寄ってきて力強く抱きしめてくる。コーケンさんは昨夜の内にサニムに帰ってきていて、その際に俺の生存とかは聞かされていたらしい。ただ、実際に顔を見るまでは安心できなかったそうだ。

 

 

 

「すまない。後ろにいろと言っていた俺がこの体たらくだ。お前にも、俺を信じてお前を預けてくれたレンツェル神父にもどう詫びればいいか……」

 

「いえ、相手が大狼さんだったらしょうがないですよ。あの方、レンツェル神父と五分でやりあう化け物なんですよね」

 

「ああ……魔獣王ガラン。50数年前、百人の勇者相手に暴れ回った元魔王軍の猛者だ。サニムの上層部となにかしら契約を交わしてサニム近隣の森を縄張りにしてるらしいんだが……実は、俺もこの歳になって初めて相対した。想像以上の怪物だったな」

 

 

 コーケンさんが畏怖を表情に浮かべたままそう口にする。つくねばっかり注文つけてくる食いしん坊な狼ってイメージだが、そんな大層な肩書を持ってたんだな。あの狼さん。

 

 さて、今回は事が事なだけに森番のジジさんの呼びかけでサニムのお偉い人達が集まることになっている。正確な報告と今後の対処のため、俺もコーケンさんと一緒に情報源として呼ばれたんだけども。

 

 

「もー! 聞いたよ聞いちゃったよタロゥくん! 君ぃ、昨日ネネちゃん巻き込んで大大大冒険しちゃったんだって!?」

 

「いえ、ネネを巻き込んだのはサニムに戻ってからで」

 

「つまり君は大大大大冒険したんだね! その辺、詳しく新作って事で話を聞かせて貰って新作を作るとかどうかな!?」

 

「レイラさん。駄々洩れ。欲求駄々洩れになってます」

 

 

 何故か着飾ったレイラさんが、くねくねと腰をくねらせながら俺を放してくれない。見かねたダリルウさんが無理やり引き剥がしてくれたが、10分くらい無駄な時間を過ごした気がする。レイラさん、モモタロ伝説が当たりに当たってるらしいから、二匹目のどじょうを狙ってるんだろうな。

 

 俺としても別に適当な話を提供するのは問題ない。この世界の娯楽は、本当に限られてるからな。今は毎日が忙しくて感じていないが、急に休みが出来た時なんかはマジで妹を眺めるくらいしかやる事がないのだ。ネネから勧められてるから演劇を見に行くって選択肢も出来たが、それだって数が限られてしまう。

 

 前世の世界でも古代ローマの哲学者が「退屈は魂を蝕む病だ」と言ってるくらいだから、暇とか退屈ってのはひたすら質が悪いのだ。そう考えると、この世界の長寿種族は大変だな。長生きしたってやる事なんてないだろ。

 

 あ、だからレンツェル神父は孤児院を運営しているのかな。森人種はバリバリ長寿の種族だからやる事がないとあっという間に暇に圧し潰されるんだろうな。

 

 

 

 

 

「コーケン殿の話は了解した。すぐに応援は向かわせよう」

 

「必要か? 大狼が子供を取り返したなら他の魔物を放置するとは思えんが」

 

「取り戻したからこそ子供から離れられないんじゃないかな。私も母親だからね、魔獣王の気持ちはよーくわかるよ。暫く魔獣王の守りは機能しないと思った方がいい」

 

 

 会議の場ではコーケンさんと俺、それにジジさんが最初に報告を行い、それを元に5大商家の代表たちが話し合いを始めた。昨年から今年にかけて森で起きていたコボルトたちの策謀は、あと一歩結果が違えばサニムに甚大な被害をもたらしていたかもしれないからだ。

 

 特に大狼さんの子供を人質?に取られていたというのは肝が冷えたようで、仕事柄『百人の勇者』について詳しく知っているレイラさん曰く「もし魔獣王がサニムに牙を向けてたら、外街は壊滅していた」そうだ。これは大狼さんとレンツェル神父の戦いでその辺が全部ぶっ飛ぶかららしい。百人の勇者と魔族の戦いは山が消し飛ぶくらいはよくあったそうだ。それ生き物同士の戦いで出していい被害じゃないだろ。

 

 あ、その大狼さんと意思疎通できるという件なんだが、その場を見ていたレンツェル神父とジジさん両方が「言わない方が良い、騒動の種になる」って事で報告はしていない。

 

 

「それでは、周辺の村々へ冒険者たちを派遣する事でよろしいか」

 

「いたし方あるまい。街の備えはどうする?」

 

「昨年からの祭りで開墾した広場があるだろう。あそこに簡易的な兵舎を用意して森からの脅威に備えるのはどうだ?」

 

「材木は燃やすほどあるからな。よし、それで行こうか」

 

 

 流石にトップが集まる会議だからか方針が決まるまでが非常に速い。必要な手当てをどんどん話し合いで埋めていき、会議が始まってから1時間ほど経った頃には今後の方針も固まっていた。

 

 時折聞かれた事に答えるだけの役割だった俺とコーケンさんは方針が固まった辺りでお役御免となり、細部の取り決めが話し合われるタイミングで会議の場から退出させられる。ここから先は本当の意味でのトップしかしっちゃいけない会話になるって事なんだろう。

 

 

「タロゥ、今日は孤児院でゆっくり休みなさい」

 

「え。でも、道場に一度顔を出そうかと思っていたんですが」

 

「昨日あれだけの事があったんだ。一日くらい休んでも罰は当たらんさ。ゆっくり体を休めて、また明日から頑張ってくれ」

 

 

 そう言ってコーケンさんはポンっと俺の肩を叩き、議会場の玄関ドアを潜って外へ出ていった。昨日は色々あって疲れたのは間違いないが、一晩ゆっくり寝たからもう大丈夫なんだけどね。

 

 しかし、本当に急に休みが出来てしまったな。孤児院に戻って妹を眺めるくらいしかやる事が思いつかないんだが……本当に娯楽がねーなこの世界。

 

 あ、そうだ。娯楽と言えば、今回の件で一つこれ良いんじゃないかと思った商売があるんだった。モモタロ伝説は公立劇場でかなり好調らしいから、恐らく来年には他のサニム内にある劇場や見世物小屋でも演じられるだろう。それは全く構わないんだが、演劇だけで終わってしまうのはちょっともったいない。演劇はやっぱりお金を持ってる人じゃないと見れないし中々ハードルが高いのだ。

 

 もっと気軽に、例えば妹くらいの年齢の子が見ても楽しめるくらいの気楽さでモモタロ伝説を伝えるにはどうすればいいか。そう考えた時、俺は自然と夢想具現で大きめの画用紙を取り出していた。

 

 紙芝居、作ろう。

 




タロゥ(6歳・普人種男) 

生力26 (26.0)
信力94 (94.2)UP
知力25 (25.0)
腕力31 (31.0)
速さ25 (25.0)
器用26  (26.0)
魅力26 (26.0)
幸運17  (17.0)
体力30 (30.0)

技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (31/100)
狩人 レベル3 (75/100)
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル2 (33/100)
薬師  レベル1 (92/100)
我流剣士 レベル2 (79/100)
木こり レベル2 (30/100)
楽士 レベル1 (80/100)
教師 レベル1 (27/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル2 (45/100)
語り部 レベル0 (30/100)UP
テイマー レベル0 (15/100)


スキル
夢想具現 レベル2 (40/100)UP
直感 レベル2  (50/100)
格闘術 レベル1  (23/100)
剣術 レベル3  (6/100)
弓術 レベル1  (98/100)
小剣術 レベル1 (98/100)
暗器術 レベル1 (98/100)
斧術  レベル0 (45/100)
フォークダンス レベル5(35/100)
フォークマスター  レベル0 (35/100)
念話 レベル0 (15/100)
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