ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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誤字修正、ターバンのガキの叔父様ありがとうございます


第59話 シュプレヒコォォォル

神聖歴580年 春の始め月 8日

 

 

 今年も薬草摘みが解禁される日がやってきた。つまり森歩きが解禁される訳だが、今年はいつもと少しだけ違ってくる。

 

 

「タロ兄! ザンム兄! えへへ、おニューの靴!」

 

「早く森に行こうよ! 俺、地図書きたい!」

 

 

 新しく買ったという靴を見せびらかす兎人種の女の子はアリス。俺の一つ下で好奇心旺盛な子で、楽器の練習や勉強などを頑張っていたから森での薬草摘みに誘ったら二つ返事で了承をくれた。

 

 もう一人の狼人種の男の子はマッチ。こっちは妹と同じ5歳で俺が初めて森に入った時と同じ年齢だが、狼人種の特徴的に成長が早いらしく言葉遣いもしっかりしてるし上背は俺よりもある。手先が器用で絵を描くのが好きな子だから地図書きの技術を仕込む予定だ。

 

 

「その二人が後輩?」

 

「ああ。薬草摘みと地図の技術は孤児院の中で引き継いでく予定だから」

 

「ふーん。まぁ、うん。うちはギルドからもお金が貰えるから、良いけど」

 

 

 そう口にしながら、ネネはふてくされた様子で少し伸びてきた前髪を弄り弄りとしている。あれ、髪型変えたのかこいつ。チラチラこっち見てくるし突っ込めって事かな。

 

 

「その髪型似合ってるぞ。帽子にもよく合ってるし」

 

「! うん、うんうん。そうでしょ? えへへ」

 

「今年もよろしく頼むぜ、ネネ先生」

 

「任せて! ほら、二人ともこっち来る。薬草の種類は実地で教えるけど、触っちゃいけないものは今口頭で伝えるよ。忘れたら酷い目に合うから」

 

 

 俺の言葉に機嫌を良くしたネネが、アリスとマッチの二人に森の中でもやってはいけない事の説明を始める。俺とザンムも最初の内は毎日されてたなぁ、これ。実際にこれを聞いてなかったら危なかった事もあるんだよね。触っただけで被れる毒草やキノコってのは結構あるんだよ。

 

 今回はアリスとマッチの二人だが、二人がある程度揃ったら他にも森歩きに適性がありそうな子には薬草摘みと地図の作製技術を叩きこもうと思ってる。その為にもネネには今後も力を貸してほしいんだよね。

 

 

「うわぁー」

 

「ん? ザンム、どうした」

 

「いや。タロゥって、じごろだねー」

 

「7歳児なんだが?」

 

 

 ドン引きした様子のザンムに「そういうこっちゃないー」と言われたが、こっちとしては訳が分からん。ジゴロってのはもっと全身フルに女を食い物にしてやるぜ! って色気をプンプンさせた連中の事を言うんだぞ。ネネと俺はビジネスパートナーだからそんな片利益みたいな関係を結ぶ気はこれっぽっちもないんだけどね。

 

 ネネが二人に注意事項を伝えた辺りでそのまま森の中へと入る。

 

 

「ひぇ」

 

「ふたりともおれのうしろにー」

 

「ま、まま魔獣王ガラン。なんでまた」

 

 

 そして森の中に入るとさも当然のように大狼さんが俺たちを待っており、パタパタと尻尾を振って俺に視線を向けてくるのでつくね串を一本投げると、大狼さんは見事な動きでそれを口で受け止め、バリゴキムシャンと瞬く間に咀嚼して森の奥へと消えていった。

 

 

「よし、行こう」

 

「いやいやいや。タロ兄!? 大狼様が普通に居たよ!?」

 

「大丈夫。今のはみかじめ料みたいなもんだから向こうから手を出してくる事はないよ」

 

「みかじめ料ってなに!? 美味しいの!?」

 

「まぁ、ラーメンには大分劣るけど美味しいよ。うん」

 

 

 この間の話し合いで大狼さんと一つの契約を交わしている。俺が森に入る際はつくね串を一本渡す代わりに、俺の身内が森に入る際は守ってもらうというものだ。守ると言ってもあくまでも大狼さんの縄張りの中だけの話ではあるがね。

 

 今回の顔見せでザンムとネネ、それにアリスとマッチはこれで俺の身内認定されたはずだから、仮に俺が森歩きを辞めたとしても彼らの身に危険が及ぶ確率はかなり少なくなったはず。少なくとも大狼さんが健在なうちはね。あ、代替わり後を考えて娘さんにも話を通した方が良いのかな。いや、でもまぁ長寿らしい大狼さんが代替わりする頃には俺も死んでるだろうし、そこまで先の事を考えてもしょうがないか。

 

 

 

 

 

 さて、勝手知ったるサニムの森だが、一冬越えたら最初にやる事がある。

 

 地図の再作成である。

 

 

「こういう風に記載していくんだ。で、こっちが去年の地図」

 

「なんで去年の地図を使わないんだ?」

 

「生えてる場所が変わったり森に変化が起きてるかもしれないからだよ。毎年春になったらちゃんと新しい地図を書くんだ」

 

「へー」

 

 

 マッチに説明しながら地図の書き方を教えていく。手先が器用なマッチは難なく地図の書き方を覚え始めた。分からないところはガンガン質問するように伝えて、自分の地図を作製にかかる。今年は俺とマッチの二人でそれぞれ地図を書いて、それを見比べて精度を上げていくつもりだ。

 

 とはいえ地図作成はこれで三度目になる俺とマッチでは書きあがる速度が違う。マッチが書くのを待っている間は暇になるから、つい先日大狼さんに教わったかつての最強の事が頭を過った。

 

 近隣最強の称号をレンツェル神父と争う大狼さんをして、間違いなく最強だったという魔王さん。その力は強大無比であり、百人の勇者の中でも『一の勇者』以外はまともに戦う事すら出来なかったという。

 

 そんな魔王さんの発言で、大狼さんが覚えている言葉がこちらである。

 

 

『シュプレヒコォォォル! 声高に叫ぶのだ! 我らは人である! 意思持ち知恵を有する我らは魔物に非ず! 我らは魔族である!』

 

『進め! 魔族の同胞よ! 無知蒙昧なる貴族主義者を打倒し! この世に魔族による! 魔族の為の! 魔族だけの理想郷を作り上げるのだ!』

 

『民草の血と汗で出来た城跡から奴らを引きずり降ろせ! これは聖戦である!!』

 

 

 俺は革命家語録でも聞いたのだろうか。こいつ絶対に俺と同じ前世持ちだろ。

 

 




タロゥ(6歳・普人種男) 

生力27 (27.0)
信力98 (98.3)UP
知力26 (26.0)
腕力32 (31.0)
速さ26 (26.0)
器用28  (28.0)
魅力27 (27.0)
幸運18  (18.0)
体力30 (30.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (51/100)UP
狩人 レベル3 (82/100)UP
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル2 (35/100)UP
薬師  レベル1 (95/100)UP
我流剣士 レベル3 (3/100)UP
木こり レベル2 (45/100)
楽士 レベル2 (3/100)
教師 レベル1 (48/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル2 (85/100)UP
テイマー レベル0 (35/100)UP
絵師 レベル2 (45/100)
語り部(紙芝居) レベル4 (35/100)


スキル
夢想具現 レベル2 (65/100)UP
直感 レベル2  (55/100)UP
格闘術 レベル1  (63/100)UP
剣術 レベル3  (73/100)UP
弓術 レベル2  (15/100)UP
小剣術 レベル2 (15/100)UP
暗器術 レベル2 (15/100)UP
斧術  レベル1 (3/100)UP
フォークダンス レベル5(35/100)
フォークマスター  レベル0 (35/100)
念話 レベル0 (35/100)UP
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