ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第62話 おーぼーだ! システィにいいつけてやる!!

神聖歴580年 春の中月 15日

 

 

 アリスとマッチも森に慣れてきたみたいだ。まだ俺やザンムについて走り回れるほどじゃないが、速足で森を移動するくらいは出来るようになってきた。

 

 マッチの地図作成も大分板についてきているが、まだまだ俺の描くものとのズレはある。技術はそう簡単に身につかないものだからな、これはしょうがない話だ。

 

 まぁ、マッチの成長は年単位で考えているからこれは良いとして、問題はアリスの方だ。いや、これもちょっと語弊があるな。アリス自身に問題があるわけじゃあないんだ。

 

 ただ、アリスは現在薬草摘みの経験と一緒に楽器の練習も行っている。どちらも楽しそうにやっているんだが、レンツェル神父からちょっと頑張りすぎていると心配されているんだ。

 

 アリスは午前中から午後にかけてを森で過ごして、その後に楽器の練習をしているんだがほんと―に楽しそうに夜中までぷかぷか笛を吹いている。それは良い。楽しむのは上達のコツなんだが、流石にそれしかしないのは周囲が心配になってしまう。

 

 特にレンツェル神父は聖歌隊の演奏のためにアリスに楽器を練習させてるから、余計に気にしてるみたいだ。

 

 

「という訳でアリスくん。夜は練習禁止です」

 

「えええええええぇ!!」

 

「当たり前だろうが。寝る前までプカプカ吹きやがって。これは年長組の総意でもあるからお前に拒否権はないぞ」

 

「おーぼーだ! システィにいいつけてやる!!」

 

「おい、ばか……それは流石にライン越えだろ……」

 

「ライン? 新入りのチビすけがどうしたの?」

 

 

 違う、そうじゃない。いやこれは俺が悪いか。ネットスラングが通じる訳ないわな。でも、時折明らかに前世で使ってたような言葉が出てきたりするからついつい前世の言葉が出てきちゃうんだよな。明らかな異世界文字の中に漢字が混ざってたりする時もあるし。

 

 どう考えても過去に俺みたいな感じで地球の知識を持った奴が居たよな、この世界。魔王なんかはほぼ確定だろうし、多分それ以外にも結構居るんじゃないかな。日本人だったかは分からないけど。

 

 

「ねぇ、タロ兄。じゃー我慢するからてほん見せて?」

 

「は? やだよ」

 

「えー! なんでなんで! システィに頼まれたらいつもすぐじゃん!」

 

 

 当たり前だ。妹に楽器演奏をせがまれるなんて兄冥利に尽きるイベント、秒で応えるに決まってるだろうが。なんなら鼻にも笛さして「これが三刀流だあ!」と宴会芸まで見せちゃうぞ。窒息するから余り長くは出来ないけど。

 

 俺の返答にアリスは大人しく引き下がる――なんて訳もなく、なおも強請ってくるので仕方なく一曲吹いてやる事に。ザンムくん、そのにやけ面は何が言いたいのかな?

 

 

「いやー。なんだかんだタロゥはめんどーみるよねー」

 

「妹分だからな。妹じゃないけど」

 

「あんた、やたらとそこだけは拘るわね……」

 

 

 俺とザンムのやり取りにネネが若干引き気味にそう口にするが、俺にとってはそここそが一番重要な部分なんだよ。妹はシスティただ一人。それが俺にとって一番重要で、変えられない事実だ。

 

 さて、妹分からの頼みに応えると決めた以上、もちろん全力で演奏するとして、ドラ○エBGM集とメタル○AXBGM集の二択はどちらを選ぶべきかな?

 

 

 

 

 

 

「あんた、芸能ギルドに移籍するつもり?」

 

「そんなつもりはありませんけどどうかしました?」

 

 

 薬草摘みが終わり冒険者ギルドへ帰還すると、受付のライラさんに首根っこを掴まれて変な事を言われた。今でもレイラさんからは週1くらいの頻度で「こっちの水は甘いよ?」と誘われてるけど、全部ちゃんとお断りしている。ライラさんに首根っこ掴まれるような覚えはないんだけどな。

 

 

「街中ラッパ吹いて歩いてる奴はね。芸人しかいねーよ普通は」

 

「あ、ちょうちょ」

 

 

 森の中から街中までずっとラッパ吹いてたよ。とは流石に言えず、空を飛んでいる蝶に視線を送って話を逸らす事しか出来なかった。興が乗って最終的にはアリスと二人でデュエットしながら歩いて帰ってきたからなぁ。やっぱり少しだけ目立っちゃってたか。

 

 あー。これ、またレイラさんからうるさく勧誘されるパターンだな。失敗した。街に戻る直前にF○のボスラッシュBGMなんて演奏しちゃったからついやりすぎちゃったんだよな。テンション上げすぎちゃったか。

 

 まぁ、過ぎた事をいつまでもくよくよ悔やむのは良くないな。アリスの要望には十分すぎるほどに応えた、それでよしとするべきだろう。うん。

 

 

「ところで、なんだか周りに人が多い気がするんですけど」

 

「あー、うん。ほら、期待されてんだよ。わかるでしょ?」

 

「わかんねぇけど???」

 

 

 俺の率直な言葉にライラさんはまともに取り合ってくれなかった。クソが。俺がライラさんに首根っこ掴まれた辺りから、明らかにギルド内の人口密度が急上昇し始めている。仕事が終わった冒険者、たんにたむろしていただけの奴、これから仕事に行くのだろう冒険者と様々な人が居るが、そいつらは皆揃って俺とライラさんのやり取りを期待のこもった眼差しで見ているのだ。

 

 

「おいタロゥ! お捻り投げるからなんか吹いてくれよ! 今から仕事に行くから、元気が出る奴!」

 

「俺は仕事開けだから、よく眠れそうなのが良いなぁ」

 

「うっせー! 酒でもかっくらってろ!」

 

「良い演奏だったぞ! もっと聞きてぇなぁ!」

 

 

 俺の返答に冒険者たちはやんややんやと楽しそうに笑い始めた。こいつらは以前、俺がギルドの受付前でモモタロさんを語った時の事をいつも揶揄してきて、俺を調子づかせよう、話させようと画策してくる。おだてりゃいい気になってなにかやり始めると思われているんだろう。全く、失礼な連中である…………アリスの手本になるし一曲吹くか、うん。激しめので良い?

 

 




タロゥ(7歳・普人種男) 

生力27 (27.0)
信力99 (99.9)ー
知力27 (27.0)UP
腕力33 (33.0)UP
速さ27 (27.0)UP
器用28  (28.0)
魅力27 (27.0)
幸運18  (18.0)
体力30 (30.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (63/100)UP
狩人 レベル3 (89/100)UP
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル2 (40/100)UP
薬師  レベル2 (3/100)UP
我流剣士 レベル3 (30/100)UP
木こり レベル2 (45/100)
楽士 レベル2 (34/100)UP
教師 レベル1 (65/100)UP
パチン・コ流戦闘術 レベル3 (16/100)UP
テイマー レベル0 (35/100)
絵師 レベル2 (45/100)
語り部(紙芝居) レベル4 (43/100)UP


スキル
夢想具現 レベル2 (80/100)UP
直感 レベル2  (67/100)UP
格闘術 レベル1  (91/100)UP
剣術 レベル3  (100/100)―
弓術 レベル2  (39/100)UP
小剣術 レベル2 (39/100)UP
暗器術 レベル2 (39/100)UP
斧術  レベル1 (30/100)UP
フォークダンス レベル5(35/100)
フォークマスター  レベル0 (35/100)
念話 レベル0 (35/100)
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