ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第68話 …………………で、出来るわよぉ!!

神聖歴580年 冬の始め月 5日

 

 

 今年も冬が始まった。午前中はもはや冬の恒例行事となっている木こり祭りに参加し、昼にはイールィス家の工房という事になってる離れでカップラーメンを10個ほど納品、週に一度はそのままイールィス親子にラーメンを提供し、午後からは道場で汗を流す。冬の間、俺の一日のルーティーンはこれで固まりそうだ。

 

 ダリルウさんはついにジローラーメンの大盛を完食するようになった。順調に胃袋が成長しているようだ。横幅も成長していて初めて会った時よりも横に倍ぐらい恰幅が大きくなってるんだが、ダリルウさんはこれを気合と努力でぜい肉ではなく筋肉として維持しているようだ。

 

 凄いな、異世界の人体。鍛えれば鍛えるだけ筋肉がつくんじゃないか? 前世だとボディビルダーも裸足で逃げ出すような体躯のダリルウさんは、ここ最近社交界でも注目の的なんだとか。

 

 

「苦労したわよ。ただ太るだけでは見苦しいと何度も口にしたもの」

 

「お疲れさん。ダリルウさん、よくトレーニングの時間を捻出出来たね?」

 

「他の家なら兎も角、我が家は軍事力も扱う家ですもの。当主にも実力は求められるのよ」

 

 

 そう言ってロゼッタはぷりぷりと怒った口調で言うけど、口元の笑みを隠せていない。父親の努力が評価されるのが嬉しいんだろうな。

 

 しかしそうか。イールィス家はサニム海軍の頭だから不思議じゃないが、商家なのに当主にも武を求められるんだな。イメージとしては中世の海賊商人の規模感を大きくしたものだろうか。

 

 その割にはロゼッタからは武張った匂いがしないんだけど、その辺大丈夫なのかな。今現在、俺とロゼッタで色々契約をかわしてるけど別の人が当主になったら契約破棄! とかされると困るんだけども。

 

 

「大丈夫じゃないわね。私も、家の兵士に鍛錬はしてもらっているんだけど……タロゥから見て、私はどう見えるのかしら」

 

「道場に通い始めの子たちと同じくらいかなぁ」

 

「そう……旦那になる人にそっちを担当してもらうつもりだけど、私自身も動ける方が良いのよねぇ」

 

 

 困ったわぁ、とか言いながらチラチラとロゼッタはこっちを見てくる。これはあれか。道場を紹介して欲しいって事かな?

 

 パチン・コ流は一般の道場生に護身術やエクササイズを教えたりしてお金を稼いでる道場だが、ちゃんと武を学びたいって人が門を叩く際は内部の人間からの紹介が必要になる。俺がメメさんに紹介されたみたいな奴ね。

 

 ロゼッタが道場に通いたいというなら紹介するのは吝かじゃないし、頑張る気があるなら俺も出来る限りの努力はする。ビジネスパートナーだから当然の事だ。

 

 

「ダリルウさんを交えて一度その辺話してみようか」

 

「おっ! お父様とお話!? い、いきなりそんな先の話になるなんて。そんな、そんな……」

 

「何言ってんだこの金髪姫ロール」

 

 

 ロゼッタは急になよなよした動きでいやんいやんと体をくねらせはじめた。最近の若い子の思考は良く分からんなぁ。俺の方が若いけど。これがジェネレーションギャップって奴か。

 

 

 

 

 ダリルウさんを交えた話し合いは若干一名が奇声を上げたりしたこと以外は順調に進み、ロゼッタはパチン・コ流の門を叩く事になった。ダリルウさんとしてもどこか有力な道場にロゼッタを入れたかったそうなんだけど、部下や傘下の人間に紹介させるとロゼッタに遠慮してちゃんと指導をしてくれるか分からなかったからちょっと保留してたらしい。

 

 その理論で言うと俺が指導する事になるのかと思ったけど、俺というよりは俺を指導しているコーケンさんの指導が受けられる可能性が高いから、というのが一番の理由なんだとか。この前一緒にラーメンレストランに行ったし、そういう場で家族とご一緒するくらいには仲がいいって思われてるんだね。

 

 まぁ、その点は良いとして、だ。

 

 

「…………なぜ、貴女がここにいますの? リリアーナ様」

 

「そちらこそ。ロゼッタ様、どうしてこの道場に?」

 

 

 色々納得のいかなかった事があったらしいロゼッタは一しきり乙女の尊厳的に言えない叫び声を上げた後、吐き出してスッキリしたのか、「道場にエスコートしてくださる? 先輩」といつもの調子で言ってきたのでそれを了承。

 

 一先ずはコーケンさんに話を通すか、と道場に顔を出したのだが、その結果がこのにらみ合いである。

 

 

「二人とも、知り合いなんだね」

 

「ええ。同じ5大商家当主の娘ですもの」

 

「このような場で顔を合わせるとは思っていませんでしたが。タロゥ、ロゼッタ様とお知り合いだったんですね」

 

 

 俺の質問に急ににこやかな表情になったロゼッタとリリィ。さっきまで無表情で互いに見合ってたのに急に笑い始めたからちょっと背筋が凍りそうになったぞ?

 

 もしかして二人とも仲良くない感じなんだろうか。リリィが5大商家の家の子ってのも初めて聞いたが、やっぱり5大商家の中でも対立的なものがあるってことなんだろうかね。

 

 まぁいつまでもにらみ合ってても仕方ない。挨拶をそこそこにして、ロゼッタの手を掴んで奥へと連れていく。その様子を眺めていたリリィがまた無表情になってるのが怖いが、こっちも遊びに来たわけじゃないからね。君たちの因縁は後で君たち同士で解決してください。

 

 

「タロゥ、君、そのうち刺されるんじゃないかい?」

 

「そうならないために5大商家との付き合いをしてるんです」

 

「そういうんじゃないんだよなぁ」

 

 

 ロゼッタを連れてきた俺に対して、コーケンさんはぐるりと道場を見回した後にそう言ってきた。そんな事を言われましても、俺としては精いっぱい生きてるだけだからね。偉い人たち同士の対立なんて天から降ってくる問題まで関与していられませんよ。

 

 紹介自体は滞りなく終わり、晴れてロゼッタはパチン・コ流の門下生となった。コーケンさんからは、これからは俺が先達として導く様に。これも鍛錬の内だと言われたため、ロゼッタの指導はコーケンさんと俺の二人で行う事になるらしい。

 

 

「タロゥはどのくらいの頻度で道場に来るの? 効率を考えても一緒の日に来たいんだけど」

 

「毎日来てるからいつでもいいよ」

 

「えっ!? 毎日っ!? …………………で、出来るわよぉ!!」

 

 

 流石に毎日来るとかは出来ないみたいだが、ロゼッタはかなりの高頻度で道場に顔を出すようになった。それは良いんだけど何故か同じようにリリィも道場に顔を出すようになって、毎回顔を合わせる度に無表情でにらみ合うようになったのは勘弁してほしい。鍛錬に実家の事情とか、余計な感情は持ち込んじゃダメでしょ。

 




タロゥ(7歳・普人種男) 

生力32 (32.0)UP
信力99 (99.9)ー
知力31 (31.0)
腕力38 (38.0)UP
速さ32 (32.0)UP
器用33  (33.0)UP
魅力31 (31.0)UP
幸運20  (20.0)
体力34 (34.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル3 (100/100)ー
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル2 (90/100)UP
薬師  レベル2 (60/100)UP
我流剣士 レベル4 (13/100)UP
木こり レベル2 (53/100)
楽士 レベル2 (70/100)UP
教師 レベル2 (36/100)UP
パチン・コ流戦闘術 レベル4 (41/100)UP
テイマー レベル0 (58/100)UP
絵師 レベル2 (71/100)UP
語り部(紙芝居) レベル4 (79/100)UP


スキル
夢想具現 レベル2 (100/100)―
直感 レベル3  (11/100)UP
格闘術 レベル2  (87/100)UP
剣術 レベル4  (53/100)UP
弓術 レベル3  (44/100)UP
小剣術 レベル3 (44/100)UP
暗器術 レベル3 (44/100)UP
斧術  レベル2 (36/100)UP
フォークダンス レベル5(40/100)
フォークマスター  レベル0 (40/100)
念話 レベル0 (53/100)UP
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