ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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第72話 お前は十分に名を上げた

神聖歴581年 春の中月 1日

 

 

 孤児院となりに立つ教会が着工した。現在は土台慣らしという事で地人種のおじさんや熊人種のおじさんなんかがでっかい臼みたいなものを持って地面を均して回っている。まさに力の仕事って感じだ。

 

 

「お、熊のボーズ! どうだ今日はやってかないか?」

 

「んー。このあと森にいくからむりー」

 

「そっか。普人種の坊主でも良いぞ!」

 

「俺は次いでかよ!」

 

 

 そしてそんな力仕事メインの工事のおっさんたちに、ザンムは大人気だ。なんせザンムは力自慢が多い工事現場のおっさんたち全員に腕相撲で勝っちゃったからな。パワーこそジャスティスな彼らには効果てきめん。一躍アイドルみたいな扱いになってる。

 

 俺の知らないところだと結構引き抜きとかもされてるらしいので、ザンム自体は困ってるみたいだけどな。まぁ働き口が多いのは悪い事じゃないから、時間がある時に手伝ったりして土木工事の経験も積んではいる。

 

 俺もザンムも将来的にはサニムの外に出る予定だ。そうなった時、旅先でなにがあるか分からんからな。土木工事なんかはどんな場所に行っても存在する仕事だから、もしもの時に糊口をしのぐ手段として選択肢に入れておきたいのだ。土木が済んだら今度は建築に入るし、そっちの方の知識も仕入れておきたいところだ。

 

 

「それでどうだザンム。実際に道場に通って見て」

 

「ちょーたのしー」

 

「お、おう。そうか」

 

 

 他にも外に出る冒険者の準備として、ザンムが先月から道場に通い始めた。もちろん俺が紹介できるのはパチン・コ流だから同じ道場になるんだが、門下生の俺と練習生のザンムでは稽古する場所がちょっと違うから中々様子を見ることができないんだ。

 

 コーケンさんはもう少し俺が上達したら俺に指導させたかったそうだが、俺はまだ奥伝の許しを得ていない。このため指導の難しい熊人種を教えることが出来ず、ザンムの指導は同じ中伝を許された熊人種のタイガーさんが行う事になった。

 

 まぁ基本的に練習生の指導は師範代か奥伝を許された指導員、もしくは同じ種族の中伝を許された者になるそうだから順当と言っちゃ順当だ。

 

 ちなみに指導をするだけでこれだけ取り決めがあるのは、各種族ではそれぞれの特性があるためだ。兎人種は非力だが身軽で脚力は熊人種並という種族で、必然的に足技が得意になる。狼人種は牙や爪も戦闘術に組み込まれるし、熊人種は純粋にパワーが凄い。鳥人種に至っては少しの時間なら飛べるというとんでもない特性がある。

 

 これらの種族に対する指導法は確立されているものの、難易度が高いものになる。特に熊人種相手だと未熟なものが指導者になるとパワーをいなしきれず大事故になる可能性があるため、同じ種族の者か絶対に大丈夫と言われるような者。それこそ師範代レベルの手腕が必要になるわけだ。

 

 そしてザンムは早速、その熊人種でもかなり例外じゃないかと思われるパワフルさを発揮し、中伝に達した同じ熊人種のタイガーさんをパワーで圧倒しているらしい。タイガーさんからは楽しそうに「お前がつれてきたやつー化け物だぞー」って言われた。

 

 ただ、あのハッスルぶりからザンムが酷い目にあってるんじゃないかと思ったんだが、この様子を見るに問題は無さそうだ。こいつもレンツェル神父に薫陶を受けた孤児院の子供だし、やっぱりなんか伝染するのかな。ピッグスは例外としても孤児院出身の子は冒険者や兵士になる事が多いらしいしね。

 

 

「私も例外だろぉが。豚じゃなくて私を例にあげろよ」

 

「あ、ライラだー」

 

「おう、ザンム! 相変わらずでかいなお前……いやほんとデカいな?」

 

「俺二人分くらいのデカさだからなーザンム」

 

 

 俺たちの会話を聞いてたのか。受付のライラがカウンターから身を乗り出して話に混ざってきた。ザンムはこのデカさでまだ成長途中であり、どんどんどんどん縦にも横にもデカくなっている。以前は黒かった体毛も若干赤みがかってきていて、ザンムを見た人は「赤くてデカいの」って呼んだりするようになってきてる。

 

 

「名前が売れるのは良いことだぞ。私らみたいな孤児院出身者は親族って後ろ盾がないからな。舐められやすいんだ。お前らも経験あるだろ?」

 

「そうだね」

 

「脳天割られたアクトも一回死にかけてからは大人しいしなぁ。お前、よくやったよ。あいつ孤児院出身だからって私に言い寄ってきてウザかったんだ。いつかぶちのめしてやろうと思ってたんだが、8っつも年下のガキに脳天割られたって聞いた時はスカッとしたよ!」

 

 

 ライラが言ってるアクトってのは森で突っかかってきた5歳児に集る甲斐性なしどもの事だろうな。そういえば今もたまーに冒険者ギルドで見かけるけど、こっちを見かけたらすぐに顔を背けてどっかに消えていくから最近は気にもしていなかった。

 

 街中の依頼しか受けないタイプらしいから、森をメインに活動する俺たちとはそもそも仕事場が被る事もないしね。ま、変に絡んでこないならこれからも無視で良いだろう。

 

 

「それでいい。もう格付けも終わったし、これ以上はお前の格が落ちる。冒険者や傭兵なんてのは暴力と名前で商売してるようなもんだからよ。お前は十分に名を上げた。お前の後の孤児院の後輩も舐められる事は少なくなるはずだ」

 

「つまり俺を冒険者ギルドに引き入れたライラの評価も上がるってことかな?」

 

「良く分かってんじゃーん。私らの身内は親族じゃなくて孤児院出身者だからよ。互いに助け合っていかねーとな? 後輩にもガンガン技術詰め込んで冒険者ギルドに紹介してくれよ?」

 

 

 そう言ってライラは嬉しそうに俺の頭を抱きしめた。アリスとマッチが育った分もライラの手柄って事になるわけだ。ご機嫌なのも頷ける話だ。

 

 ……多分これ、給料相当上がったな。今日の仕事終わりにライラに飯でも集るか。ちゃんとこっちにも還元してもらわないとね。助け合いなんだから。

 




タロゥ(7歳・普人種男) 

生力33 (33.0)
信力99 (99.9)ー
知力33 (33.0)UP
腕力39 (39.0)
速さ34 (34.0)UP
器用33  (33.0)
魅力32 (32.0)
幸運21  (21.0)
体力34 (34.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル3 (100/100)ー
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル2 (84/100)UP
我流剣士 レベル4 (48/100)UP
木こり レベル2 (70/100)
楽士 レベル3 (2/100)UP
教師 レベル2 (65/100)UP
パチン・コ流戦闘術 レベル4 (88/100)UP
テイマー レベル0 (71/100)UP
絵師 レベル2 (90/100)UP
語り部(紙芝居) レベル4 (98/100)UP


スキル
夢想具現 レベル2 (100/100)ー
直感 レベル3  (41/100)UP
格闘術 レベル3  (29/100)UP
剣術 レベル4  (98/100)UP
弓術 レベル3  (90/100)UP
小剣術 レベル3 (90/100)UP
暗器術 レベル3 (90/100)UP
斧術  レベル2 (83/100)UP
フォークダンス レベル5(40/100)
フォークマスター  レベル0 (40/100)
念話 レベル0 (65/100)UP
女たらし レベル3 (100/100)ー


取得可能スキル
素人○貞 レベル5(100/100)
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