ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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誤字修正、キーチ様ありがとうございます。

サニム半島近隣地図

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第82話 貴方も私も対等。皆平等に平民ですわ

神聖歴581年 冬の始め月 7日

 

 

 最初に着いた農村では村長自らの歓待を受けた。主賓はもちろんロゼッタである。

 

 

「イールィス家のお嬢様! そのような高貴な方が我が村に……」

 

「あら。サニムはお隣の国と違って身分制を敷いておりません。貴方も私も対等。皆平等に平民ですわ」

 

 

 初老の村長さんが揉み手でロゼッタに話しかける中、俺はロゼッタの数歩後ろで周囲に目を配っていた。歓待の宴には商隊の構成員である商家の主8人とロゼッタが招待されており、商家の主にはそれぞれ村の娘さんだろう若い子が一人ずつ付いてお酌をしている。うーん、分かりやすい接待だ。前世で付き合いのある会社と飲みに行った時を思い出すなぁ。

 

 こういう場だとカラオケ太郎ちゃんと呼ばれた俺の魂が少しざわつくが、今回は歓待をする側でも受ける側でもない。俺のバリトンボイスを利かせた赤とんぼの出番はなさそうだし、主の2歩後ろに控えて周囲に目を光らせるだけにしておくべきだな。

 

 あと、相手の村長さん。今回の代表がロゼッタになるって知らなくて着ける予定だったろう一番かわいい女の子が一人でポツーンとしてるの、そろそろ可哀そうだから家に返してあげるべきじゃないかな。番頭さんがこの宴に居たら彼に付いてもらったんだけどね。

 

 そのまま1,2時間くらい宴は続き、夜も遅くなったため俺はロゼッタと共に用意された一番上等な部屋に移動する。

 

 

「あー、ロゼッタお嬢様! おへやのよーいできたよ!」

 

「ありがとう、アリス」

 

 

 部屋ではメイド服を着たアリスが室内の準備を整えていてくれた。付け焼刃ではあるが、俺と一緒にフィアナさんの講義を受けたアリスは今回ロゼッタ付きのメイドとして働いてもらう事になる。ザンムと違ってアリスは戦闘力こそないが、俺と一緒に森を駆けまわるくらいの健脚だし、サニム近隣の森を縄張りにする大狼と面識もある。もしもの時はロゼッタの手を引いて森へ駆け込んでもらうために、この旅の間は俺と一緒にロゼッタの傍に居てもらうつもりだ。

 

 ちなみにもう一人の孤児院組であるマッチは御者の手ほどきを受けているため、御者の助手として馬車についてもらっている。地図を書くことが出来るマッチには周囲をよく観察してもらい、土地勘を得ることと技能の向上に努めて欲しいからだ。

 

 

「お嬢様、部屋の警備は俺とザンムが扉の外で行います。どちらかは常に付いていますのでなにか御用の時は声をおかけください。アリス、室内は任せたぞ」

 

「はーい!」

 

「ええ、お願いね」

 

 

 二人に声をかけて寝室のドアを閉める。窓もしっかりと戸締りをしたからなにか侵入しようとしたら俺かザンムが必ず気付く。まぁ、代表者が男だったら他の商人さんたちのように夜の接待やらが来たかもしれんが、嫁入り前の娘にそんな事したらイールィス家を完全に敵に回す。流石にない、とは思うが田舎のテンション高い小僧っ子ならノリだけでやらかす可能性もあるからな。ダリルウさんからはくれぐれもって言われてるしちゃんと警護をしておかないと。

 

 

 

 

「今年の収量は悪くないみたいね。穀物50に対して鉄器はこの数で。他に塩、布……欲しいものがあれば申告して頂戴」

 

「は、はい! 出来れば塩をもう少し増やしたいのですが」

 

「それなら穀物はこれだけで。皮革があればそちらでも交換を受け付けるわ」

 

 

 今回の商隊は生活物資の販売がメインだ。行商人に物流を頼っている農村は、本格的な冬に入る前に秋に収穫した作物と物資を交換する必要があるため、サニムでは大規模な商隊を組んで各農村に必要なものを供給している。

 

 もちろんタダではない。なんなら普通に商うよりも大分高い値段設定にしているが、農村部がこの商隊との商いを拒むことはない。この割高な部分は、純粋な利益ではなくサニムの収益となるからだ。つまり、税金の徴収を兼ねているわけだ。

 

 まぁ税金というよりは朝貢とかみかじめ料とかの方がまだ想像しやすいか。どういうことかというと、厳密には彼らはサニムに所属しているわけではないからだ。サニム半島と呼ばれるこの一帯の平野部には大小さまざまな農村や街が存在していて、それらはサニムの影響下にあるがあくまでも影響下であり、それぞれ独立した勢力なのだ。

 

 影響下にあるというのは、近隣の経済や政治の中心がサニムだからだ。サニムが所属している都市国家連合では基本的に都市の主権はその都市内だけと決まっているが、経済や流通等を考えれば小規模な村や町はどうしたって近くの大都市の影響下になる。そのため、庇護下にある農村などはサニムとのつながりを求め、今回のように割高に商品を買ったりするわけだ。

 

 もちろん、サニムはただ搾取するだけではない。今回のように足りない物資の供給を行う物流を整えたり、街道を整えたりと小さな村や町では出来ないインフラ整備をサニムは行っている。また、海賊や山賊などの被害が横行したり村々では対処できない魔物が出たらこれらを討伐するなど、軍事力的な面での支援も行っている。

 

 今回の商隊に20数名も護衛がついているのも、もし途中の村々でなにか問題が起きていた場合に対処するための兵力という側面もあるのだ。そのため、今回同行している傭兵団『空騒ぎ』はお隣の城塞都市レキストンで帝国相手に奮戦してる著名な傭兵団だし、冒険者たちも山岳に分け入って帝国まで行き来できる腕っこきの冒険者がそろえられている。

 

 なんならちょっと大規模な山賊団でも制圧してしまえそうなメンバーだ。これもしかしたら赤字なんじゃないかって思えるくらいに金がかかってる。

 

 

「だから農村側もこっちの言い値で交渉に応じたでしょ? こっちだってトントンかちょい利益があるかな、程度よ。なんせ万一のために騎兵まで用意してるんだから」

 

「あ、今年だけ例外って訳じゃないんだ」

 

「んー、まぁ人員に関しては、例年よりは多いわね。タロゥたちの分が増えたから」

 

 

 カリカリと降ろした荷物と新しく積み込んだ荷物を書類に書きながら、ロゼッタはそうぼやく様に言った。サニムの商家にとってもこの商隊への参加はサニムに対する貢献的な部分があるため、参加している商家も採算は基本度外視(利益は出す)って感じらしい。偉い人たちも色々大変なんだな。俺は冒険者くらいの気楽な立場が良いや。

 




タロゥ(8歳・普人種男) 

生力37 (37.0)
信力99 (99.9)ー
知力35 (35.0)
腕力42 (42.0)
速さ37 (37.0)
器用38  (38.0)
魅力34 (34.0)
幸運24  (24.0)
体力36 (36.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル3 (100/100)ー
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (35/100)UP
我流剣士 レベル4 (100/100)ー
木こり レベル2 (70/100)
楽士 レベル3 (30/100)
教師 レベル2 (94/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル5 (67/100)
テイマー レベル0 (92/100)
絵師 レベル3 (33/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (36/100)
水兵 レベル1 (1/100)
執事 レベル1(45/100)UP


スキル
夢想具現 レベル2 (100/100)ー
直感 レベル3  (92/100)UP
格闘術 レベル4  (68/100)
剣術 レベル5  (100/100)ー
弓術 レベル5  (30/100)
小剣術 レベル5 (30/100)
暗器術 レベル5 (30/100)
斧術  レベル4 (23/100)
飛行術 レベル0 (34/100)
フォークダンス レベル5(40/100)
フォークマスター  レベル0 (40/100)
念話 レベル0 (75/100)UP
女たらし レベル3 (100/100)ー
サニム流マナー レベル1 (30/100)UP


取得可能スキル
素人○貞 レベル5(100/100)ー
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