ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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サニム半島近隣地図

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第86話 イベントおかわり一丁じゃねぇんだよ

「ワッハッハッハ! 皆飲め、飲め! 今日は俺の奢りだ~!」

 

 

 どうやっているのか分からないが、元々の青い体毛を真っ赤に染めてフェンダーさんがそう叫ぶと、スワトンの道場生たちが口々に「乾杯」だの「ごちで~す」だのと声を張り上げる。

 

 繁華街にある酒屋を一つ借り切っての宴会だ。オーマ師範代は最初に少し顔を出しただけで幾らか置いて「後は若い連中で楽しめ!」と出ていったが、残りの門下生はほとんどが楽しく飲みまくっている。

 

 しまったな、ここまで話が大きくなる前にロゼッタは帰しとくんだったと後悔するも、今更ロゼッタとザンムだけ先に帰すってのは中々言い出しづらい空気になってしまった。

 

 

「ん~? どうしたぁ兄弟。飲め飲め! ここの払いは俺とお前だからなぁ~ワッハッハッ!」

 

「俺はあんたの兄弟じゃないです」

 

「んなぁに言ってんだ兄弟! 俺とお前の武勇伝をよぉ~ここにいる皆に聞かせてやろうぜぇ! ワッハッハッ!」

 

 

 すっかり出来上がっているフェンダーさんが酒臭い息でそう叫ぶ。その声に、「知ってますよぉ!」と周囲の門下生が笑いながら声を張り上げる。まぁ、結構な人数の人が見てたからな。この街は新興過ぎてほとんど娯楽がないから、稽古が終わって時間が空いたら大体皆行く場所は同じなんだ。

 

 とはいえ、武勇伝なんてもんでもなかったんだけどな。単に賭け事で大勝ちしただけなんだから。

 

 

 

 

 フェンダーさんと組手をした後。久しぶりにしっかりとした稽古を行った俺たちはそのままハラールさんの用意してくれた宿に戻る心算だった。が、そこでフェンダーさんが待ったをかけた。曰く、動いた後は飯であると。

 

 なるほど、それは確かにその通り。食育とも言うし、食事は体を作るうえで重要な要素の一つだ。食べる事もまた修練である、とレンツェル神父にも言われているし、パチン・コ流でもそう教えている。

 

 ロゼッタに確認を取ったところ彼女としてもスワトンの食事情は知っておきたいとの返答が。まぁこれからカップラーメンを売り込んでいくつもりらしいから、その辺は気になるのだろう。今回の旅の責任者がオーケーを出したので、フェンダーさんのお誘いを受けることが決定した。

 

 とはいえたっぷりと動いて汗をかいた後だ。ロゼッタとザンムは一度着替えと湯あみの為に宿に戻り、俺は先行してフェンダーさんと繁華街へ。スワトンは港町だが元々軍港だったため、規模の割に大きな繁華街が存在する。

 

 ここの魚料理は絶品だ、とか。この店は帝国の酒を出す、とか。地元民からのプレゼン?を受けながらどの店にしようか悩んでいると、繁華街の中心にある大きな建物の前でフェンダーさんが足を止めたので一緒に立ち止まる。

 

 いくつもの明かりが括りつけられた看板には、サイコロの絵が描かれていた。

 

 

「タロゥ、サニムにはカジノはあるのか?」

 

「ありますよ。いった事は無いんですが」

 

「そうか。なら、どうだ。女の着替えは時間もかかる。軽く時間つぶしでもしていかねぇか?」

 

 

 ニヤリ、と笑うフェンダーさんは、もうやる気満々って感じである。あ、これは結構なギャンブル好きだな。競馬場を前にネクタイを脱ぎ捨てるサラリーマンに似た雰囲気を感じる。

 

 まぁ、ロゼッタは多分湯あみまで済ませてくるだろうしな。時間もかかるだろうから、多少時間つぶしをするのは構わない。まぁ身ぐるみはがされない程度にしておこうか。

 

 なんて考えていたのが甘かった。

 

 

「丁半博打で14連勝!? と、とんでもねぇのが居るぞ!」

 

「ちんちろでもだ! あの坊主、6ゾロが3回も出てるぞ!?」

 

「新手の賭場荒らしか!?」

 

 

 ただの一度もマイナスにならず、掛け金はうなぎ上りに膨れ上がり。途中でカジノの裏に呼び出されてすわ荒事かとワクワクしていたら、フェンダーさんが「つまり、テメーらパチン・コ流を敵に回すって事か?」の一言で相手側の勢いもスンっと一気に下がる。まぁ、流石に賭場荒らしなんぞする気はなかったので、現実的な額で換金してもらって手打ちという事になったがそれでもたった1時間と袋一杯の金貨が手に入る事となったわけだ。

 

 俺、結構運良かったんだな。大分運が悪い人生歩んでると思ってたんだけど。

 

 まぁ、それは良いとして。このまま終わると相手のカジノ側だけが踏んだり蹴ったりになるから、パチン・コ流に悪いイメージを持たれないためにも交渉を。大体こういうカジノとかを持ってる組織は他にも手を伸ばしてるから、息が掛かってる店を紹介してもらってそこで豪勢に飯を食べることである程度還元したいと伝えると、相手側のちょっと偉そうなおじさんが安堵したような表情で系列の店だという所を紹介してくれた。

 

 そこからは、どうせだからとフェンダーさん持ちということでパチン・コ流の門下生で来れる人を全員呼んでの大宴会である。

 

 

「あんた……本当に、なにやってんのよ……」

 

「返す言葉もございません」

 

 

 俺の武勇伝(数回目)を耳にしたロゼッタが割と真剣な表情でそう言ってきたので、素直に頭を下げる。軽い時間つぶしのつもりだったのにこんな事になるなんて思わなかったんだ。俺の冴えわたる頭脳をもってしても……!

 

 まぁ、ちょっと計算違いはあったが。同じ同門同士の結束を固く結んだとみれば、……まぁ、悪い結果じゃないだろう。多分。

 

 とはいえ流石に今日はイベントもありすぎたし、そろそろ休みたいところだ。このお祭り騒ぎにずっと付き合い続けるのも良くない。明日はスワトンから出発するし、速めに宿に帰らないといけない。ここは空気を読まずにそろそろお暇するとフェンダーさんに伝えるべきだろう。

 

 

「キャアアアアァッ!」

 

 

 そう思って、席を立ちフェンダーさんに声をかけようとすると表の方から絹を裂くような女の悲鳴が聞こえてきた。おい、バカこっち見るなザンム。イベントおかわり一丁じゃねぇんだよ。俺をからかうために俺が教えた言葉を使うのは止めなさい!

 




タロゥ(8歳・普人種男) 

生力38 (38.0)
信力99 (99.9)ー
知力37 (37.0)
腕力43 (43.0)
速さ38 (38.0)
器用38  (38.0)
魅力37 (37.0)
幸運24  (24.0)
体力37 (37.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル3 (100/100)ー
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (40/100)
我流剣士 レベル4 (100/100)ー
木こり レベル2 (70/100)
楽士 レベル3 (35/100)
教師 レベル3 (28/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル5 (100/100)ー
テイマー レベル1 (10/100)
絵師 レベル3 (41/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (41/100)
水兵 レベル1 (1/100)
執事 レベル2(18/100)UP


スキル
夢想具現 レベル2 (100/100)ー
直感 レベル4  (8/100)UP
格闘術 レベル5  (22/100)UP
剣術 レベル5  (100/100)ー
弓術 レベル5  (90/100)UP
小剣術 レベル5 (90/100)UP
暗器術 レベル5 (90/100)UP
斧術  レベル4 (88/100)UP
飛行術 レベル0 (92/100)UP
フォークダンス レベル5(40/100)
フォークマスター  レベル0 (40/100)
念話 レベル0 (88/100)UP
女たらし レベル3 (100/100)ー
サニム流マナー レベル1 (69/100)UP


取得可能スキル
素人○貞 レベル5(100/100)ー
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