ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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サニム半島近隣地図

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kamekng0420様、フルフラン様報告ありがとうございます。そこは造語なのでお気になさらないでください!




第87話 「絹を裂くような――」 「女の悲鳴!?」

「絹を裂くような――」

 

「女の悲鳴!?」

 

「「待て待てぇい!」」

 

 

 悲鳴が聞こえて静まり返った酒屋の中で、フェンダーさんとあと一人。ザンムに指導をしてくれた獅子人種の指導員がコントのようなやり取りをして酒屋の外へと駆け出していくと、周囲にいた門下生たちもバタバタと外へと駆け出して行った。さっき酒飲んでた時と同じくらい楽しそうだ。

 

 喧嘩は祭りの華ともいうけど、娯楽が無さ過ぎてそんなものが楽しみになるってのもあるんだろうなぁ。スワトンで娯楽産業を興したら結構儲かりそうだし、レイラさん辺りにスワトンは狙い目ですよって伝えておこうかな。いや、レイラさんなら俺よりもサニム半島の芸能事情は詳しいだろうから、もう手を伸ばしてるかもしれんな。

 

 ただ、こういう町はサニムのように劇だとかそういう趣味人が好きそうなものよりももっと直接的な物。それこそコロシアムみたいなものが良い気がする。元々最前線だってのもあって町全体に武の気配があるしね。

 

 あとは、競馬とかかな。馬車があるから馬車レースでも良いけど。

 

 

「それで、どうする? この隙に宿に帰っちゃおうか」

 

「流石に今はダメでしょ。ちょっと様子を見ておきましょう」

 

「そういってーロゼッタもやじうましたいんでしょー」

 

「ザンム、うるさい」

 

 

 まぁ、冬は暇ってのはサニムもそこまで差はないし、こういう騒動が起きたらうずうずしちゃうのは俺達サニムっ子も同じだ。まぁ、お客さんだからゆっくりしててもいいだろって事で脱いでいたロゼッタの外套を着けさせて酒屋の外へ出ると、状況は思った以上に混とんとしていた。

 

 まず、騒動の原因は分かった。多分10歳前後くらいの明らかに貴人と分かる普人種の少女と、その少女を守る様に前に立つ泥だらけの騎士服の少年……あ、いや違う。あれ女の子か。男物の衣装だけど明らかに骨格は女の子のそれだ。彼女はすでに腰につけていた直剣を抜き去り、荒い息を吐きながら荒くれ者たちに立ち向かっている。

 

 汚れた衣装に髭面の普人種の男たちもすでに武器を抜いている。街中で得物を抜いているのは相手の女の子も同じだが、こっちは5人近い人数が全員だ。おいおい、流石にそれはいかんだろ、と野次馬ながらに思っていると、その両者の間に立ってフェンダーさんが声を張り上げた。

 

 

「双方静まれぇい! ただの喧嘩ならいざ知らず、得物を抜いての切った張ったはこのスワトンじゃご法度なんだよぅ!」

 

「うるせぇ犬っころ! しゃしゃりでてくんじゃねぇよ!」

 

「ぶっ殺して毛皮にするぞテメェ!」

 

 

 間に入ったフェンダーさんに荒くれ者たちが口々に罵声を浴びせかける。もう一人の獅子人種の指導員さんは明らかに劣勢な女の子たちをかばう場所に立ちふさがっている。多少劣勢な方に肩入れしているが、フェンダーさんたちとしては出来るだけ公正に話を聞こうとしたんだろうな。

 

 ただ、相手が放った一言で周囲の空気が一変したちゃったけど。アウトだ。よりにもよってその単語を狼人種に言っちまうか。あれ多分地元の人間じゃねぇな。

 

 周辺で野次馬をしていた面々の内、狼人種の人たちが手にそこらで落ちていた木材や石なんかをもって野次馬からすっと出てくる。これは喧嘩に参加するという意味合いだ。サニム半島の狼人種は犬人種と同一視されると親の仇みたいにキレるから絶対に言ってはいけない一言なんだよ。

 

 門下生を含め20人近く野次馬の中にいた狼人種が明らかに殺意を向けているのに驚いたのか、荒くれ者どもの威勢が一気に無くなっていく。が、吐いたツバは飲めない。言ってしまった以上は自分で責任を取らなきゃいけないのだ。

 

 とはいえ、流石にこの人数と得物持ちの5人がぶつかると、死人が出るかもしれんな。

 

 

「ロゼッタ、ザンム。向こうの少女たちの方を頼めるか。明らかに貴人だし、ロゼッタが応対した方が面倒は少なそうだ」

 

「この場面自体が面倒だけどね。アンタはどうするの?」

 

「ちょっと寝かしつけてくる」

 

 

 そう言って、ザンムにロゼッタを頼むとアイコンタクトを取る。右目をぱちーんとウインクして答えたザンムに苦笑で返して、俺はぐっと両手に信力を込めて空中に飛び上がる。

 

 ドバッと噴出した信力が推進力となり、人波を飛び越えて瞬く間に荒くれ者どもに迫り、衝突。一人目の顎に良い膝をお見舞いすると、そこを起点に体勢を入れ替えて次の斧を持った荒くれ者の頭を蹴り飛ばす。勢いを殺さないようにつるかめ波で次の獲物へ飛びかかり、今度は円の動きを描きながら肘を側頭部にぶち込んだ。

 

 これで三人。さて次を、と地面に降り立って視線を向けると、何時の間にかフェンダーさんが残りの二名をボコボコにしているのが目に入った。速いな。そして静かだ。距離と速度を考えると打出を使って接近したのだろうが、俺のつるかめ波は結構空気を叩く音がするのに、フェンダーさんの打出は今の瞬間まで気付かなかったくらいに静かに地面を蹴っている。

 

 

「お美事」

 

「そちらも」

 

 

 酒臭い吐息を吐きながら俺を褒めたたえるフェンダーさんに、こちらもそう返答する。フェンダーさんの一挙一動を見れなかったのは惜しいな。明らかに実践レベルの打出の使い手だ。見るだけでも勉強になったろうに。

 

 まぁ過ぎた事はしょうがない。今はこの足元に転がった連中の始末を考えよう。街中で得物を抜いてた段階で拘束する理由は十分だしな。

 

 周囲の酒屋に声をかけて、縛り上げるようなローブを幾らか融通してもらい荒くれ者たちを縛り上げる。この時、喧嘩の為に出てきた狼人種にそれらをお願いする。彼らの獲物を取り上げる形になっちゃったからまぁ。縛り上げる時にちょっと乱暴になるくらいは仕方ないだろ、うん。

 

 あとはスワトンの兵士に引き渡すだけという段階で騒ぎを聞きつけた兵士さんたちがやってきた。これにはフェンダーさんが応対する。パチン・コ流の指導員って事でフェンダーさんは街の兵士にも顔がきくらしく、実際にぶちのめした俺やフェンダーさんは一応事情聴取のために同行することになったが兵士さんからは「流石はパチン・コ流」だの「これがサニムの神童かぁ」とか、結構気安い態度でお褒めの言葉を頂いた。

 

 ロゼッタがついてくれていた女の子たちも兵士の屯所で事情を聴くことになったらしい。まぁ、明らかにどっかの偉い人っぽいし被害者だろうけど、得物抜いちゃってたからな。ちょっとお小言くらいは貰う事になるんじゃないかな。多分。

 




タロゥ(8歳・普人種男) 

生力38 (38.0)
信力99 (99.9)ー
知力37 (37.0)
腕力43 (43.0)
速さ39 (38.0)UP
器用38  (38.0)
魅力37 (37.0)
幸運24  (24.0)
体力37 (37.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル3 (100/100)ー
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (40/100)
我流剣士 レベル4 (100/100)ー
木こり レベル2 (70/100)
楽士 レベル3 (35/100)
教師 レベル3 (28/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル5 (100/100)ー
テイマー レベル1 (10/100)
絵師 レベル3 (41/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (41/100)
水兵 レベル1 (1/100)
執事 レベル2(20/100)UP


スキル
夢想具現 レベル2 (100/100)ー
直感 レベル4  (11/100)UP
格闘術 レベル5  (40/100)UP
剣術 レベル5  (100/100)ー
弓術 レベル5  (92/100)UP
小剣術 レベル5 (92/100)UP
暗器術 レベル5 (92/100)UP
斧術  レベル4 (90/100)UP
飛行術 レベル1 (20/100)UP
フォークダンス レベル5(40/100)
フォークマスター  レベル0 (40/100)
念話 レベル0 (88/100)
女たらし レベル3 (100/100)ー
サニム流マナー レベル1 (72/100)UP


取得可能スキル
素人○貞 レベル5(100/100)ー
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