ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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サニム半島近隣地図

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第91話 お前らもう隠す気ねぇだろ!

 遠目に見える山巨人は、巨大だった。木々の上から頭が見えるんだから、推定4、5mはあるんじゃなかろうか。ごくりと生唾を飲み込んで、努めて冷静に相手を見やる。

 

 巨人と言われているが、人型であるだけで人間とは似つかない風貌をしている。肌の色は茶色く、表面が凸凹している。顔は人間という寄りもリスのような形をしている。胸が大きい。恐らく雌だな。

 

 そしてこれが重要だが、明らかに結構な傷を負っている。山巨人の左腕はだらりと垂れさがって血が流れているため、先発隊がこいつと遭遇したのは間違いないだろう。ただ、奴の周囲には先発隊の気配はない。まさか、全滅したのか? 嫌な予感が頭を過る。

 

 

「戦える奴はまとまって動くぞ! あいつ相手じゃ分散しても蹴散らされるだけだ! おい、タロゥ! お嬢様方を避難させろ! 家屋の中じゃ万が一があり得る!」

 

「ハサウェーさん!」

 

「手負いの獣だ、間違いなく殺す気で襲ってくる――クソッ! メロネー達はなにやってんだ!」

 

 

 冒険者たちのリーダーであるハサウェーさんが周囲の護衛達に指示を出しながら駆け寄ってきた。すでに武装を身に纏っているのは、流石の対応力だと言うべきか。その指示を聞いてか聞かないでか、帝国人の使用人が剣を抜いてハサウェーさんに向けて叫んだ。

 

 

「冒険者! 山巨人の肌は岩石並だ! 一撃の強い心技か質量兵器でなければ抜けんぞ!」

 

「お前らもう隠す気ねぇだろ! 心技使いはどれだけいる!?」

 

「我ら全員! だがタメが要る!」

 

 

 そう口にして使用人(仮)たちは各々が剣や槍を取り出した。10人の心技使い。冒険者側もハサウェーさんを筆頭に魔物との戦闘経験は多い。これなら、イケるか。倒すのは無理でも撃退まで行ければなんとかなる。

 

 村へと歩み寄る山巨人との距離は、すでに100m近くまで縮まっている。思った以上に速い。迎撃するなら、今しかない。

 

 

 

 

 とはいえ、全戦力を山巨人に充てるわけにはいかない。村人やロゼッタ達の避難誘導と護衛が必要だからだ。村人でも動ける男衆に手伝ってもらい、冒険者一人と使用人一人、それにザンムと俺の4名がついて村人たちの避難誘導を行う。大体の農村には賊や魔物が出た時の為の避難場所がある。そこで事態が収束するまで籠ってもらうのだ。

 

 

「イールィス様。む、村は」

 

「落ち着きなさい。山巨人は傷だらけでした。恐らく先遣隊と」

 

 

ボアアアアアアアアッ!!!

 

 

 ロゼッタと村長の話し合いを遮る様に、極大の叫び声がビリビリと響き渡る。ただの音じゃない。信力が込められたものだ。それを耳にした瞬間、激烈に嫌な予感が背筋を駆けのぼっていった。

 

 ほとんど衝動的に避難所の外へ飛び出して、村へと向かって駆ける。今の叫びは不味い。なにが不味いのかを言語化出来ないが、確信をもってそう言い切れるなにかが今の叫び声にはあった。

 

 

「つるかめ波ぁ!」

 

 

 飛び上がり、信力を使って空を駆ける。長時間の空中機動は難しいが、短時間ならば十分空中移動が出来るくらいにはこの技も慣れてきた。そのまま付近の家の屋根に飛び乗ると、山巨人の姿が目に映る。

 

 

「――これかぁ! 嫌な予感の正体!」

 

 

 山巨人は村と森との間にある畑の一角にいた。周囲には護衛達の姿もある。今のところ全員無事だろう。ケガをしたり、倒れているものは誰も居ない。

 

 だが。山巨人以外にその場で動くものも居ない。まるで石造のように不自然な体勢で、護衛達はその場に立ち尽くしている。

 

 

「アアアアアアアアッ!」

 

 

 その光景を目にした瞬間に、更に空中を駆ける。声を張り上げると、直近に居たハサウェーさんを蹴り飛ばそうとしていた山巨人の注意がこちらに向くのを感じた。あの質量を無防備に受ければ死ぬ。確信をもって言える事実に、更に声を張り上げる。

 

 こっちを見ろ! お前の相手は俺だ!

 

ボアアアアアアアアッ!!!

 

 

 俺の叫び声に答えるように山巨人が信力を込めた叫びをあげた。ビリビリと全身を貫かれるような感覚に全身が縮み上がってしまう。護衛達が動きを封じられたのは、これを間近で受けたからか。恐らくそういう効果のある魔法なのだろう。

 

 だが、信力が悪さをするなら、こちらも信力で返すだけだ。

 

 

「アアアアアアアアッ!」

 

 

 気合を込めてもう一度叫ぶ。気合に信力を乗せる。上手くできているか分からないが、体の自由は奪われなかった。そのまま空を駆けてまっ直ぐ自分に向かってくる俺に、山巨人が右手を振り上げる。つるかめ波を上空に向けて放ち、一気に地面に降りてそれをかわすと、山巨人の足元にいたハサウェーさんに駆け寄った。

 

 

「ハサウェーさん!」

 

「あ、あがが」

 

 

 ハサウェーさんは恐怖に引きつった表情で、焦点の合わない目を俺に向けた。ダメだ。正気を失ってる。一発殴れば直るかもしれないが、それを確かめる時間も無い!

 

 巨体からは信じられない素早さで山巨人の追撃が降りかかってくる。ハサウェーさんの腹に抱き着く様にして体を固定し、一か八かの足からの打出を行う。相変わらずの威力でハサウェーさんごと俺は数mほどぶっ飛んだが、今はこれがありがたい。ついさっきまで俺とハサウェーさんが居た場所を強かに踏みつけた山巨人が、思っていたものと違う足元にたたらを踏んでいる間にハサウェーさんを近くの小屋の壁に寄りかからせる。

 

 ようやっと一人助け出せた。だが奴の近くにはまだ12人の護衛達が固まったままの状況だ。時間を稼ぐにも救出するにも奴の動きに巻き込まれるだけで致命傷になってしまうし、一撃でアイツを止める手段も現状俺達にはない。そしてなににしても手が足りなさすぎる!

 

 なんとか、なんとか彼らが動けるようになれば……

 

 

「アアアアアアアアッ!」

 

 

 他の護衛達に攻撃がいかないよう、ここに俺は居るぞと叫びをあげると俺を見失っていた山巨人が顔をこちらに向けてくる。なんとかして、また一人。その次も一人。綱渡りのような状況だが、俺がやらなきゃ護衛達は皆死んでしまう。

 

 そう己の心を奮い立たせて山巨人に相対すると、視界の隅っこに、ぴょこんと直立するように聳え立つ二本の兎耳が目に入った。

 

 おい。避難したんじゃないのかよ、アリス。

 




タロゥ(8歳・普人種男) 

生力38 (38.0)
信力99 (99.9)ー
知力38 (38.0)
腕力43 (43.0)
速さ39 (38.0)
器用38  (38.0)
魅力39 (39.0)
幸運25  (25.0)UP
体力37 (37.0)


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル3 (100/100)ー
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (40/100)
我流剣士 レベル4 (100/100)ー
木こり レベル2 (70/100)
楽士 レベル3 (35/100)
教師 レベル3 (38/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル5 (100/100)ー
テイマー レベル1 (13/100)
絵師 レベル3 (51/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (58/100)
水兵 レベル1 (1/100)
執事 レベル2(49/100)UP


スキル
夢想具現 レベル2 (100/100)ー
直感 レベル4  (17/100)UP
格闘術 レベル5  (46/100)
剣術 レベル5  (100/100)ー
弓術 レベル5  (99/100)
小剣術 レベル5 (99/100)
暗器術 レベル5 (99/100)
斧術  レベル4 (97/100)
飛行術 レベル1 (30/100)UP
フォークダンス レベル5(40/100)
フォークマスター  レベル0 (40/100)
念話 レベル0 (91/100)
女たらし レベル3 (100/100)ー
サニム流マナー レベル2 (3/100)UP


取得可能スキル
素人○貞 レベル5(100/100)ー


サニム半島近隣地図
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