ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味   作:ぱちぱち

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サニム半島近隣地図

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誤字修正、踏文 二三様、桃色青りんご様ありがとうございます


第96話 私の良い人《夫》になりなさい

 ズシン、と音を立てて山巨人が地面に沈む。手ごたえは十分だった。決着はついたと考えて良いだろう。

 

 空中で軽く姿勢を制御し、着地。頭から畑に突っ込むのは流石に格好がつかないからな。この姿になってから、やけに信力の扱いがスムーズになっている気がする。今なら打出や白鳥も問題なく扱えそうだ。

 

 まぁそんな後のことは後に考えればいい。

 

 

「今は」

 

マアアアアアッ!

 

 

 俺の言葉を遮る様に、山巨人の子供が親に向かって駆けだしていった。その際にぽいっと宙に投げ出されたアリスがハサウェーさんに抱きかかえられ、周囲で山巨人の子供を囲んでいた他の冒険者や使用人たちが剣を持って山巨人の子供に切りかかろうとする。

 

 

「止めろ」

 

 

 その行動を一言。そう言って制すると、彼らはピタリと行動を止め、こちらに怪訝そうな視線を向けてくる。

 

 彼らの行動は正しい。間違いなく正しい。人類にあだ名す魔物を駆除するのは、戦える者の義務に等しいものだ。大狼とレンツェル神父という二重の楯があるサニムではあまり実感がないが、魔物によって滅ぼされた村や町は幾らでも存在する。故に人類の戦える者は、害をなす魔物と戦わなければいけないのだ。そうやって人類は生存圏を守ってきたのだから。

 

 だから、これは俺のわがままなんだ。わがままだというのは、分かっている。

 

 でも、出来ないんだ。やりたくないんだ。親の前で子供を殺す事も。子供の前で親を殺す事も。

 

 この世界の父さんが。システィを抱いた俺をドアの外へと放り棄て、背中をめった刺しにされながらドアを自分の身体で塞いでいた父さんの姿が。こと切れたまま、盗賊の足に組み付いていた母さんの姿が。

 

 親に比べたら小さな体で、精一杯母親をかばおうとする山巨人の子供を。両腕を使えなくなったのに、芋虫のように体を這わせて子供を庇おうとする母親の姿に、二人の姿が頭を過るんだよ。

 

 

「ハサウェー」

 

「おう……アンタ、タロゥ、で良いんだよな?」

 

「今は金太郎、だ。ロゼッタを呼んでくれ。こいつらについて話がしたい」

 

「ここにいるわよ」

 

 

 声のする方へ視線を向けると、折角のドレスを畑の泥で汚しながらロゼッタがこちらに歩いてくる。まぁ、俺の血で汚れてるんだから今更か。後で番頭さんに怒られるだろうな、とつい湧き上がる苦笑をかみ殺しながら、彼女に話しかける。

 

 

「こいつらの出した損害は、どれくらいだ」

 

「家畜が5頭に、畑かしらね。幸い冬とはいえ、これだけ畑がぐちゃぐちゃだと直すのも大変だわ。あとは、先行した護衛達の被害次第かしら。まぁ、彼らは体を張るのが仕事だけどね」

 

「その補填、俺が払う」

 

 

 口にくわえていたタバコを深く吸い、煙を吐き出す。残ったタバコを信力に変換して処理をした後、ロゼッタを見る。

 

 

「こいつらが出した被害は俺が肩代わりする。代わりに、こいつらを俺にくれ」

 

「……どうする気?」

 

「テイマーって技能がある。こいつらは、俺が飼う」

 

 

 恐らく出来る筈だ。先ほど、山巨人の母親と俺は確かに念話で互いの感情をぶつけ合う事が出来ていた。意思疎通が可能なら、互いの格付けが済んだ今なら、山巨人の親子に俺がボスだと認識させることが出来るはず。

 

 俺の言葉に、ロゼッタは目をぱちくりとさせた後、小さく息を吸って、吐き出した。何かを言おうとして、途中で止めたらしい。

 

 

「良いわよ」

 

「そうか。助かる」

 

「この村への補填は、イールィス家が。ロゼッタ・イールィスの名で責任をもって行うわ。ただし、討伐に行った護衛に被害が出てる場合はその限りじゃないわ。人を殺した魔物は、駄目よ」

 

「ああ、それは勿論なんだが……」

 

 

 ロゼッタの言葉に頷きを返しておく。人を殺す事を覚えた野生の獣は、駆除するしかない。それは揺ぎ無い事実でもある。もし討伐隊に被害が出ているなら、その時はその時だ。

 

 ただまぁ、その心配もどうやらいらないようだけどな。

 

 

「どうやらこっちよりも元気一杯みたいだぜ」

 

「……どうやら、そうみたいね」

 

 

 森を見ながら言った俺の言葉に、ロゼッタが脱力したようにそう応える。森の方から、慌てたように走ってくる討伐隊の姿が目に入ったからだ。

 

 まぁ、あっちの部隊は傭兵団全員がフル装備で、しかも抱え大筒なんて兵器まで持ち込んでたんだ。あの叫びは、確かに初見殺しだったが覚悟が決まってれば耐えられない事もない程度のものだった。準備万端整えていた討伐隊といきなり村を襲われた居残り組じゃ事前の備えも心構えも違うだろうしな。

 

 いや、もしかしたらあの叫びを喰らって咄嗟に大筒で撃退したって考えた方が自然だろうか。万全の状態で狙い撃っていたなら、左腕じゃなくて胴体か頭に当ててる筈だろうしな。それで山巨人は泡を喰って逃げ、その際に近くにあった餌場、この村へやってきたって所か。

 

 戦闘のプロとしてそこで仕留めるべきだろ、と思うが。まぁその辺の評価は俺じゃなくダリルウさんやロゼッタがやるだろう。今、この場に至っては意味のない仮定だ。

 

 

「じゃあ、ロゼッタ。さっきの話の通り」

 

「分かった。ロゼッタ・イールィスの名に懸けて、この村の復興を約束するわ」

 

「恩に着る」

 

「恩なんて着なくていいから」

 

 

 俺の言葉に応えながら、ロゼッタは俺の手をぐいっと引っ張った。パチン・コ流の無手の技の一つだ。咄嗟の事に思わずたたらを踏んで体勢を崩した俺の首にロゼッタは手を回す。

 

 

「私の良い人()になりなさい」

 

 

 そして、少しの間俺の目と視線を合わせた後。ロゼッタは顔を近づけて、俺と唇を合わせる。

 

 たっぷりと十数秒。衆人の前で唇を交わした後。ロゼッタはほうっと息を吐きながら唇を離し、俺の胸元へ顔を埋める。

 

 

「家族以外で、唇を許したのはアンタが初めてなんだから。責任、取りなさいよ」

 

「お前からしてきたんじゃねぇか」

 

 

 とんでもない責任を押し付けてきたロゼッタにそう口頭で文句を伝えるも、ロゼッタは聞く耳を持たず顔を俺の胸に押し付け続ける。え、俺まだ8歳なのに人生の墓場に入るのか?

 

 周囲に助けを求めるように視線を向けるも、ハサウェーさんはウィンクをして右手の親指を立てているし帰ってきたばかりのメロネーさんはなにがなんだか分かってないし、ザンムは元の体格に戻ってるけど楽しそうにぱちぱちと拍手をしている。刺されなかっただけマシじゃんって?

 

 お前は俺をどういう目で見てるんだよ。

 




タロゥ(8歳・普人種男) 

生力??
信力??
知力??
腕力??
速さ??
器用??
魅力??
幸運??
体力??


技能
市民 レベル3 (100/100)ー
商人 レベル3 (100/100)ー
狩人 レベル3 (100/100)ー
調理師 レベル3 (100/100)ー
地図士 レベル3 (100/100)ー
薬師  レベル3 (40/100)
我流剣士 レベル5 (100/100)ー
木こり レベル2 (70/100)
楽士 レベル3 (35/100)
教師 レベル3 (38/100)
パチン・コ流戦闘術 レベル6 (39/100)UP
テイマー レベル1 (52/100)UP
絵師 レベル3 (51/100)
語り部(紙芝居) レベル5 (58/100)
水兵 レベル1 (1/100)
執事 レベル2(49/100)


スキル
夢想具現 レベル3 (25/100)UP
直感 レベル4  (50/100)UP
パチン・コ流格闘術 レベル6(40/100)UP
パチン・コ流武器術 レベル6(40/100)UP
飛行術 レベル1 (50/100)UP
フォークダンス レベル5(40/100)
フォークマスター  レベル0 (40/100)
念話 レベル1 (38/100)UP
女たらし レベル5 (37/100)UP
サニム流マナー レベル2 (3/100)


英雄スキル
夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)
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