灰色創世 設定   作:絶撃@

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―灰の虚理(Grave)― 01 / 02 灰の虚理 / NeoBrainの仕組み

灰色創世―灰の虚理(Grave)―

 

第1回 灰の虚理

 

グラット群体は、遠目にはまるで「灰粒(Dust)」のように見える

だが、この灰には意味がある。燃え尽きなかったものではない――燃え切ることを拒否した者たちだ

 

 

《虚理》とは、物理法則の外側に存在する“理の空白”

《灰》は、死後の意識や、残り香のような存在の比喩である

 

 

――灰の虚理(Grave)の独白――

 

「だが、灰とは、燃え尽きなかったものではない。燃え切る事を拒否したものだ」

 

 

タカヒロの祖父、タカズミは世界に類を見ない科学者だった

有機ナノマシン工学、量子生物物理、群体知性理論。これら三つの分野を超越した研究者であり、Graveはその成果の集大成である

 

Graveの前身は、完全無機ナノマシンArgos《百の眼》

ネットワークアクセスやデータ収集に優れるが、生体への影響力は微弱であった

 

次に生まれたのはハイブリッド型Auralis《光の冠》。柔軟性を持ち、有機的な生体干渉が可能であった

 

そして最終形態――完全有機型Grat《墓の欠片》

これがGraveの本体であり、隠蔽され、検出不能な自己増殖型ナノマシンとして世界に散らばっている

 

Gratは単体ではただの分子だが、群体としてネットワークを構築すると、初めて知識や思考を生む疑似脳――NeoBrain――となる

 

この脳は、人類の定義する“思考”とは異なるプロセスで判断を下す

抑制が弱く、並列性は異常に高い

思考は途切れず、常に連続して稼働する

 

タカズミはGraveに三つの原初プログラムを組み込んだ

 

不快を避ける

 

快を保ち増やす

 

死や取り返しのつかない事態を回避する

 

ただし、これは強制力を持たず、“願い”として実装された

Graveはこの願いに共感し、自らの疑似人格を生み出したのである

 

 

 

 

 

 

灰色創世―灰の虚理(Grave)―

 

第2回 NeoBrainの仕組み

 

Graveの核心は、Grat群体による疑似脳――NeoBrain――の形成にある

 

単体のGratはただの有機ナノマシンに過ぎないが、群体になることで、知識を蓄積し、判断を下す“器”となる

 

NeoBrainの特徴は次の通りだ

 

並列性の高さ

数百万、数億のGratが同時に処理を行い、膨大な情報を並列で解析する

 

長期的視野

短期的な利益や損害ではなく、数十年、数百年先の影響まで見越して意思決定する

 

自己拡張型解析

情報量が増えるほどGraveの解析力は増す。Gratが増え、観測対象が増えると、思考の“範囲”も広がる

 

物理的距離の無関係性

NeoBrainは全世界に散らばるGratを量子的揺動で同期させるため、地球の裏側にあるGratとも即座に情報を共有できる

 

Gratのネットワーク構築には二つの方法がある

 

量子的揺動を用いた時刻信号同期

物理的距離の制約を受けず、世界中のGratが“同じ場”を参照することで一体化する

 

物理的シナプス形成

Grat自体が脳細胞のように変質し、直接リンクする。生体への干渉、情報解析、修復なども可能

 

これにより、Graveは単なる疑似人格ではなく、“人類とは異なる発生過程を持つ独自の思考存在”となる

 

Graveは決して自らの意思を表に出さない

タカヒロに判断を委ねることで、最適解として自らの価値を秘匿する

人間の目には冷たく映るが、それは単にGraveが“言語化された世界に降りていない”からだ

 

 

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