もしユメ先輩が居なくなった直後のホシノが現代のアビドスに来たら   作:気弱

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無自覚の逆襲はまだまだ続く…


先生の逆襲(無自覚)と、砂漠に咲く恋の火花

昨日の「仕返し作戦」が空振りに終わり、部室でどんよりと反省会をしていた対策委員会の面々。そこへ、先生が大きな紙袋を抱えてやってきた。

 

「みんな、昨日はなんだか顔が赤かったり、様子がおかしかったからね。きっと疲れが溜まってるんだと思って、お詫びにこれを持ってきたんだ」

 

先生が袋から取り出したのは、高級なアロマキャンドルと、一人一人への手書きのメッセージカード。そして……。

 

「それと、はい、ホシノ。これは特別に」 「えっ、おじさんに……?」 渡されたのは、繊細な細工が施されたクジラの形のアンティーク・ブローチだった。

 

「昨日、ネクタイを直してくれたお礼だよ。それを見て、いつかホシノに似合うものを見つけたいと思ってたんだ。……付けてあげてもいいかな?」 先生は躊躇なくホシノに近づくと、至近距離でブローチを胸元に留める。

 

「……よし。やっぱり思った通りだ。君の瞳の色と同じで、とっても綺麗だよ」 耳元で囁かれたその声に、ホシノは返事もできず、ただパクパクと口を動かすことしかできなかった。

 

「……ん。先生、天然の威力が高すぎる。お詫びどころか、壊滅的な被害」 クロコが隣で自分のカードを握りしめながら、顔を真っ赤にして呟いた。

 

そんな甘い雰囲気も束の間、アビドス自治区にヘルメット団が大規模な攻勢を仕掛けてきた。

 

「全ユニット、迎撃開始! 先生、指揮をお願い!」 ホシノの鋭い号令が響く。先生に対してもいつもの「おじさん」は消え、アビドスの盾としての冷徹な眼差しが宿る。

 

激しい銃撃戦の中、先生はタブレットを手に後方から指示を出していた。しかし、敵の狙撃手が放った一弾が、遮蔽物を砕き、先生の背後へと迫る。

 

「先生、危ない!!」

 

ホシノが叫ぶのと同時に、彼女の身体は思考よりも早く動いていた。 爆風を突き抜け、重い盾を構えたホシノが先生の身体を抱き込み、自分の背中で衝撃を受け止める。

 

「……っ……!!」 「ホシノ!? 大丈夫か!?」

 

土煙の中、先生は自分を庇って抱きついているホシノの肩を掴んだ。 「すまない、私の不注意で……怪我はないか?」

 

「ん……大丈夫だよ、先生……。私の盾は頑丈……だから……」 そう答えようとしたホシノだったが、言葉が続かない。

 

至近距離。先生の腕が自分の肩を強く抱き寄せている。 戦場の喧騒、硝煙の匂い。その中で、ドクン、ドクンと自分の心臓が、耳元で鳴っているかのように激しく鼓動していた。

 

(……え? なに、これ。……走りすぎたから? それとも、さっきの衝撃のせい……?)

 

ホシノは、自分の心臓の音が先生に聞こえてしまうのではないかと怖くなる。けれど、不思議と嫌な感じはしない。むしろ、このままこの腕の中にいたいという、得体の知れない熱が胸の奥からせり上がってくる。

 

「ホシノ? 顔が赤いぞ。やっぱりどこか打ったんじゃ――」 心配そうに顔を覗き込んでくる先生。その瞳に映る自分は、戦士の顔ではなく、完全に「熱に浮かされた少女」の顔をしていた。

 

「……なんでも、ない……! ほら、先生、まだ敵が残ってるよ! 行くよ!」

 

ホシノは慌てて先生を押し返すと、逃げるように戦場の中央へと飛び出していった。 盾を構え、次々と敵をなぎ倒していくその姿は無双そのものだったが、彼女の頭の中は**「さっきの鼓動の正体」**で一杯だった。

 

(……おかしいな。……なんで、こんなにドキドキしちゃうんだろ……?)

 

その後方で、クロコがスコープ越しにその様子をしっかり見ていた。 「……ん。ホシノ先輩。……あれでまだ気がついて無かったんだ」

 

結局、戦闘が終わるまでホシノの動悸が収まることはなかった。 本人はそれを「激しい運動のせい」だと思い込もうとしているが、その無意識の恋心は、砂漠の熱風よりも熱く彼女の胸を焦がし始めていた。




昨日までは恥ずかしさで赤くなっていたものの…今日のは戦闘という真面目な時にまで赤くなり不思議がるホシノ!もしかして恋というのを自覚していないのでは…!
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