もしユメ先輩が居なくなった直後のホシノが現代のアビドスに来たら 作:気弱
戦闘が終わった日の夜。 ホシノは部室のソファに寝転んでいたが、どうしても落ち着かなかった。胸元に手を当てると、昼間のあの感触――先生の腕の重みと、自分の激しい鼓動が、昨日のことのように蘇る。
「……んー。おじさん、やっぱり体力落ちちゃったのかなぁ」
「あれ、ホシノちゃん。そんなに難しい顔してどうしたの?」 ひょいっと顔を覗き込んできたのは、ユメ先輩だった。
「あ、ユメ先輩。……あの、ちょっと相談があるんだけど。今日、戦闘中に先生を助けたでしょ?」 「うんうん、カッコよかったよ!」
「その時、……なんだか心臓が、見たこともないスピードで暴れ出しちゃって。私さ、もう現役引退かなってくらい、ずっとドキドキが止まらなかったんだよね。これ、やっぱり激しい運動のしすぎかな?」
ホシノの真面目な「健康相談」を聞いて、ユメ先輩は一瞬ポカンとした後、吹き出すのを必死に堪えた。
「……ぷっ。あはは! そっか、不整脈を疑っちゃうんだ! それはね、ホシノちゃん……体が先生に『もっと近くにいたい』って言ってる証拠、つまり『恋』なんだよ」
「こ、恋……!? 私が!? 先生に!?」 ホシノは跳ねるように起き上がった。
「な、何を言ってるのさ! 確かに、前におじさん『先生大好き』って言ったよ!? でも、それは先生と生徒っていうか、信頼できる大人としてっていうか……とにかく、そういう親愛の証だし!!」
ホシノは身振り手振りを交えて必死に弁明する。 「おじさん、嘘はついてないよ!? 先生は大切だし、大好きだし、ずっと一緒にいたいけど……でも、それは一人の女の子としてなんて、そんな……!」
「ホシノちゃん。おじさんって言いながら、顔が茹でダコみたいに真っ赤だよ?」 ユメ先輩はニヤニヤしながら、ホシノの耳元で囁く。
「『大好き』の種類が変わる瞬間って、自分でも気づかないものなんだよ。……ほら、今先生のことを思い浮かべてみて。……さっきの『大好き』と、今のドキドキ、本当に別物かな?」
「それは……。……ん。……っ/////」 ホシノは言い返そうとして、言葉を飲み込んだ。 自覚したくなかった。あの時口にした「大好き」という言葉の裏側に、いつの間にか、もっと熱くて、もっと独占欲の強い「別の想い」が混ざり始めていたことに。
「……私……嘘つきだ…………」 ホシノは再びソファに沈み込み、顔をクッションに埋めた。 あの時伝えた「大好き」という言葉が、今の自分にはあまりにも眩しすぎて、直視できない。
「うぅ……。ユメ先輩、これ、先生に言ったらダメだよ……。絶対だよ……」 「わかってるって♪ でも、クロコちゃんたちにはもうバレてると思うけどねー」
「えっ!? ちょっと、みんな――!」
ホシノが慌てて部室を見渡すと、ドアの影からクロコとシロコがじっとこちらを見ていた。 「……ん。先輩。……『大好き』の定義、更新中?」 「ん。バレバレ」
「わあああああああ!! もう寝る! おやすみなさい!!////」
ホシノは今日何度目かわからない全力疾走で、シュラフへと潜り込んだ。 自分の放った言葉のブーメランに、のたうち回りながら。
いつもコメントしてくださるmorikado様、本当にありがとうございます!!
2月1日の投稿分まで書いてしまっているのでそのお話を投稿した後にアイディアを使わせてもらいますね!
もし他の方もこんな事をして欲しいなどがあったらどんどんコメントしてくださいね