もしユメ先輩が居なくなった直後のホシノが現代のアビドスに来たら   作:気弱

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砂漠の夜に、青いクジラが踊る

(ひゅうう)

 

ホ「……」

 

寒さが体に染みる

少しは厚着をしているはずなのにまるで服が意味をなしていないかのように風を感じる

 

何故今私は1人でこんな所を歩いているのだろうか

 

(1時間前)

 

ホ「…♪」

 

学校に向かっている途中、珍しく私は気分が良かった。初めて食べたラーメンの味…そしてセリカが私に心配して言ってくれた言葉…ユメ先輩が居なくなって初めて心に染みた1日だったからだ

 

まだユメ先輩をはやく探したいって気持ちはあるけど…こっちの私いわくあちらの時間とこちらの時間は影響がないみたいでそこだけは安心できた

 

今日はどんなことをするのだろう…たまには私も先輩らしく稽古をつけてあげるのもいいかもしれない。とにかく今日はみんなとなんだかはやく会いたい

そんな気持ちを抑え、いつものポーカーフェイスに戻しながら扉を開ける

 

ホ「おはようございます」

 

ノ「わっ!?ほ、ホシノ先輩!?」

 

セ「お、おはよう!やっぱりホシノ先輩が時間通りなのはしっくり来ないわ」

 

シ「ん、おはよ」

 

ア「お、おはようございます!」

 

ホ「?」

 

扉を開けるとシロコ以外何故かみんな慌てたような表情をしていた

何かしていたのかな

 

ホ「なにかしてたの?」

 

シ「ん、先輩のた 」

 

セ「な、なんでもないから!!」

 

シ「んぐんぐ」

 

ノ「ごっごめんなさいホシノ先輩!今日の夕方にまた来てもらえたり出来ませんか!?」

 

ホ「えっいやでも…定例会議の日じゃ…」

 

ア「大丈夫です!今日はお休みなので!」

 

ホ「っ!」

 

グイグイと背中を押され教室を追い出されるような形で外に出る。なにか隠し事をしているような感じはするけど何をそこまで隠そうとしているのか全くわからない。私がいたら駄目な話し合い……少し信用し過ぎ…たのかな…

 

(現在)

 

学校をあとにし、とぼとぼと目的もなく歩き続けた結果…無意識に高いところに行ってしまっていた

昨日はあんなに私のことを歓迎してくれて心配してくれたのにあんな風に追い出されたら流石の私も傷ついてしまう

 

ホ「はぁ…」

 

無意識ため息が出る…まぁ夕方には何あるみたいだけど…何をしているのだろうか

 

?「…ん、ホシノ先輩?」

 

ホ「その声は…シロコせ…え?」

 

突然後ろからシロコ先輩の声が聞こえ、振り返ると

そこにはシロコ先輩の面影はあるものの身長は170に近いくらい大きくなっておりこの寒さにも構わず薄着…しかも1番は明らかに体がさっきみたシロコ先輩より(胸が)大きくなっていることだ

 

ホ「っ! 」

 

慌てて背中に携えていたショットガンを取り出し構える

本当にこちらに来てから反応速度が落ちているのではないか心配になるくらい後手後手に回っている気がする

 

?「落ち着いて、私に敵対意思はないのは分かってるはず」

 

ホ「…そうやって何度も騙されてきた。お前が正体を明かさない限り向け続ける」

 

?「…」

 

ホ「?」

 

私がそういうと何故か悲しそうに目を泳がせた

 

?「ん…多分…体は今のホシノ先輩だけど中身が違う感じ…であってる?」

 

ホ「そうらしい」

 

?「それじゃあ自己紹介だけする。砂狼シロコ、こことは違う時間のシロコ」

 

ホ「……私以外にも…?」

 

ク「まぁ分かりやすくクロコって呼んでもいい」

 

ホ「……クロコ」

 

ク「…ん、それでも信用出来ないならこれを被って銀行強盗…を」

 

ホ「まって、信じるからそれはやめて」

 

私が紹介が終わっても怪しんでいるとどこからか数字が書かれた青いフードを取り出し物騒なことを言い始める。この突拍子もない事を言い始めるのは砂狼シロコくらいなものだろう……多分

 

それにしても私と一緒で違う時間から来ている人がいるなんてセリカ達には聞いてない…もう少し情報を集めないといけないかな…それにクロコの目は何故か分からないけど他人とは思えない

 

ホ「私はクロコの事をあまり知らないから教えて欲しい」

 

ク「ん、分かった」

 

そこからの話は驚きの連続だった

元の世界では私を○して他のみんなも居なくなってしまい色彩というものに触れた結果ギヴォトスを滅ぼしてしまったこと、その際に先生も同じく色彩によって変化させられこちらの世界に来てしまったこと

そしてこっちのみんなの力によって助けられたこと

 

こんな話を全く状況を知らない私が信じる方がおかしい。

……普段なら…

 

ホ「…クロコ大変だったんだね」

 

ク「ん、先生やみんなのおかげで立ち直れた」

 

嘘だ

そう私の勘は叫んだ。それならなんでそんな悲しそうな顔をするの?

 

ク「……本当はまだ立ち直ってる途中、でも前よりは大丈夫だから」

 

ホ「…クロコがそう言うなら…そうなんだね」

 

ク「ホシノ先輩はなんで1人でここにいるの?」

 

ホ「私も別の時間から来たみたいでさ、昨日はみんな歓迎会を開いてくれていたのに今日学校に行ったら追い出されて…やっぱりこの時間の私じゃないからかな」

 

ク(……今日って確か…なるほど)

 

ホ「はぁ…」

 

クロコが何かを考えてるような素振りをするも自分の事で手一杯な私には全く気が付かなかった

 

ク「ん。それじゃあこの後暇なんだね」

 

ホ「まぁ夕方まではね」

 

(ジャキッ)

 

ホ「え?」

 

突然腰にかけていたアサルトライフルを私に向けるクロコ

先程まで話していた事もあってかまた反応が遅れてしまった

 

ク「ん、安心して。闇討ちじゃない」

 

ホ「…じゃあなに?」

 

ク「今のホシノ先輩は知らないと思うけど私はホシノ先輩に勝負を仕掛けることがあった」

 

ホ「……」

 

ク「だからこれもその一環、まぁ遊びって思っていいよ。気持ちがモヤモヤしてるんでしょ?」

 

ホ「…そういう事か」

 

たしかに…私がこんなに呑気にしているのは性にあわない。それこそヘルメット団の基地に行って暴れ散らかした方が私にはあっている

 

ホ「(時間移動の)先輩に胸を借りるつもりで行きますよ」

 

ク「ん、望むところ」

 

その言葉と同時に引き金を引き、勝負が始まった

私が今までに戦った人の中で多分1位だと思えるほどクロコは強かった

 

確実に隙を突いた、そう思った攻撃はまるで予測されているかのように防がれるかいなされ代わりにカウンターを食らってしまう

 

多分私との戦い方を熟知しているのだろう、それも今の私だけじゃなくて過去の私と似たような戦い方をしてる時でさえ

 

ホ「はぁ…はぁ…」

 

ク「………」

 

勝負の決着は明らかだ。私は息を切らしているにも関わらずクロコにはそんな様子がない

 

ク「ん、今回は私の勝ち」

 

ホ「……初めて負けた」

 

ク「情報の差で勝っただけだからあまり嬉しくない」

 

無表情の顔に少しだけムスッとした顔をするクロコに私は本当にそれだけで負けてしまったのか?と思ってしまった

たしかに情報の有無は勝敗に決することが多い…だけどこれはあまりにも違う気がする

 

ホ「はぁぁぁ」

 

疲れた体を地面に倒す。さっきまでの熱量のせいで冷えきった地面が気持ちいい

 

ク「ん…ホシノ先輩、今日はありがと」

 

ホ「ううん、私こそありがとう。少しは気分が晴れたよ」

 

ク「それと…これ、あげる」

 

ホ「これは…?」

 

どこから取り出したのか分からない小さな袋を手渡される

「ん、銀行強盗とかで盗んだお金とかは使ってないから安心して」って言われたけどそれはそれでどんな発言なの

 

ク「ん、袋を開けるのは学校に帰ってからしてね」

 

私が袋を開けようとすると何故か止められた

 

ク「そろそろ時間でしょ?」

 

ホ「え?…あっ本当だ!もうすっかり暗くなってる!?」

 

ク「私はもう帰るね」

 

ホ「うん、また今度ね」

 

どれだけ集中していたのか当たりはもう既に真っ暗になっていた

ガバッと起き上がりクロコに別れを告げ、学校に向かって走り出す。

 

ホ「はぁ…はぁ…あれ…暗い… 」

 

指定された時間より少し遅れたものの…何故か既に教室の中は真っ暗になっていた

もしかしてみんな…私が来るのが遅かったから帰ってしまったのだろうか

 

(ガラッ)

 

シロコ、アヤネ、セリカ、ノノミ「お誕生日おめでとうございます!!」

 

ホ「!?!?」

 

私が中に入ると突然電気がつき、クラッカーが鳴らされた

突然の事で何が何だか分からなくなり頭の中で情報処理が遅れてしまった

 

シ「ん、やっぱり気がついてない 」

 

ア「今日は1月2日…先輩の誕生日ですよ!」

 

セ「ふふふー薄情な現在の先輩と今の先輩のプレゼントはちゃんと分けてますので安心してくださいね!」

 

ノ「えっ!?先輩!なんでこんなに傷だらけなんですか!?喧嘩はメッ!ですよ!」

 

ポカンとしている私を他所にみんなは話を続けていた

ゆっくりと後ろの方をむくとたしかにケーキや美味しそうなご飯が並んでいるけど…

 

ホ「で、でも…借金で大変なのにこんな…」

 

ノ「ふっふっふー…お金のことなら気にしないでください!」

 

じゃーんと言いたげにポケットから金色のクレジットカードのような物を取り出すノノミ先輩

あれって相当使えるカードだったんじゃ

 

ノ「ホシノ先輩の教えで借金の返済には使えませんが…こういう時には私に任せておいてください!」

 

ア「それともう1つ…これは先生からです!ホシノ先輩!外を見てください!」

 

アヤネに背中を押されて窓の方に行くと何かスマホで合図を送るアヤネ

それと同時にグラウンドから何かが打ち上がる

 

ホ「!」

 

ぱん!と音が鳴ると夜空には青いクジラのような花火が打ち上がった

 

ア「どうですか!先生がホシノ先輩が喜びそうな物を渡したくて色んな人に頼み込んだみたいですよ」

 

セ「まぁ近所の迷惑とかも考えて1回しか打てないのが悲しいとこね…朝から先生がなんとか近所の人たちに駆け回って許可取りしてたけど…」

 

シ「ん、でも綺麗」

 

今の私はクジラが好きだということをみんなにちゃんと伝えられるような仲なのか

…こんなに綺麗な花火を見たのは2回目だけど…やっぱり良いね…

 

セ「そういえばホシノ先輩、その袋はなんですか?」

 

ホ「あっこれは…クロコって子から」

 

ア「!?」

 

花火のおかげで忘れていた。もう1つの大事なプレゼント

帰ってから開けてって言われたし今ならいいよね?

 

ゆっくり袋を開けるとそこには7個、同じクジラのキーホルダーとメモが入っていた

 

シ「ん、読むね…「ホシノ先輩へ、実は貴方が違うホシノ先輩なのは先生から聞いて知ってた。だからこれは今のホシノ先輩と普段のホシノ先輩の分、そして先生の分…みんなとお揃いのキーホルダー。付けてくれたら嬉しい」だって」

 

セ「シロコ先輩なのにまとも…!」

 

シ「私だってまともなもの渡せる、弱シロコには負けない」

 

ア「それを聞いたらテラーの方のシロコさん怒りますよ」

 

「おーい!花火どうだったー!?」

 

そんな話をしていると息も絶え絶えの先生が教室に入ってきた。この大人は…本当に私のことをよく見ていてくれている…全く信用出来ない大人ばかりだと思ったのにこの人だけはなんだか人を惹きつける力を持っている気がする

 

ホ「とても、綺麗でした…ありがとうございます」

 

「!」

 

シ「ん、ホシノ先輩がデレた」

 

セ「これがツンデレってやつなのね」

 

ア「セリカちゃんがそれを言いますか…?」

 

ホ「う、うるさい!////」

 

「良かった…それとこれも渡しておきたくてさ」

 

そういうと先生はポケットから何かのチケットのような物を取り出した

 

「明日、みんなで水族館に行こう 」

 

ホ「!!」

 

セ「急ね!?」

 

「ま、まぁ色々訳があるからさ…」

 

本当にこの人は…でも

 

ホ「本当に…ありがとうございます…♪」

 

ユメ先輩、見てますか?あんなに嫌いだった大人の人にも…いい人がいるって分かりました

…本当に先輩の言う通りだったな

 

明日の水族館、楽しみ




ssを書き始めた頃にホシノの誕生日に被ってしまった…まぁこれを書きたくてブルアカのSSを始めたまでもあったりします()

とりあえずホシノー!遅れたけど誕生日おめでとうー!
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