クロスアンジュ天使と竜の輪舞 ~黒百合~   作:誤字脱字

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全開、エロリストを出す予定で書いていましたが……でません。

すみませんでした(土下座)





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黒百合とドラゴン
第十一話 黒百合とドラゴン


建物にコケが生え茂り荒廃した廃墟の一角に、黒い機体は佇み、操縦者である青年は、通信から漏れる声に答えながらも修理の手を休めずに動かしていた

 

『アンジュリーゼ様の安否が心配でなりませんわ…ご無事でいればよろしいのですが…』

「……『ノーマ』一人に対して心配し過ぎだ。落ち着け」

『そもそもアンジュリーゼ様が『ノーマ』だと言う事も何かの間違いに決まっていますわ!各諸国に通達しアンジュリーゼ様の身の解放を考えなくては…』

「話を聞いていたのか?落ち着け…」

 

通信相手は、護衛対象である少女……彼女は事ある度に俺に通信で愚痴や意見を勝手に伝えてくるのだ

 

『何を呑気な事をっ!今この時ですらアンジュリーゼ様に身の危機が迫っているというのに!』

「…『ノーマ』を収納する場所はそんなに危険な場所なのか?」

「えっ!?い、いえ、例えばです!例えばっ!」

 

お嬢様は、秘密にしたい事があるのなら口を閉ざしておいた方がいいな?

事情を知っている者が聞けば世界を守る為、未知の生物であるドラゴンと戦う事が『ノーマ』には義務つけられているとわかるが、事情を知らない第三者から見れば王族が『ノーマ』に肩入れをしているようにしか聞こえない

 

『……貴方には話しておいた方が良さそうですわね』

 

なにやら深く考えて口に出してきたと思えば、一介の護衛に世界のトップシークレットを話すつもりなのか?……随分と信頼された様だな

 

「雰囲気的に通信ではない方が良さそうだな…………休暇明けに直接聞く事にしよう」

『休暇明け……後3週間後ですか……フェスタには間に合いますね。わかりましたわ、その時全てお話しします』

 

……フェスタと言うモノは、知れないが俺の知っている情報以上の事が聞けるかもしれない。ここは下手に出ていた方が吉だな

 

「了解した。……それまでには帰らせてもらうさ」

 

そう言ってブラック・サレナの通信を切り、辺りを見渡す……崩れ落ちた陸橋、コケや木々が侵食したビル並木、それだけではない、俺の記憶と酷似する面影がある建物や交差点は……

 

「東京、なのか?ここは……」

 

前世で生贄に選ばれる前に住んでいた町……東京であった

 

 

クロスアンジュ天使と竜の輪舞 ~黒百合~

 

第十一話 黒百合とドラゴン

 

 

お嬢様、いやここは、雇い主と言った方がいいだろう。暫くの休暇と休学届を貰った俺はエアリア部に専念していた為に活動出来なかったテロリズムの遅れを取り戻す為に盛んにテロを行い、主に政府関係者を狩り取っていった

アンジュリーゼの『ノーマ』発覚のせいで警備が厳重になってしまっているミスルギ皇国を除いて大国4ヶ国は、いま絶賛収穫時期であり、この気を逃さないとばかりに死亡者スコアを稼いでいった

理由は、ごく簡単なモノで、どの国も皇家からの『ノーマ』の輩出に敏感になっている様子で疑心暗鬼に陥っている家が多いのだ

 

アイツも『ノーマ』なのではないか?そう言えばアイツは『マナ』を使わないな?と言ったくだらない疑いに互いが牽制し合ってテロに対する警戒心が薄れているのだ

 

そんな王家や貴族を殺すのは至って簡単でアンジュリーゼの名前を使い、『アイツはアンジュリーゼと繋がっていた』とデマの情報を流して検疫官と一緒に検挙しに来たところを爆破物で一掃

 

最初はあまり期待はしていなかったが、思いのほか貴族が多く釣れたのが印象に残る。

態々出てこなくていいモノを、あざ笑う為、もしくは真偽を問う為に高確率で現場に赴く奴らは、相変わらず『マナ』に頼り切った生活をしている為、原始的な兵器である爆弾や銃弾に対する抵抗が少なく、『マナ』の認識を阻害する効果を施しておけば、蜜に群がる虫の様に集まってくるのだ

 

それが自身に近い身分の者であればあるほど釣れる確率は高くなった

国の運営、政治力に関わる王家や貴族を殺せる事は目的である『贄稼ぎ』の他に『ノーマ』への風当たりを緩和させる効果もあり、一石二鳥。俺にとってメリットしかないテロリズム。それも簡単に殺せると言う事もあって調子に乗って殺しまくった………そう調子に乗ってしまったのだ

 

今回も国の重役を多数殺せた喜びから意気揚々と帰還しようとしたが……奴らが現れた

 

ドラゴン―――

世間には知らされてはいない未知の生物。ゲートと呼ばれる次元の穴から侵略してくる

奴等は、何故かは知らないがあの時、海からの奇襲で俺に襲いかかって来たのだ

 

運悪く、次元跳躍システムを起動させていた俺は、いきなりの奇襲を受け跳躍に対して重大な『イメージの固定』を蔑ろにしてしまい――――飛んでしまった

 

そして目の前には、廃墟と化した町。跳躍先は、ミスルギ皇国近海の拠点にしていた筈なのに見知らぬ土地へと転移してしまったのだ。直ぐに跳躍し直そうとしたが―――不運な事は続き不完全な跳躍は、ブラック・サレナの跳躍システムに支障を与え一時的に跳躍が出来なくなってしまったのだ

 

「……伝達回線のオーバーヒート。幸い、飛行機能は問題ないが、問題は跳躍するエネルギーが不足している所か……」

 

伝達回線は、一日で自己修理できるレベルだが、エネルギーの方は、ほぼゼロに近い状況にある為、持ち前の発電機を使用しても最低10日は動けそうにない

 

「お嬢様との約束の日までには間に合うと思うが、最低10日はサバイバル生活をしなくてはいけないのかよ」

 

ブラック・サレナはもとより奇襲用のパラメイル。緊急時の予備パーツや発電機が備えられていても生活用品は備えられてはいない。食料も心寂しい3日分の携帯食料と水……どうやりくりしても足りないのだ

 

……こんな事になるのなら弾薬を減らして非常食をもっと積んでおけばよかった

 

「起ってしまった事を悲観しても仕方がない。まずは現状の打破を考えなくてはいけないのだが……ここは、日本だよな?跳躍座標は些かずれてはいるが、こんな所にでる筈がないのだが?」

 

今の座標はミスルギ皇国領土内。間違っても日本に…しかも俺が知っている場所へ跳躍する訳は無いのだ。だが―――

 

「ここの風景を俺は知っている。俺の記憶にあった風景より風化してはいるが、いや緑が多いと言った方がいいか?だが……確かにここは俺の知る東京だ」

 

短命であった前世だが、住んでいた町並みは今でも覚えている。目の前の交差点も陸橋も俺が覚えていた風景に面影があるまま残っている

 

考えられる事柄は一つ――――俺が異世界から元の世界に戻ってきたと言う事

 

「だが、俺はデミウルダスとの契約で『贄』を狩り取っている最中……まだ『贄』を捧げきれてないからこの状態なのか?それとも……いや、まだ結論を出すには早過ぎる。」

 

目の前の現実に頭の思考がついていけなくなり、思考を放棄してしまう

もし、ここが俺の知る東京であればこれ程、緑に覆われてもいないし空気も澄んではいない

 

「……情報が足りない。空に上がるか」

 

俺は、次々と浮かんでくる疑問を解決させる為にもブラック・サレナで上空からの探索に乗り出たのであった

 

 

 

 

 

 

「国会議事堂……スクランブル交差点……皇居……マジかよ」

 

上空から探索するとする程、俺の知る東京を発見する事ができ、その事が、ここが俺の知る地球だと伝えて来ているようであった。しかし……

 

「……俺の知る東京はこんなにも緑で溢れてはいなかった」

 

その事が懸念材料となり、ここが俺のいた地球であるのか判断を鈍らせている

上空から探索する事で判った事は、東京に限らず地域全体……もしくは地球全体に木々が生い茂り天然資材が回復している。少なくとも東京に関しては回復していると言う事だ

 

「……見た所、光合成をしないバイオ植物ではなく天然植物。絶滅した筈の天然植物が腐敗した大地で根をはる、か」

 

有り得ない事態を目のあたりにして感動と謎が交互に湧き上がるが、時間は限られている。

更に探索を続け東京上空に限らず埼玉・神奈川と探索の境域を増やしていく、しかしそこで目にしたモノに更に驚く事になった

 

枯れていない川、太陽の光を浴びて光り輝く海、海の青さを反射して澄み渡った色を醸し出す空………姿形は見ていようが、俺の知っている地球では見る事の叶わなかった風景が次々に飛び込んできたのだ

 

「……駄目だ。頭が痛くなる」

 

もはや突き付けられる現実に思考がついて行けなくなり、休憩を取る為にブラック・サレナを近くの河原に降ろした

 

「ふぅ……川の水も澄んでいて気持ちいい。俺の知る川は枯れているか濁っているかのどちらかだと言うのにな」

 

川から水を汲みとり、水筒の中に入れていく。何気ない単純な作業であったが、前世を知っているからこそ笑みが浮かび出てしまう事もある。

見て触って感じる体験する事すべてが、失われて文献の中でしか語られていない自然との交友であり、パンク寸前であった頭を優しく冷やしてくれているようであった

 

「一旦整理するべきか……建物の風化具合から数百年単位の年数が経っている事が推測できるが……年期だけで自然あふれる大地まで回復するとは思えない、何か別の要素が関与して地球の回復を促していると考えた方がいいだろう。それに人がいない事も気にかかる」

 

ブラック・サレナの性能をフルに使い上空から探索したが、人影が一つも見つけることが出来なかった。どこかに隠れ住んでいるのなら何かしらの痕跡を見つける事が出来る筈だがそれすら見つけ事が出来ない

 

「自然は回復しているが、人類は存在しない。……デミウルダスとの契約は星を緑に戻す事であり、人類の生存は含まれてはいない。可能性としては俺が『贄』を捧げ終わった世界と言う説が、一番説得力があるのか?」

 

自分が出した答えに自分で質問をする悪循環、デミウルダスは時間操作が出来ないと過程して考えるのならこれが一番しっくりくる。だが、違う問題も浮かび上がってくるのも事実。なぜブラック・サレナは未来に跳躍してしまったのだろうか?

 

「次元跳躍システムは、「遅延波」と「先進波」を利用した空間移動、瞬間移動の様に距離の概念を無くすモノではないので『過去』や『未来』へ跳躍する事は理論上では可能だが、その為に必要なエネルギー、なにより『過去』や『未来』の明確なイメージが固められない。……あやふやなイメージで飛んで『未来』へ跳躍するなど自殺行為にも等しい行いだ」

 

想像していた『未来』が存在しない場合、次元の海を彷徨う事になり、跳躍したくても座標を固定出来ないので永遠に次元の海を彷徨う事になってしまう

 

「その分、現在地を特定できる場所へと跳躍出来たのはッ!なんだとッ!?」

 

驚き動きを止めたのは一瞬。俺は、水筒を投げ出しブラック・サレナに急いで乗り込んだ

最初は、雲の影だと思った。しかし、雲にしては早い移動速度、見覚えのあるシルエットが俺の警戒心を刺激し顔をあげてみると、あの世界で知る事になった未知の生物ドラゴンが上空を旋回していたのだ

 

「ここは、俺の知る地球ではないのか!?それにあれは大型種!……見た所、小型種を引き連れていないようだ」

 

幸い故障した伝達回線の半分は回復し、戦闘には支障は出ない。だからと言って被弾しようなら折角回復した回線がまた故障しまう可能性もある。

満足に戦闘も出来ない此方の心情など、お構い無しに旋回していたドラゴンは、紫の葉で身を彩る大木の前方に止めると呑気に葉っぱを食べ始めた

 

「……ドラゴンは雑食か?いや、今考えるのはドラゴンの生態ではない。………奇襲を仕掛け、敵の機動力の要である翼を破壊する」

 

音無くゆっくりと浮遊し、食べる事に夢中になっているドラゴンに近づくが、相手は此方に振り向こうともしないで何か使命感を帯びたかの様に食事を行っていた

 

「好都合だ、仕掛ける。3…2…1…0ッ!」

 

狙いを定めた銃弾はズレる事無くドラゴンの翼に着弾し、翼膜に風穴を開けていく

ドラゴンの咆哮が鳴り響く、それは悲鳴なのかそれとも仲間に助けを求めているのか断定は出来ないが俺のする事には変わりない

 

撃ち出す弾丸を翼から体へ、そして頭へと向けていく

案の上、機動力を奪われたドラゴンは地面を這いずり回る事しか出来なく、容易に弾丸を当てる事ができたが、必死に頭だけは守ろうとボロボロな翼で頭を隠し直撃を防いでいた

 

「中型種でドラゴンが異常に打たれ強いのは確認した。だが、頭を撃ち貫けば抹殺は容易だろうと思っていたが……人間染みた行動をするモノだな。ならば!」

 

DF(ディスト―ションフィールド)を纏い、なおもハンドガンを撃ち続けながら一気にドラゴンへと突撃する

 

DF(ディスト―ションフィールド)を纏った状態での頭部への突撃、殺すまで行かなくても翼を引き千切るには十分だ」

 

速度、高度、そして重力は十分な破壊力を生み出す事が予想され、ドラゴンの身体に受肉した後は、ゼロ距離で撃ち貫けば片がつくッ!そう俺は思っていたが―――

 

「ッ!?」

 

高速で間を遮る一本の光の矢によって足止めされてしまった

光の発生源に視線を移せば、紅、蒼、碧三色のパラメイル。パラメイルと言えば『アルゼナル』が所有する機動兵器だが、3機のパラメイルは今まで遭遇した事のない形をしていた

 

「……ゾーラ隊、ではないな。それにドラゴンが目前にいるのにドラゴンを守っている様にも感じ、いや実際に守っているのだろうな?」

 

またドラゴンの奪い合いになると思っていたが、三機はゆっくりとドラゴンの前に並び立ち此方に銃を構えてきたのだ

 

「……どちらにせよ俺のやる事は変わりない。狩り取る命が増えたのみ」

 

ブラック・サレナのスラスターが開戦の火蓋を切った

DF(ディスト―ションフィールド)を纏いながら三機に突撃する俺に対し三機は、一斉に光の矢を撃ち放ってくるが、DFの前では無力に等しい

光の矢は、DF(ディスト―ションフィールド)に触れると湾曲し反れていく。光学兵器の一種だと予想は立てていたが予想通りだったな

 

「光の矢。いや、ビーム兵器と言った方が良さそうだな?驚いたがそれだけだ……沈め」

 

単調だが破壊力は十分、三機と一匹に狙いを定めた突撃は真っ直ぐ向かう

狙い通り、パラメイルは回避する行動をみせ直撃コースからズレた。…本当に狙い通りだ

 

「なぜパラメイルがドラゴンを救護するかは知らん。だが!手負いのモノから狙うのは戦いの基本だ!」

 

最初から動けないドラゴンを目的とした突撃は何の問題もなく、直撃し命を狩り取る予定であった………しかし予想外の行動に出たパラメイルがいた

 

ブラック・サレナの突撃を剣の平で流し機動を変化させたのだ

 

高速を保っていたブラック・サレナに機動修正など出来る事など出来なく、僅かなズレは大きなズレとして結果を残し、ドラゴンの真上を通過するだけの突撃となってしまった

 

「…同等の大きさの機体を受け流す技量はたいしたモノだが……リスクが大きかったようだな?」

 

紅いパラメイルの腕は煙をあげ、力なく項垂れていた

むしろ、腕一本であの威力を流す事が奇跡に近い行為だろう

 

三機は一旦距離を取り、作戦を立てているのか銃口をこちらに向けたまま後退していく

 

「ドラゴンを見捨てて撤退か?……これが正しい。数では勝っていると思う奴は三流だ」

 

このまま追撃してもいいのだが、こちらも機体の調子は万全ではない。引いてくれるなら見逃すのも出だと思っていたが、コイツ等はまた俺の予想を裏切ってきた

 

紅いパラメイルが動く腕で銃を構え、残りの二機は傷ついたドラゴンを抱え離脱を計ろうとしたのだ

 

「敵に背を向ける?いや、傷ついたモノに手を伸ばすなど愚の骨頂!その優しさが自分の命を散らせる事をしれ!」

 

ハンドガンを構え背を向ける二機に発砲しようとしたが、紅いパラメイルがこちらに切り付けられて行動を断念するしかなくなった

 

距離を置かずに接近戦のみで戦いを挑んできている事からビーム兵器が効果ない事に気づいたのだろう

此方も一旦距離を空けようと体制を整えるが直ぐに追撃してきて、こちらの間合いに入る暇も二機を追う暇でさえ与えてくれない

 

「クッ!コイツは別格だったか。それに……こちらの弱点もわかっているのか!?」

 

ブラック・サレナは奇襲メインのパラメイル。機動力と重装甲を極限まで高めたせいで装備できる武器に限りがあるのだ。接近戦闘も出来る事は出来るが本当に近距離……腕が届く範囲と言う近さ、とてもではないが、同等の相手に使うようなモノではない!

 

本来、武器に使用すべきではないテールアンカーをブラック・サレナをバロールさせ尻尾の様に振るい攻撃を仕掛けるが剣で弾かれ逆に装甲を斬り付けられてしまう状況……装甲にはかすり傷程度にしか付いてはいなかったが……

 

「此方は攻められず、其方は決定打を与えられない。……ドラゴンも戦線を離脱したようだし終いにしてほしいモノだな?」

 

最初の目的であるドラゴンは、もはや豆粒程度になるまで離脱され追跡する事もままにならない。……こちらも万全な状態じゃない為、ここは手打ちにしてほしいが……

 

するとどうだろうか?今まで距離を空けなかったパラメイルが距離を空け始めたのだ

このまま、紅いパラメイルも離脱を計り戦闘は終了だと思われたが事態は一変した

 

「ッ!これは……歌?」

 

両手を大きく広げ歌いだす、パラメイルに非常識だと思う事は不思議となかった

それが当たり前でいて、その行為は赤いパラメイルだけに許された神聖な歌の様に感じて聞き惚れていたのかもしれない

 

『♪~♪~♪~』

 

オープンチャンネルで聞こえる歌声に答えるかのように紅いパラメイルは、機体色を金色へと変化させ、両肩も大きく開き光が集まっていく……

 

「…………ッ!あれは!」

 

気付いた時には既に遅かった。激しい光の奔流は撃ち出されブラック・サレナに受肉しようと凄い勢いで迫って来ていたのだ

 

「DF全開ッ!イメージ固定!くっそッ!間に合ぇぇぇぇぇっ!」

 

光がブラック・サレナの装甲を解かし削り取っていく中、俺は一心不乱にイメージを固め――――跳躍した

 

そして目の前には、光の奔流の惨事が生み出した削り取られた大地と削り取った張本人が映し出され、俺はパラメイルを目視した瞬間、操縦桿を一気に倒しスラスターを全開にして奴に突撃した

 

俺の渾身の一撃は、更に予想を裏切る結果を生み出した

あろうことかブラック・サレナの全力の突撃を両手で受け止めて来たのだ

推進力の違いがブラック・サレナに優勢という形を持って知らせてくるが、先程の攻撃で大分ダメージを貰った為、ステータスはイエロー、一部ではレットゾーンに届いている箇所もあり長くは持たない事を伝えてくる

 

「このままじゃ押さえられて終わり……ただし只で終わると思うなよ!―――ジャンプ!」

 

機体を押さえつけられている事を利用し、俺は赤いパラメイルと共に跳躍した

跳躍場所は、俺が最初に移転してきた廃墟と化した東京――――に俺は抑え込んでいるパラメイルと共に突撃した

折れる寸前まで倒された操縦桿と俺の意思に答えるかのようにスタスラーは限界を超え、敵をビルに叩きつけていった

一軒二軒とブチ破っていき、パラメイルにダメージを与えていく。この攻撃を耐えられたら俺にはもう成す術はなく敗北を決する。……だが、俺にはこれしか方法が見つからなかった

 

無謀な賭けであり、敵の増援の可能性も考えない後のない、この場限りの賭けは……

 

パラメイルの手が離される事によって勝利者を告げた

 

「はぁはぁ…これで…終わりか…ったく!ここまでやられるとは予想外だ」

 

機体ゲージは、もはやレッドを示す割合の方が多くなっており、余程のことが無い限りは飛行も跳躍も不可能な状態へとなっていた

 

「パラメイルと言う事は人が乗っている。貴重な情報源だ。洗い浚い話させ………殺す」

 

念のためにハンドガンで四肢を撃ち抜き、完全に動けないようにした後、ブラック・サレナの操縦席から降りてパラメイルの操縦席があると思われる所へと赴き辺りを探る

 

「腹の…中腹…パラメイルであればここに…外部開放ノズルが……あった」

 

真横にあったレバーを回すと蓋をあける様に操縦席が解放される

銃を構え、どのような対処も出来る様に心構えていたが………その心配は無用なものであった

 

「……女、か。それも若いな。だが、君の意力は戦士そのものだ。敬服しよう」

 

突撃の際に頭を打ったのか、額から血を流し気絶している少女は、操縦桿から手を放してはいなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず拘束……ゑ?尻尾に翼だと!?」

 




タスクよりサラ様を先に出す事にしました

アンジュは、『ノーマ』→『世界』→『ドラゴン』→『旧地球』→『マナ』
といった感じに情報を得ていきましたが…

アキトの場合
『ノーマ』→『ドラゴン』→『旧世界』→『マナ』→『世界』
といった感じで情報を得ていきます
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