今度からリアルタイムで見なくては……
今日はGE2RBの体験版配信日だよ!
小説に手がつけられなくなるわ・・・・
※誤字修正
直ってなかったらごめんなさい
第十六話 孤島の要塞『アルゼナル』
見るからに高かそうな家具や装飾品に囲まれ、ここの主が高貴な者だと伝えてくる様な部屋で一組の男女は向かい合い、雑談を交えながらお茶を楽しんでいた
「休暇は如何でしたか、ツキトさん?」
優雅にティーカップを持ち上げ、俺に質問してくる少女……ミスティ・ローゼンブルム
俺の雇い主の娘であり、護衛対象でもあり、ローゼンブルム王国の王女でもある彼女は、紅茶を口に含むと微笑みながら俺に視線を送ってきた
「プライベートな質問は受け付けん。それと護衛と一緒にお茶を飲むのも今度からはやめろ」
一般男子なら彼女の微笑みでノックダウンされるのだろうが、俺には心に決めた女がいるし、悪魔に心を売っている。……そんな笑み一つで懐柔されはしない
淡々と答える俺に、一瞬表情を曇らせたと思うと直ぐにまた笑みを浮かべて会話を続けてきた
「では……雇い主として質問しますわ。学業を休んでまで何をなさっていたのかしら?今後、私の護衛を続けるなら進級してもらわなくてはいけません。この席は、今後の貴方の立場を決める面接だと思ってください」
「……暫く見ない間に随分、成長したものだ」
「ミスルギ皇国関係で外交が増えましたし……見本となる方もいましたので」
「そうか」
男子三日を見ずになんとやら……女子にも当てはまるようで、お嬢様も随分と成長したものだ。この俺に対して交渉で渡り合おうとしているのだからな?……しかし―――
「まだ爪が甘い。契約書には学園内の護衛とあった。なにも同じ学校に通わなくても護衛は出来る。それに休暇の自由は認められているし、今後の俺の立場?……俺はお願いされている立場であって相手の顔色を窺うような雇われ方はしていない」
「む~~!」
頬を膨らませあからさまに不機嫌ですよ!と訴えかけてくるお嬢様は、休暇前のお嬢様に戻ってしまったようで此方の都合も考えない子供の駄々に付き合ってはいられない……がお茶のおかわりを持ってきた侍女に「コイツ最低だ」と目で訴えられたら流石に気まずかった
タメ息を一つこぼし、手を付けていない紅茶を片してもらい、口を開く事にした
「ミスルギに行っていた。目的は、新皇帝ジュリオ一世を狙ってだ。」
「……ミスルギ皇国ですか?」
「あぁ、しかし新皇帝は撮れなかった。流石にガードが堅かった」
事前に用意しておいたダミーの写真をお嬢様に渡しながら話し続ける
もちろん、ただ写真を撮りに行った訳ではない。
護衛任が受かる前に用意した資金の宛て……殺し屋として稼ぐ為に創設した通信サイトに匿名できた依頼を受けに行ったのだ
仕事内容は、女一人を行き先不明の輸送機まで誘導すると言った変わった依頼だったが、支払いが良く難度も低い仕事だったので受け持ったのだ
簡単な仕事で金を稼げるのに越したことはないが、対象の女がどう見てもメイド…もっと言うのであればアンジュの侍女をしていた女であったのが、不思議でならなかった
ミスルギ皇国から発信された依頼であった事から、侍女をアンジュの元へ秘密時に送りたかったと言う目的が浮かび上がったが………果して今のミスルギ皇国如いてはミスルギ皇家が『ノーマ』であるアンジュに肩入れする必要はあるのであろうか?
今までと全く違った生活を強いられているアンジュを思い、せめて身の回りの世話だけでも、と言う親心から送り届けた。それが一番説得力のある良心的な考えだが彼女に親心を向ける存在は既に他界している
肉親であるジュリオ・斑鳩・ミスルギとも考えたが、彼はアンジュが『ノーマ』だと告発した張本人である為、ありえない。妹であるシルヴィア・斑鳩・ミスルギの線も考えられたが、依頼金額の多さが12歳の娘が動かせる金額ではない為、その線も消える
……国民は相変わらずアンジュを目の敵にしているから一般人からの依頼ではない
可能性は、アンジュの身を按じた行為ではなくアンジュに連絡を取る為だと推測が経つが………いまさら何を伝えると言うのだ?
顔を顰めながら思考顔をしているとお嬢様が、立ち上がり窓まで歩みだし外を眺め始めた
………どうでもいいが、偉い奴や偉そうな奴って良く窓際に立つよな?狙撃されたらどうするつもりなんだ?
「……今後、ミスルギ皇国はどのようになるのでしょうね」
「国王は、先代と変わらない関係をジュリオ一世と続けると言っていた。ローゼンブルム王国に影響はでないだろう」
「えぇ……確かに我が国には影響はありません。しかし、一つの大国が変わろうとしているのであれば後々、周りの国に影響が出てくる可能性も否定はできません」
「……」
「何が起きても正しい判断が出来る様に経験を踏み、広い視野で物事を見る必要があると私は感じました」
「………それで?」
「はい!視野を広げる為に私は『フェスタ』の親善大使として『アルゼナル』へ赴きたいと思います!」
『フェスタ?』………あぁ、別世界で通信していた時に言っていた単語だな
言葉からお祭り、それも『ノーマ』が収納された『アルゼナル』で行われる事が推測できるが、コイツ………
「……本音は?」
「アンジュリーゼ様を助けにいきますわ!」
俺は、お嬢様が相変わらずお嬢様であったと肩を落とすのであった
◆
クロスアンジュ天使と竜の輪舞 ~黒百合~
第十六話 孤島の要塞『アルゼナル』
◆
気付いた時には、輸送機に乗っていた
自分でも何を言っているのかわからないが、朝チャイムが鳴ったので外に出たら黒服の男たちとこんにちわ!をして拉致された。……以前にもあった事なので、あの時よりも焦る事はなかったが、俺の忠告は覚えていなかったんだな?
目の前で気まずそうに眼を逸らすお嬢様を半睨みしながら、手元の『極秘』と書かれたファイルと捲っていく
「マーメイドフェスタ……。兵士は全ての訓練を免除され、基地の区画に設けられた簡易的な遊園地・映画館・賭博場で遊んだり、露店での買い食いも許される。年に一度ある『アルゼナル』の公休日」
「え、えぇ、そして毎年ローゼンブルム王国から親善大使を送り『ノーマ』の方の労を労うのです」
「労う、か……奴らは言葉より物資を送った方が喜ぶんじゃないか?」
「……あくまで『ノーマ』が人間でない事を前提としていますので、恩恵を与えるには相応しくないと言う事なんでしょう」
「命がけで世界を守っていると言うのにな?」
「……私もそう思います」
思うだけじゃダメなんだよ、と心の中で愚痴をこぼしながらファイルを更に捲っていくが、触り程度の事しか書かれていなく、目新しい情報は乗ってはいなかった。些か期待していた分、落胆は大きかったが、一人の護衛に与える情報としては多いモノなのだろう
『ノーマ』のその後、『アルゼナル』、そして『ドラゴン』
まさか世界から追放された『ノーマ』が自分達の為に人間同士の殺し合いをしているとは、夢にも思わないだろう
「………驚かないのですね?」
「ん?」
眼を逸らすばかりであったお嬢様が、視線を合わせ真剣な面持ちで俺を見つめてきた
驚かないも何も、俺は貴様達よりも『ノーマ』についても『ドラゴン』についても知っている。……いまさらどんな顔をすればいいのだろうか?
だが、ここは無知な青年カメラマンとしてツキト・アンダーリバーとして答えた方が理に叶うだろう
「……驚いているが、表情に出ていないだけだ。」
「本当ですか?」
「あぁ、それに俺は今、歓喜が湧いていると言ってもいい」
「え?」
「数多の写真家が移す事の出来なかったドラゴンと言う未確認生物をカメラに収められるかもしれないのだからな!」
「…………え?」
ポカンっと目と口を広げて驚くお嬢様………あれ?もしかして滑った?
写真家としては、雪男やネッシーを撮りたいと思うのはごく自然なことだと思っていたけど違うのか?いや、常識的に考え世界規模で機密になっているドラゴンを撮影してしまったら人生が終わる可能性がでてくるのではないか?口封じの為にとか……?
思わぬ失敗に冷や汗が滲み出てくるが、お嬢様の笑顔を拝見して間違ったアンサー出なかったことが証明された
「ふふふ、ツキトさんも子供っぽい所があるのですね?」
「……男はみな、未確認生物に惹かれるモノだ」
「ふふ、そう拗ねないでくださ「お嬢様、着陸します。シートベルトをお締めください」 あら?もう着いたのですね」
パイロットに言われてシートベルトを締めるお嬢様に操縦席に行くと伝え、操縦室へ向かうと外と、海から突き出た岩礁に離着陸デッキ用の鉄板を敷きつめただけの孤島が目の前に飛び込んできた
「あれが……『アルゼナル』」
「そうだ、ローゼンブルム王家が管轄する『ノーマ』が住む島。……悪いがツキトさん、貴方もシートベルトの着用を」
「あぁ、すまない。……ここにいても?」
「大丈夫です」
許可が下りたので、パイロットの男に言われるがまま操縦席の後部座席でシートベルトを締め、事の成り行きを見守る。すると、デッキか見覚えのある色をした『パラメイル』が、此方を誘導または出迎える為に次々と飛び出して来ている。
青、赤、緑、黄、紺、ピンク………一色足りないが、出迎えに出て来た『パラメイル』部隊は、遭遇するたびに攻撃を仕掛けてきた部隊、第一中隊であった
「……見た所、ゾーラはいない。あのアマがいないだけマシか?」
紫色の『パラメイル』がいない事に安堵しながら輸送機を挟んで飛行する『パラメイル』に目を移す
パイロットも男性と言う事もあり、見慣れないロボットに視線が移るのは当たり前だと頷いているので、怪しまれてはいないだろう
だが、最後にデッキごと飛び出した『パラメイル』を見て表情が引き攣ってしまった
白い機体色に特徴的な女神像、他の機体とは違った雰囲気を纏う機体………
「『ヴィルキス』……アンジュか」
思わぬ機体の登場に大きくタメ息を吐くのであった
◆
「無事に終えられたのですね、洗礼の儀。これで立派な王家の一員ですね」
付いて早々、『アルゼナル』敷地内に建てられた屋敷に通し目の前で、在り来たりの挨拶をしてくる女性は、『アルゼナル』で唯一の人間である、エマ・ブロンソン
彼女の身なりから軍務官として規律に対して厳しい印象を感じさせるが、ここまで来るで話を聞く限りでは『ノーマ』に対しては多少の差別意識を持つ程度で、心底嫌っている様には見えない
「いえ、私達の為に戦う『ノーマ』達の事を思えば対したことではありませんわ」
……が、やはり思う所がある様でお嬢様が『ノーマ』を気遣う言葉を口にする度に、眉間に皺を寄せて、何か言おうと口を開こうとしていた
その様子は、お嬢様の後ろでメイドと共に控える俺には丸判りで、彼女の表情が変わる度に殺気を叩きつけ、話が横道にズレない、無駄な事を考えさせないようにした
なにしろ俺には、『アルゼナル』滞在中にやらなくてはいけない事が山積みであり、そんなくだらない事に付き合っている時間はないのだ
一つ目は、ヒルダちゃんの生死の確認。二つ目は、脱走経路の確認。三つ目はアレクトラの生死の確認
三つ目は司令官であるジルが嘘をついている可能性も考慮してタスクの為にも確認しておこうと思ったまで
三つ目は特に重要視はしていない、どちらかと言うと1,2が俺にとって最も大切で人生の半分はこの為にあったといっても過言ではない
随分と遠回りしてしまったが、この時のチャンスをデミウルダスがくれたと思えば軽い代償と思える。だからこのチャンスを一分一秒も無駄に出来ないのだ
滞在中の予定など確認し、俺の殺気も手助けして無駄話する事無く、円滑に業務を進める事ができ、やっとそのチャンスがやってきた
「ところで、エマさん。こちらにアンジュリーゼ様がいらっしゃると聞きました。会いたいのです」
「……は?」
打合せが一段落した際、お嬢様からの口から予想通りの言葉が出て来た事に心の中でガッツポーズを決めた。以前からアンジュの事を気にかけていたお嬢様の事だから、この際に話を聞こうと考えると踏んでいたが予想通りになった
「よろしければアンジュリーゼ様とお話ししたいのですが、呼んでくれませんか?」
「え、ええっと・・・なぜ、アンジュを?」
「学友なのです」
「は、はぁ……」
案の上、予想外な人物名が出て来て思考が鈍る監察官殿……真面に思考がつかない内に畳み掛けた方が目的達成の成功率はあがる
俺は一歩前へ踏み出し、今まで閉ざしていた口を開いた
「それとゾーラと言う女性もお願いしたい」
「えぇ!?」
驚き今度は此方をガン見してくるが、お嬢様と違い俺には疑いの視線が含まれている事が感じとれた
「ツキトさん……」
「すまない、お嬢さま。……私情だがカメラマン仲間から言葉を預かっている、伝えたい」
そして予想通り、お嬢様も理由を聞きたいようで此方に視線を送ってくるが、監察官殿と違い疑いの視線は含まれておらず、むしろ心配しているように感じられたので、適当な理由を付けてお嬢様を納得させる。……世界を渡り歩くカメラマンの仲間に世界を渡り歩くカメラマンがいても可笑しくは無いと理解してもらえれば通る理由だ。さすがにお嬢様でもそこまでは考えられるだろう
「ではアンジュリーゼ様とゾーラさんを呼んでくださいな?」
お嬢様も納得した様で一度頷くと、再び監察官殿に申請するが、監察官殿の顔色は悪く、歯切れも悪くなっている。「あの…」やら「その…」を繰り返し口にしている事からよっぽど答えつらいことなのだろうさ
「どうかなさいましたか?」
そんな監察官殿の様子を不思議に思ったお嬢様が声をかける。そして、決心したのか口を開いた
「アンジュは、今連絡を取り呼び出しています。ですが……ゾーラは、半年前ほどに戦死しました」
「そんな!」
悲しみに満ちた目で俺に振り返るお嬢様、メイドの方も口を手で覆い驚きを露わにしていたが、俺にとっては順調に事が進んでいた。
そもそも誰が好んで毎回、遭遇すれば鉛玉を打ち込んでくる女に会いたいと思うだろうか?
口実として使わせて貰っただけで、本当に連れて来られてしまったら俺の方が困る
・・・・・・まぁ、ゾーラが死んでいる事は今の第一中隊の隊長機が青色に変わっていたので、ある程度は予想していたがな
内心吊り上る口元を必死にこらえながら、なるべく悲しそうな表情を作り監察官殿に更にお願いを申し立てる
「……墓があるのなら連れて行ってほしい。例え『ノーマ』であろうと友人の友だ。手を合わせたい」
上空で確認したが、敷地内の一角に墓地を確認できた。……死んだ後は人間に戻るとでも言うのか、それとも人間側の情けなのか『ノーマ』同士の憐れみなのかは、知らないが利用できるモノは何でも利用しなくてはな?
一瞬、顔に皺を寄せたが直ぐに元の表情に戻し俺を見つめ返してきた
「貴方の事情は、わかりました。ですが、今は人手が空いていませんので、少しお待ちいただけませんか?」
「監察官殿の手を借りなくても大丈夫だ。地図だけくれ。拝むだけだから時間は掛らないだろう」
「ですが、ここは 「この者は、信頼できる者です。間違った考えは起こしません」 …っ!」
『ノーマ』だけの島、言い返れば女性だけの島……そこに男が一人で歩く事に規制がかかることはわかっていた。当初の対処は、監視の人間を殺す、もしくは無効化する予定であったが、思わぬ援護射撃に珍しく驚きを表情として出してしまった。隣のメイドを見ても大きく頷き俺の援護をしてくれている
一方、監察官殿は一国の王女に保障されては下手に断る事が出来なくなり、渋々と俺に墓地までの行き先が書かれた地図を手渡すのであった
2人にお礼を言い、部屋を出て護衛に場を離れる事を伝えると俺は、真っ直ぐに墓地へと足を運んだ。………無いとは思うが、尾行されているかもしれないし先ずは第三の目的であるアレクトラの生死の確認をしておくべきと判断した
墓地は、屋敷から真っ直ぐ行った所にあり容易に辿り着く事が出来た
「ミランダ・キャンベル、ココ・リーブ、ゾーラ・アクスバリ……本当に死んでいたか」
乱雑に置かれた墓石を一個ずつ確認していくが、一向にアレクトラの名前を確認する事が出来ない。……監察官に聞けば話は速かったが、『リベルタス』の関係者であるアレクトラの名前を出して変な疑いをかけられたくもなかったし、彼女は人間であり『リベルタス』に否定的な考えを持っている可能性もある………博士みたいに人間を裏切って『ノーマ』に付く人間はいないだろう
第三の目的は、達成され墓地にはもう用はないと第一、二目的の為に、基地内部へ足を進めようとしたが----
「アキト・ミルキーウェイ…」
「ッ!?」
突如俺の名前を呼ぶ声が後ろから聞こえ振り向きながら、拳銃を突きつけたが――――
「なん…だと!?」
つなぎ姿の深み掛った青髪にイエローの眼を持つ少女が、恩師であるツキヨ・ミルキーウェイに重なって見えて引き金を引く事が出来なかった
「貴様……何者だ?」
博士と瓜二つな容姿をした少女に拳銃を向けながら問いかけるが、少女の表情は恐怖の色は全くなく、むしろ嬉しさが滲み出ていた
「メイだよ!お兄!」
「……………はぁ?」
アキト・ミルキーウェイ17歳、この年で自分に妹がいた事を知らされるのであった
「………まだ、アンジュリーゼ様は来られないのですカ?」
「え、ええっと……もう間もなく出頭すると(護衛の人が行ってから機嫌悪くなっていませんか!?)」
「出頭と言い方は、好みませんわ。」
「も、申し訳ありません!(モモカさんは何をしているのよ!)」
朝起きて、ランキングにこのssが載っていてビックリ
これも皆様のおかげです