もはや謝罪の言葉しか浮かびません
なんとか一話書き上げて更新する次第であります
なるたけ早い、更新を心掛けて行きます
我、職人と工匠を冠する神にして物質世界を創造し造物主なり……
悪ある世と善ある永遠の世界、秩序の神と混沌の神において我は混沌に属なり
故に我、創造しけり……愚かで傲慢な世界を……悪ある世……
善なき世は永遠を掴めぬ、善なき世は進化を欲さず……
悪あり世は混沌を極める、悪ある世は力を欲する……
故に求めよ……故に望め……
善なき世で力を……悪ある世で進化を……
秩序の神は混沌の神と身を落とし、混沌の神は秩序の神に成変る
己が本質と己が真神を認識せよ……
さすれば我、ここに契約を結ばん
◆
クロスアンジュ天使と竜の輪舞 ~黒百合~
第二十一話 脱走
◆
年期の入ったランプだけが光を生み出している仄暗い一室に、ビーカーやフラスコなどと言った科学実験で使う器具が乱雑に置かれている机が存在していると思えば、デザインが直線的で角張っており、ボタンや突起物が付属したパーツが沢山ついている計測器が置かれもしている場所もある新旧が混ざり合った異室に二つの人影が写し出されていた
「……グッ!」
「ふむ……些かずれたが構わないだろう」
一人は拘束椅子と呼ばれる機具に上半身裸で縛り付けられ所々、計測器から伸びる針が突き刺されおり、もう一人は深緑のスーツを纏い拘束された男の首筋に針を刺した
赤い液体が針の中を通り、シリンジ全てを赤で満たされるまで流れ続け……引き抜かれる
強引に引き抜いた為に、男の首から行き場を失った液体が溢れ出てくるが、深緑のスーツは……エンブリヲは気に留めもせずに採取した血液を試験管に移し揺らしながら光に当てる
「……血液は通常のホムンクルスと同じ成分……細胞成分や血漿に特異している訳ではない。しかし……」
「ッ!ックァ!」
試験管を試験管立台に入れ、虚空からナイフを作り出し拘束された男……アキトの太腿に突き刺した。首筋の傷とは違い大きく傷つけられた太腿からは大量の血液が流れ出すがエンブリヲは痛みに耐えるアキトを横目に計測器が計測した数値を見て笑みを浮かべた
「
実験に満足がいく結果が出たとばかりに子供の様に満面の笑みを深めるエンブリヲは徐に片方の手袋を外すとアキトの太腿に突き刺さるナイフを引き抜き、傷口に指を差し込んだ
「ッ!」
「そして通常のホムンクルスより発達した神経系は、情報を高速で処理する事が可能。また身体は高速処理した情報に答える事が出来るように全身の筋肉をピンク筋……いや白筋を鍛える事によって赤筋の特性をもたせたと言った所か?持久力と瞬発力の両方を備えた筋肉に鍛えられている」
「ッァ!」
傷口を十分に指で蹂躙し弄り回し、筋肉繊維と共に指を引き抜く
エンブリヲは、引き千切った筋肉繊維を新しい試験管に入れ、指に付着した血を拭き取ると手袋を嵌めてアキトに笑い掛けた
「〈人工マナ人間〉から産まれた子は〈マナ〉に高い適性を供えられている事は君の産みの親と育ての親が証明しているが、運動神経や思考回路も優れた適性を出すとは驚きだ」
「……満足いったか、糞野郎」
「あぁ、君は素晴らしい実験材料だよ」
エンブリヲは、一息つく為に部屋に供えられている椅子に座ると何もない空間からティーセットを取り出した
部屋には血の臭いが充満しとてもではないが、お茶を楽しむ気にはなれないと言うのにエンブリヲは紅茶の匂いや味を静かに味わっていた
「……俺の事ばかりで貴様の事は教えてくれないのだな。……その手品とかな?」
「これは次元跳躍の応用さ。別に私も君に意地悪がしたくてこのような事をしている訳ではないのだよ。君が素直に話をしてさえしてくれれば……私も君の望む話をしよう」
「………」
「高い身体能力や思考回路を持ったホムンクルス、尚且つ『マナ』に高い適性も持ち供えているホムンクルスの中でも上位に入ると言うのに……なぜ君は『マナ』の力を使用できないでいるのか?」
「……」
「『マナ貯蔵機』と言う玩具で自身に『マナ』がない事を偽り、高い適性で貯蔵された『マナ』を効率よく使用する……生まれた時から男の〈ノーマ〉だったと言う可能性もあるが、それだと『マナ』の適性を説明出来なくなる。……いったいどう言う事なのだろうね?」
ティーカップに口を添え視線は俺に向けたまま、問いかけてくるエンブリヲに対し俺は唾を吐き捨てる形で答えた。吐き捨てられた唾は奴の靴に付着し奴の顔を歪めるが、次の瞬間には持っていたティーカップで頭を殴られ熱湯と殴られた時に斬った傷から出る血で視界を塞がれてしまう
「まぁいい、どう足掻こうと貴様の自由など有りはしないのだ。実験動物は動物らしく主の帰りを大人しく待っているがいいさ」
吐き捨てる様に言葉を残しエンブリヲは鉄扉を開け、この部屋から出て行った
扉が締められて直ぐにガチャリと鍵を閉める音が聞こえる。南京錠の様な表で鍵を掛けるタイプ……手足の自由を奪っておきながら脱走されない様に警戒するとは随分と警戒されたモノだ
滴り落ちる血液と水は頭を振って払い、眼を閉じて自身の容態を確認する
外傷は、頭部裂傷に首部の刺し傷、左太腿の切創………
内部的なモノは、肋骨の骨折に打撲、それに大量な出血の喪失
幸い、内臓器官や脊髄には至っていない傷ばかりで重症と云言う訳ではないが、このまま囚われ続けたらいつ人体実験をされるかわかったモノではない。エンブリヲも時間をかけて俺を調べるつもりだと言っていた事から今は、下準備の段階と言った所……本腰ではないと言う事だ。しかし……
「……どちらにしろ、時間の問題か」
拘束された腕に力を入れて拘束ベルトを引き千切ろうにも碌に食事も睡眠も取っていない状態では万全な力は出ず、今だって意識を保っているのが精一杯だ
「拘束されて5日か?……いい加減、ちゃんとした飯が食いたい」
食事制限は、相手の力と持久力を削るには効率の良い手だと思うが、実際に実行しようと思わないのが人徳と言うモノだ。実行したとしても最低限の食事、せめてパンやスープなどの食事は与えるのがルールだろうに、エンブリヲにはそれすら備わっていない様で俺がまともに摂取した食事と言えば初日に与えられたカビの生えたパン、それ以降は全て点滴で栄養を取る形を取られ………絶賛空腹中だ
こんな拷問の様な仕打ちを5日も受けていれば大抵の人間は発狂するものだ。……実際に俺も発狂仕掛けたがエンブリヲの奴は、俺が狂わない様に常に監視をして気が狂いそうになる度に熱湯や冷水をかけてくるのだ
…人間のする事だとは思えない。流石自称『神様』と名乗るだけのイカレ具合だとある意味尊敬までしてしまう
正直、この日まで耐える事が出来た直は奇跡に近いし、俺の執念が生み出した結果と言っても過言ではない
なぜなら今日この日をずっと待っていたのだから……
リィザ・ランドックの話ではジュリオは〈アルゼナル〉へ攻撃を仕掛ける為にラグナメイルをエンブリヲから預かったと言っていた。……この世界に〈アルゼナル〉以外にパラメイル系統の機動兵器を所有し操縦できる人物は存在しない
だとすればエンブリヲは、ジュリオと共に〈アルゼナル〉へ向かう
奴が所有していた兵器だ。操縦するのは奴しかない……
エンブリヲがジュリオと共に〈アルゼナル〉へ出撃する。すなわち俺の監視は薄くなり、脱走のチャンスが舞い込むと言う事だ。この好機を逃す事は出来ない
俺は強くイメージを固めていく。悪魔の化身であり、自身の相棒である漆黒の機体を……
俺が考えた脱出方法は至って簡単、ブラック・サレナをこの場に呼び出し強行手段で脱走を計ると言ったモノ。エンブリヲもまさか俺がパラメイル級の機動兵器を突然と呼びだす事が出来るとは思いもしないだろう
俺は余計な思考は捨てて跳躍するイメージだけを固めていった……
海底に隠したブラック・サレナを補足……出現地はミスルギ皇国皇居の地下牢……
イメージを固め切り、いざブラック・サレナを呼び出そうとした瞬間――――――
「ッ!?ゼェァァァアアァァァ!」
――――身体全体に電流が走った
拘束椅子から止まることなく流れでる高圧電流は容易に俺のイメージを消し去り、ブラック・サレナの出現を妨害した
……なにが起きたのか全く理解できなかった。なぜ突然電流が流れ出したのか…なぜ今のタイミングで放電したのか……俺の予想を超える出来事に完全に思考が停止した中、俺の目の前に突如『マナ』で作り出されたディスプレイが浮かび上がり、ノイズが走ったと思えばエンブリヲが此方を嘲笑うかのように浮かび上がったのだ
『やぁ、実験動物君。無駄な抵抗はよしたまえ?……この椅子は君の脳内粒子を感知して一定以上の感情や思考を纏めると行った行為を取ると電流が流れる様になっている。仮にも君は一流のテロリストだ。私が何の策も無しに放置するとでも思ったのかい?……それは軽率だよ。無駄な考えを捨てて大人しく主の帰りを待っているのだな?ハハハハハ』
奴の笑い声だけが部屋中に響き渡る中俺は・・・呆然とするしかなかった
唯一のチャンスをこのような形で阻害されるとは誰が思うだろうか?
ブラック・サレナの跳躍には膨大なイメージが必要とされ無意識のうちに感情や思考が高まってしまう。……エンブリヲにその気がなくとも奴は、俺にブラック・サレナを…脱走する好機を潰してきたのだ
……もはや打つ手がない
太腿に切創を作りまともに歩く事も出来ず、疲労困憊で動く事も儘にならない俺にとって唯一の脱出手段を封じられてしまったのだ
全身の力が抜けいき、初めて椅子に深く凭れ掛かる。待っているのは、エンブリヲの玩具として一生弄繰り回される未来のみ……思わず苦笑してしまうが―――
「……だからと言って諦める訳にはいかんぞ!エンブリヲッ!」
昔の俺ならこれが運命だと割り切っていたのかもしれない。しかし!今の俺には待っていてくれる人がいる!
エンブリヲを倒し世界を破壊し迎えに行くと誓った存在がいる!
「電流如きで俺を止められると思うなよ!」
全ては、俺を持っていてくれる人のために!ヒルダの為にも!俺はここで終わる訳にはいかないのだ!
「うおぉぉぉぉ!」
再び思考を纏めイメージを作成し始める。それと同時に流れ出る電流に逆らいながらも俺はイメージを捨てる事はなかった
幾度も電流に憚れようと、イメージを散らされようと諦める事はせずに俺はイメージを練り続けた
電流が体を蝕む中、脳裏に浮かんだのはヒルダの笑顔だけであった・……
◆
もう何回目になるのかわからない程の電流を浴びた、何度目かわからないぐらい気絶を繰り返した。少なくとも俺に付着する血液が電気によって蒸発しきるまで俺はイメージを練る事を止める事はなかった
所々を火傷し、ただ座っているだけなのに苦痛を感じさせ身体はイメージを練る事を止めされて来ようとするが、いまだに気持ちは折れていない
力なく自身の影を見る。
変哲もない只の影である筈が今は、俺の姿を形どり浮き上がって、もう運命に逆らうのは止めろと語りかけて来ている
影は何度も何度も何度も!……俺に誘惑してくる
全てをエンブリヲに託し、この苦しみから解放されようと……全てをエンブリヲに話し、この苦しみを終わらせようと……
だが、俺は拒み続けた
ここでエンブリヲに膝をついてしまったら守りたい者や今まで創り上げていた物、そして博士の思いを裏切ってしまう事がわかっていたから……
だから俺は、諦めはしない!例えこの命が散ろうともエンブリヲだけには膝を着きたくはない!
残る力を振り絞って再びイメージを創り上げる……いつの間にか影は沈み赤く光る双眼だけが俺を見守っていた。その眼は俺に何を望んでいるのだろうか?
――――ガチャリッ
「ッ!」
意味もなく自身の影に微笑み返していた俺は絶望へ叩き落とされる
……間に合わなかった。俺はエンブリヲが帰ってくるまでに脱出する事が出来なかったのだ
もはや何もする気に慣れずにうな垂れるが、部屋に入ってきたのは予想にもしない人物であった…
「黒のモノよ!ご無事ですか!」
「ッ!」
部屋に入ってきたのは薄い髪色の髪を持った女性、エンブリヲに逃がした筈のリィザ・ランドックであった
「き、きさま…」
「無理はしてはいけません!今、外します……立てますか?」
俺に突き刺さった針を引き抜き、拘束ベルトを外して立ち上がらせると俺に肩を貸しながらすぐさま地下牢からの脱出を計った
外へ続く廊下には見回りの衛兵や近衛兵の気配は感じなく不思議と容易に地下室から脱走する事ができた
「救出には感謝するが……なぜ戻ってきた、俺の話を聞いていなかったのか?」
取りあえず人気がない事を確認した俺は中庭のベンチに腰を下ろし救出してくれたリィザ・ランドックを睨み付けた
「貴方の忠告は覚えています。ですが……私は名前も知らない殿方に恩を作りながら自分だけが助かるのは許せなかったのです」
「……ッ、少しの油断が命取りになると言っただろう」
「えぇ、だから今まで救出する好機を窺っていました。エンブリヲがスメラギ皇国を離れジュリオと共に出撃するこの日を……おかげで救い出すのが遅くなってしまい申し訳ありません」
どうやらコイツの頭の中では俺を見捨てる事は最初から頭に無かった様だ
たった少しの間、話しただけの俺を救い出す為に態々危険な橋を渡る……本当に馬鹿げた行為だ。一度、仲間だと判断した人間を見捨てないのはコイツ等の特性なのだろうか?
しかし、こう難度も危険な橋を渡らせるわけにはいかない。
「……救われた俺が言うのもなんだが、今度からは見捨てろ。それが最善だと思え」
「し、しかし!私は「アキト・ミルキーウェイだ」ッ!?」
「俺の名前だ。今度からは恩など感じなくていい」
「………はい」
意も言わせない俺の言葉に彼女は折り畳んだ筈の翼と尻尾をうな垂れながら顔を伏せた
……何故しゅんとする。
俺はお前の事を思って忠告していると言うのに…
………なんだか俺が悪者になった感じではないか
「……救出、感謝する。リィザ・ランドック」
「ッ!はい!」
俺は溜め息を零しながらリィザにお礼を述べる。…決して肩を落とすリィザの事を憐れんだ訳ではない。このままだと話が進まないからだ
俺の言葉に尻尾を左右に振りながら笑みを浮かべているリィザに俺はコホンと一息ついた後に語りかける
「現状を確認したい。エンブリヲと〈アルゼナル〉、そして其方側はどうなっている」
「エンブリヲは先程言った通りジュリオと一緒に〈アルゼナル〉へ、〈アルゼナル〉は今、施設の復旧作業に取り掛かっています」
「……復旧だと?……なにがあった?」
淡々と答えるリィザの話に頷きながらも不穏な響きを漂わせる『復旧』と言う言葉に思わず眉間に皺を寄せてしまうが、更に続けられた言葉に衝動的な行動に出てしまう
「昨日、我々が〈アルゼナル〉へ侵攻し壊滅的――ドォン!!――なッ!」
追われる立場と理解しているが、この衝動は抑えきれなかった
〈アルゼナル〉がドラゴン達の侵攻で壊滅。その事実だけで俺は一瞬にして感情を爆発させ柱に拳を叩き込んでいた
叩き突けた場所から蜘蛛の巣状に罅が入り、パキリと俺の拳が音をたてた
「……すまない、気が高ぶった。〈アルゼナル〉の現状は判るか?」
「いえ………現状の報告では戦力の6割強、基地の1/3を破壊したとは聞いています」
「1/3?」
あの広大な基地を一回の侵攻で、壊滅的なダメージ…それも基地の機能の3割を破壊する事が出来る兵器など俺は一つしか知らない
「サラマンディーネが出撃したか?」
「ッ!はい、姫様自ら出撃しヴィルキスと戦ったと報告が来ています」
「………」
やはり『次元跳躍砲』か……
以前、俺が受けた時は未完のまま使用した為、エネルギー伝達に不備があったからこそ勝てたが、今の『焔龍號』の状態は完全にあの時とは違う。膨大なエネルギーを空間破壊するまで高めた力は全てを破壊する……〈アルゼナル〉が半分以上機能しているのは恐らく「試運転」の割合が高いだろう
あの頑固で清楚のお嬢様の事だ
同胞を殺す集団である『ノーマ』とわかち合う為の切欠として鎖を打ち込んだ可能性は高い
だとすると……〈アルゼナル〉側の死者はドラゴンに喰われた者達ぐらいで人員には然程被害は出ていないはず
「……わかった。貴様は直ぐに逃げろ」
「ッ!アキト様は、どうなさるのですか!?」
中庭の中央に進む俺をリィザが驚き止めようとするが俺にはやらなければならない事がある
「俺か?俺なら決まっている」
先程までは電流の性で碌なイメージが出来なかったが今は違う
明確なイメージの元、相棒であり悪魔の化身を呼び寄せる
〈アルゼナル〉の機能が半分しか機能しないと言う事は、〈アルゼナル〉の防衛機能が半数死んだ…即ちヒルダの危機が2倍に増えると言う事だ……そんなこと、俺は許したりはしない
「惚れた女を助けに行く」
リィザ・ランドックの顔が驚愕へと変わった。なぜならば俺の後ろから巨大な重量物が着地し低い地鳴りと砂煙が巻き起こしたからだ
「……行くぞ、ブラック・サレナ」
振り返った目の前には、漆黒の悪魔が俺を赤い双眼で向かい入れていた
◆
「久しぶりだね、アレクトラ」
『……タスクか?』
「あぁ……アンジュは無事かい?」
『今逃げられた所だ……捕獲に協力してくれるな?』
「ふっ……わかった」
撃鉄を引き、銃を確認するタクス
空には港で見た機動兵器が飛び回り、次々とパラメイルに襲い掛かっている
その光景を目の当たりにしてタスクの表情は崩れた
エンブリヲの用意していた機動兵器の性能は知らなくても存在は知っていた
ここに来る前にアレクトラに伝えておけば今の様な光景にはならなかったかもしれないと………
「くそっ!俺が先に伝えとけばみんなは………ここは、アレクトラの言う通りアンジュの確保を優先するしかないのか?」
『そうだ、お前はアンジュの騎士だ。今は〈アルゼナル〉の事よりもアンジュを優先しろ』
「ッ!アキト!」
タスクの疑念に答えるかのように黒いパラメイルから聴き慣れた声が流れた
「アキト!今までどこにいたのさ!?」
『神様の面を拝んできただけさ。……血路は俺が切り開く、〈アルゼナル〉へ向かえ』
タスクのパラメイルにデータが送られ〈アルゼナル〉の見取り図が露わになった
アキトから送られた地図には確かに〈アルゼナル〉に侵入するにはベストな場所をマーキングしており短時間で〈アルゼナル〉内を探索するには示されたルートを通るのが一番であろう。しかし……
「……残念だけどこれ以上、パラメイルで向かうのは無理だ」
アキトが示した侵入路は、無数の兵器が飛び交い、これ以上パラメイルで近づくと返って危険を増してしまう場所にあったのだ
『……血路は俺が開くと言っただろ?黙って進め』
「な、なにを?ッ!?……え?」
アキトの言い分に首を傾げるタスクであったが、突如上空に響き渡る爆発音に視線が空へと向いた
上空で立ち上がった爆炎の中から、煙を引き連れる様に突き抜ける漆黒の機体がタスクの行き手を阻む機動兵器を粉々に粉砕し進み続けて行ったのだ
漆黒の閃光が通った後には爆炎と粉砕された鉄くずの雨が降り注ぐのみ
絶対的な破壊を繰り返す漆黒の機体は、自身に協力し、道標を示してくれた人の機体にして、悪魔の体現………
「……ブラック……サレナ」
今ここに漆黒の悪魔が参戦する
クロスアンジュtr……好みが別れるゲームだと思いました