出来上がったら投稿のスタンスを取ってみる……
今回は若干、エグイ表現があるのであしからず……
「テオドーラ、周囲を警戒するのは良いが、動きに無駄がある。仲間に頼るなとは言わん………もっと主体的に攻めろ」
『くっ!言わせておけばぁ!』
「………それでいい。レイジア、後方支援だけで終わるな、今の貴様は長距離戦闘以外の事も求められる。恐れずに攻め入って来い」
『わ、わかった「敬称で答えろ」ッ!YES My a subleader』
ビームライフルを乱雑に撃ち出しながら此方に向ってくるテオドーラと擦れ違い様にペイント弾を撃ち込み、俺の間合いに入り込めないでいたレイジアに向い一気に接近するとレイジアのボディに拳を叩き込んだ
「二機撃墜………テオドーラ、攻勢に出るのは良いが直線的過ぎる。レイジア、接近の極意は呼吸にある。相手の動きをもっと観察しろ」
『『…………』』
「返事はどうした」
『『ッ!YES My a subleader』』
「……演習は終了だ、帰投する」
所々をペイント弾で染められたラグナメイルの先頭を飛びながら格納庫へと向かい帰投する。カラフルに染められているのはラグナメイルだけであり、ブラック・サレナは普段通りの漆黒のボディを光らせていた
『……ねぇ、エルシャ。なんか、アイツ変わったよね?』
『………』
『やっぱり、イルマとの間に何かあったんだよ。振られたからってコッチにまで八つ当たりしないで欲しいよ。器の小さい男だよね?』
『…………クリスちゃん、帰るまでが演習よ。私語は慎みなさい』
戦闘訓練を指示する為に通信を繋げている事を忘れているのか、テオドーラからは俺に対する中傷が聞こえてくる
「テオドーラ、陰口は本人が聞いていない所でしろ。貴様は、集中力が切れると雑魚以下だ」
『ッ!ふん!』
ブツリっと音を出し此方がわかるように通信を切ったテオドーラは、格納庫を目視するやいなやスリーマンセルの隊列など無視し先行して帰投していった
既にスメラギ皇国の領域に入っているから良いモノの戦場では死に急ぐのと同じ行為、後で反省房行きにする事を思案に入れながら基地にテオドーラが先行して着艦する事とテオドーラのパイロットを拘束するように通信で伝える
『申し訳ありません、副隊長。クリスちゃんには後で私から言っておきますから……』
基地との通信と入れ替わりに今度はレイジアから通信が届く
メイルライダーの中でも最年長であるエルシャは、テオドーラの代わりに此方に謝罪を入れてくるが、既に決定した事だ
「俺個人に団員を裁く権限がないとは言え、規則を破り警戒を怠った行動を取ったと隊長にも伝えれば隊長・副隊長両方の同意のもと、刑は実行できる。テオドーラ操縦者の減刑を求めるのなら隊長に言うのだな」
しかし、身内に甘い考えを持っている隊長の事だ。今回の件は、減刑もしくは不問にされるのが目に見えて判ってしまう。……規則を忠実に守ろうとするのであれば心を鬼にして接しなければいけないと言うのにとことん甘い考えをする魔法少女だ
『………』
「まだ何かあるか?」
話しは終わったと思っていたが、いまだにレイジアから通信が繋がっていたのに気づきレイジアに声を掛ける。すると彼女らしからぬ程の弱弱しい声で俺に通信が届いた
『……この後、ご時間を取れるでしょうか?少しお話しがしたいです』
彼女の通信に俺はyesと答えて格納庫にブラック・サレナを納めるのであった
◆
クロスアンジュ天使と竜の輪舞 ~黒百合~
第二十三話 離脱
◆
『ダイアモンドローズ騎士団』は基本的に2チームのスリーマンセルで行動し、緊急な指令が無い限り片方を演習や周辺地域の警戒に出動させて、もう片方を警戒態勢で待機する体制を取っている
いまや最高戦力となったラグナメイルは各国の牽制や殲滅に必要不可欠なファクターとなっている為、常に出動しなくてはならない状態になってしまった。その為、メイルライダーに休む暇は無く、休日返上で出動している
エンブリヲの為だと体に鞭を打って大半は出撃しているが、こんなモノは更に体を殺す毒でしかない。そこで2チームスリーマンセルを導入し片方を休息させたのだ
団員達は挙って毒を好む者が多いので、名目上は最近、出現が減少したドラゴンへ対しての警戒態勢で待機、効率性上昇の為の処置と伝えておる。……そうしなければ難を言って出撃しかねないからな
そんな事で定期的に休日を貰える俺達は、各自好きに過ごしている
エルシャは、〈エンブリヲ幼稚園〉の児童と戯れ、俺やイルマもそこに加わり下らない時間を過ごしていたと思うと反吐が出そうで仕方が無かった
別に子供が嫌いと言う訳ではない。……ただ、エンブリヲに産み付けられた感情で動いていた自分に苛立ちを覚えているだけなのだから
それ以降、蘇りそうになる偽りの気持ちを抑える為に一切〈エンブリヲ幼稚園〉には近づいていなかったが、エルシャに話しがあると言われたので渋々訪れる事になってしまった
児童たちは、偽りの気持ちを抱いていた頃の俺を兄の様に慕っていた為に俺の姿が確認するや群がって来ては遊んでくれとせがんでくる。……一刻も早くこの場から離れたい俺は、『また今度な』と守るつもりもない約束を交わし子供を追い払うとエルシャがいるテラスへと足を運んだ
奴の趣味に習ったのかどうかは知れないが、エルシャは紅茶を入れる準備をして俺を待っていた
「…すみません、呼び出すかたちを取ってしまって。いま紅茶をいれますね」
「いらん、話が終わったらすぐに戻る」
「そんな……少し子供達と遊んで「同じ事は、二度は言わないぞ?」……わかりました」
「……それで話とはなんだ?」
紅茶にも子供と戯れる事も断った俺は、椅子にも座らずに柱に寄り掛かると早々にエルシャに要件を訪ねた
「……副隊長は、イルマちゃんの一件を境に人が変わってしまったかのように訓練や兵器の研究に没頭していると耳にしました。烏滸がましいとは承知しておりますが、何か悩みがあるのであればご相談に乗りますわ」
エルシャの要件とは何とも下らない事でしかなかった。人が変わったと言うよりも元に戻ったと言った方が正しいと言うのに………
「人が変わった、か……もとより俺は仲良しごっこが、したくてこの場にいるのではない」
「そ、そんな!」
「俺がココに留まっているのは、エンブリヲを殺す手段や戦力を把握する為だ。もとよりエンブリヲなぞに忠誠を誓っている訳ではない」
俺の言葉がいかに衝撃的だったのかは、計り知れないがエルシャの紅茶を飲む手は止まり、ただ一点を見つめるだけであった
「もっと言えば俺がエンブリヲの元にいる理由は、〈アウローラ〉の戦域離脱までの殿をして奴に捕まりコレを付けさせられているからだ」
そう言ってエルシャに見える様に手首に付けられたブレスレット型の爆弾を見せた
見せた所でエルシャがコレを爆弾だと判断するかは知れない。だが、俺がエンブリヲに拘束されている事は理解できたであろう
「………ッ!ま、まって!」
話しは終わりだと柄を返そうとした時、唖然としていたエルシャは正気に戻り席から立ち上がると俺の手を取り引き止めた
「貴方が望ばないでこの場にいるのは、わかったわ!でもエンブリヲさんを信じてあげて!あの人はいつでも救いの手を差し伸べてくれる人だから!」
俺の気持ちをわかって尚、エンブリヲを信じろと言うのか、この女は?
それに救いの手を差し伸べるだと?……アイツが手を差し伸べる時は必ず理由がある
恐らくエルシャがエンブリヲに忠誠を誓う理由と言う奴も救いの手を差し伸べられたからなのだろうな?………エルシャが救ってほしいモノ、大切なモノ、それは―――
「……エンブリヲに園児を助けて貰ったか?」
外で元気に駆け回る子供に視線を送りながらエルシャへと問いかける。
一方、問いかけられたエルシャは、まさか俺から質問が来るとは思ってもいなかったらしく呆然としていたが直ぐに手を俺の手を握りしめながら俺の質問に答えて来た
「え、ええ!……あの時、あの子達はみんな殺されてしまったの。でもエンブリヲさんは!あの子たちに新しい命を、あの子たちを救ってくれたの!だから今度は失わせない為!あの子達を守る為に私はエンブリヲさんの元に来たのよ」
「そうか……」
あの襲撃もエンブリヲが仕組んだモノだと言うのに、自ら正義の味方を演じるか……神様に正義の味方に元凶と、演じる役が多くて本当に愉快な奴だ
エンブリヲが子供達を救ったのは、憐れみでも同情でも、ましてや正義の味方だからでもない。エンブリヲが子供を救った理由は―――――――
「貴様の首輪、と言う訳か……本当に哀れだな」
「…………え?」
捕まれた手を払い退け、エルシャに憐れみに満ちた視線を送る。彼女は何故、俺がこんな眼で見て来るのか理解できないようで一歩、二歩と後ろに下がり大きく目を開かせながら困惑した表情で俺を見つめ返してくる
PiPiPiPi……PiPiPiPi……PiPiPiPi……
気まずくなった空気を察してなのか通信機が鳴り響く。タイミングが良いと言えばタイミングは良い。
エルシャに向けていた視線を通信機に向け、発信者を確認する………発信者はイルマ
「なんだ?」
『副隊長、エンブリヲ様が召集を掛けています。至急、ブリーフィングルームに来てください』
「……了解した。直ぐに向かう」
『はい、それと…「至急なのだろ?会話する気はない」……はい、失礼しました。お待ちしています』
彼女との会話は俺にとっては鬼門でしかない、交わす言葉もなければ言い寄る事もない
通信機を懐にしまい、いまだに困惑しているエルシャに声をかけ正気に戻すと足早に屋敷へと向かうのであった
◆
格納庫のすぐ隣に設けられているブリーフィングルームには5人の女性と1人の男性が集まり、主の到着を今か今かと待ち望んでいた。
そしてその時はやってくる―――――
「集まってくれたか……今回、君達を招集したのには我々にとってとても重大な事がわかったからだ」
入室して早々に勿体付けながら話すエンブリヲの目の前に俺は勿論、『ダイアモンドローズ騎士団』の団員全員が集まっており、これからエンブリヲの口から出る言葉が如何に重要な事なのかを物語っていた
個人的に言わせて貰えば呼び出した本人が遅れてやってくるあたり、それほど重大な事ではないのだろう
「重大な事……ジルの!いえ、〈アウローラ〉の居場所が特定できたのですか!?」
だが、エンブリヲに執着している魔法少女は、そんな事は微塵の欠片も思っておらず、目下一番の標的である〈アウローラ〉の事だと決めつけてエンブリヲに声を上げて問質していた
「いや、違う。〈アウローラ〉の存在も我々にとっては重大なモノではあるが、今回は君達の本来の敵であるドラゴンについてだ。………今から3時間後にミスルギ皇国から10㎞離れた海上に門が開き今までの規模にない大群のドラゴンが侵攻してくるそうだ」
ドラゴンと言う言葉に団員達は息を飲んでいるが、俺だけは奴の言い方に疑問を感じて眉間に皺を寄せた……最近はめっきりと姿を現さなくなったのは焔龍號の〈収斂時空砲〉の調整が済み、アウラ奪還の準備を整えているからだと思っていたが、このタイミングで仕掛けてくるのは可笑しいと思ったからだ
「なので我々はドラゴンを駆逐する為に、門が開くポイントで待ち伏せを決行し殲滅する事にしよう」
「「「ッ!?」」」
「え、エンブリヲ様!いくらラグナメイルが強力な兵器だとしてもドラゴンの大群相手に6機で挑むのにはリスクが大き過ぎます!」
確かにビームライフルやビームシールド、パラメイルとは比べようのない高機動を誇るラグナメイルだとは言え大量のドラゴンを一気に相手に取るにはリスクが大きすぎる。団員達が困惑するのも頷けるものがあるが…………だからこそ、待ち伏せなのだろうな?
だとすれば俺のする事は……
「ふむ、確かにそうだが……なに簡単さ。出て来る所を潰せばいいだけの事さ。そうだろ、アキト?」
「ッ!」
……ココで俺に話を振るとか俺の思考を読まれてしまっている、か?いや、エンブリヲの事だ。わざと気づかない振りをしてあくまで〈ダイアモンドローズ騎士団〉の副隊長として話しかけて来たのだろう
「あぁ……いくらドラゴンの大群が押し寄せようと門は一つしか出ない。ならば俺達のする事は高意力を誇るビームライフルで次々に出てくるドラゴンを打ち落とせば良いだけだ。……態々、敵の全戦力が出現するのを待っている必要はない」
「ふふ、その通りだ。入り口でもたつくドラゴンにライフルを撃ち込めば一撃一殺ところか2、3殺は出来るはずだ」
俺の答えは正解だったようで、上機嫌に俺の後に続いて作戦を説明するエンブリヲ
俺としては奴と同じ考えを抱いてしまった事を腹だたしく思ってしまうが、な
「そこで今回は、ラグナメイルを全機投入し殲滅する。屋敷の守りは、ビーム兵器を有していないアキトに任せたい………構わないね?」
「「「「「YES Your Majesty」」」」」
サリアを始め団員達は声を揃えて返事を返し、各自のラグナメイルの元へと向かって行った。
案の上、ブリーディングルームには慌しく出て行った彼女達を微笑ましく見つめていたエンブリヲと俺だけが残った。俺も一応は待機命令と言う事なのでブラック・サレナの元へと言った方が良いのだが………どうしても確認したい事があってココに残ったのだ
俺がココに残った意図を理解しているのかエンブリヲは彼女達がココから遠ざかるのを確認した後に俺と向き合い笑みを浮かべて来た
………奴の笑みなど殺意しかわかない為、早々に口を開いた
「今回の侵攻の情報をどこで掴んだ?いくら貴様でもアチラ側から開かれては場所など特定できまい」
「ふふふ、確かにアチラ側から門を開かれてしまえば此方は、後勢に回ってしまう。だがら、各国は出現場所を特定させないために特殊な電波を飛ばしてドラゴンが直接国に攻めてこない様にしているのだよ」
「そんな事は聞いていない…………どうやって出現場所を特定、いや、あちら側に伝えた」
懐から銃を取り出しエンブリヲに構えた。……過去の日記を読み返すに奴に銃は聞かないとわかっているが今回は試したい事がある
「やはり私の支配から抜け出していたか……人間でありながら創造主の支配から抜け出すとは流石はイレギュラーと言った所か」
「あぁ、おかげで最悪の日々を過ごせたさ………言え、アチラ側と連絡が取れる第三者の居場所を!」
奴からして見れば俺の行動など無駄な抵抗に見えるだろう。現に奴は、笑みを零しながら俺の質問に答えようともせずにニヤ付いた笑みを耐えずに俺に送ってきているのだから
「最悪の日々?なにを……むしろ最高の日々であったろうに!貴様がテロリストだと言う事も受け止め愛し支えてくれる人まで作ってやった私に対して感謝されど恨まれる筋合いはない筈だが?」
「……そうだな、貴様が与えてくれた日々は俺が送りたかった平和な日常を形にしているようで居心地が良かった。だけどな……博士が死に世界に復讐をすると決めた日から俺は平和な日常を捨てた!俺がこれから歩んでいく世界に平和な日常など要らない!」
「ッ!なっ!」
拒絶の言葉と共に撃ち出された弾丸はエンブリヲの四肢を撃ち貫き壁へと縫い付けた
「……俺では、貴様を殺す手段は見つからなかったが………貴様が復活するにはある条件がある事に気づいた」
立て続けに両太腿、腹、両手と致命傷になる場所を避けてエンブリヲに楔を打ち込む
「それは『死亡したら』と言う条件だ。……そこで俺は、貴様は死亡する度にスペックの身体、もしくは命を取り換えているのでないか?と言う仮説を立てた。その結果がこれだ」
壁に縫い付けられ一向に抜け出そうとしないエンブリヲの姿を見る限り、俺の仮説は正しかったと思える。
「貴様……ッ!」
「次元跳躍論、幸いブラック・サレナが次元跳躍を行える機体だから浮かんだ足止めの方法だが……流石に殺すまで調べる時間はなかった。だが、俺が脱走するには十分な時間は得られただろう。………助けがくるまでそこで待っているのだな」
ブリーティングルームを飛び出した俺は、直ぐにブラック・サレナへと乗り込まずに廊下、如いては俺が捉えられ拷問を受けていた地下室へと足を進めた
このまま、脱走しても良かったがエンブリヲの手に捉えられている第三者に俺は心当たりがあり、助けられた恩もある為、俺は貴重な時間を割いてまでも彼女の救出へと向かったのだ
地下室へ向かう道柄、近衛兵や見回りの衛兵とすれ違うが、今の俺は〈ダイアモンドローズ騎士団〉の副隊長。怪しまれることもなく難なく地下牢屋に辿り着いた
エンブリヲが使用していた地下室まであと少しの所で俺の恩人であり、逃がした筈の女性を見つけ出す事が出来た
「……俺との処遇の違いに納得がいかないが、この際どうでもいいだろう」
「―――ッ!――ッ!」
一般的な牢屋の中には両手を鎖で吊るされ
長い時間、拘束されていた様でリィザは力なく崩れ落ち身動きを取ろうとしなかったが、しばらくすると震える手で口の拘束具を取り外した
「く…はぁはぁ……黒のモノよ、なぜ……?」
「俺は恩人を見捨てる様な男ではないと言う訳だ」
近くに供えられていた水の入った桶から水を掬い出し彼女の口に当てて飲ませてやる
人間の医学がドラゴンに通じるかわからないが、いまの彼女は軽度の脱水症状を起こしている様に見えた
「あの後なぜ逃げなかった。エンブリヲが〈アルゼナル〉へ出向いていたあの状況で貴様がアチラヘ帰る隙があっただろうに?」
「そ、それは……「彼女を責めないで欲しいな?」ッ!」
糞がっ!もう時間切れか!
彼女を背に庇うように隠しながら振り向けばブリーティングルームで貼り付けにした筈のエンブリヲが普段と変わらずのまま…縫い付けた際に出来た筈の傷もないまま、そこに存在していた
「……どうやって死んだ?四肢を拘束した筈だが?」
「なに人は簡単に死ぬと言う事さ………舌を噛んだりしてね?おかげで死ぬまでに時間がかかってしまったよ。はははは!」
顔に手を当てて高笑いを始めるエンブリヲとは違い、俺はなぜ奴に
奴に触れる事でまた、偽りの気持ちを産み付けられると思って本能的に奴に触れる事を拒んだのだ
頭を抱えて笑っていたエンブリヲは、呼吸を落ち着かせると此方に手を伸ばしながら俺達を見下ろしてきた
「さて、私としてはアキトにはまた
「なっ!」「…………」
驚き彼女に顔を向けると俺と視線を合わさない様に視線をズラした
その行動が全てを物語っており、彼女がココにいる理由、捕まってしまった理由、仲間に嘘の情報を流してしまった理由までもが………全て俺の為にやって起きた事だと理解してしまった
「恩などッ!感じるなと言っただろうがッ!」
「ふふふ、それでどうするかね?言っておくが同じ手を二度も行える程、私は甘くは無い。それに……君が私の言葉に頷かない限り私は君の事を警戒し続けよう」
「ッ!」
あの時は、奴の油断もあって成功した様なモノだ。……俺の一挙一動全てを警戒された今、もう不意打ちは期待できない!
俺の後ろに隠れるリィザに視線を送れば震えながら己が運命を受け入れたかの様に深く眼を瞑り震えていた
……道が無いと言う訳ではない、だが上手く行くとも限らない。可能性としてはハーフ&ハーフ。確実性を求めるのであれば………避けた方が良い道だが震える女性を目にして引いてしまったら男が廃ると言うモノだ!
「些か強引な手にもなるし貴様に手口を知られるのも気に喰わないが背には代えられないか……」
「なにぃ?」
怪しむエンブリヲに向い手を翳しイメージを固める。
奴の認識がヴィルキスのデッドコピーであり、次元跳躍の行える独自の進化を遂げたパラメイル止まりであれば………道はまだある!
「来いッ……ブラック・サレナ!」
「なん…だと!?」
空間が歪み先に飛び出してきたのはパラメイル用の巨大な弾丸、それの後に続くように漆黒の機体が空間を侵食しその姿を現したのだ
「その機体は独立稼働が可能なのかッ!それも単独での次元跳躍が可能だとでも言うのか!ッ!グぁッ!」
空間が限られた狭い地下に8m級の機体が収まるスペースなど無く天井や壁を砕きながら出現したブラック・サレナは地下牢屋の崩壊を意味しており、更にはエンブリヲを牽制する為に弾幕を張っている為、地下の崩壊を早めていた
「……これが俺の奥の手だ。来い、リィザ・ランドック!」
「ッ!はい!」
リィザの手を引きブラック・サレナの操縦席へと乗り込む。
救出人物も脱出ルートも確保した今、ここに長居する必要はない!
この領域から離脱をはかる為にハッチを閉め、次元跳躍の準備を行おうとした時――――――――――――――――
「只では行かせないぞ!アキト・ミルキーウェイ!」
「ッ!ズェァァァァッ!」
4つの爆発音が響いた瞬間、俺の手足に取り付けられた爆弾が爆発し、ブラック・サレナのコックピット内を真っ赤に染め上げた
イメージしていた光景は痛みによって吹き飛び、頭の中が痛覚だけで一杯になった
――――俺は懸念していたのだ
奴が俺を欲している理由は、メイルライダーとしての腕であり、その生命線である手足を奪いはしないと……だが、現実は、違った。
刃向う者、敵対する者は容赦なく切り捨てる――――それがエンブリヲであるのだと
「グゥゥゥッ!アガァァァ…」
繋がっている事が不思議なくらい焼き爛れた腕で、俺の心配をするリィザの手を掴み操縦桿を握らせる。………俺以外の人物では初めて行う行為で、何が起きるか定かではないが、エンブリヲに捉えられるよりかわ遥かにマシだ!
「イメージを固めろッ!貴様の行きたい場所を思い描け!そして唱えろ!」
「な、なにを「早くしろ!」ッ!はい!」
何をするつもりか理解していないリィザを黙らせ俺の代わりにイメージを固めさせる
そして唱えた―――
「「……jumpッ!」」
成功したかはわからない、もしかしたら跳躍出来ていないかもしれない
だが…………俺が意識を手放す瞬間に見えた風景は驚愕の表情を浮かべるエンブリヲではなく澄み渡るような青空だった事は覚えていた
今回書いていて思った事……
没ネタ
……道が無いと言う訳ではない、だが上手く行くとも限らない。可能性としてはハーフ&ハーフ。確実性を求めるのであれば………避けた方が良い道だが震える女性を目にして引いてしまったら男が廃ると言うモノだ!
「些か強引な手にもなるし私の主義に反するが、背には代えられないか……」
「なにぃ?」
怪しむエンブリヲに向い手を翳しイメージを固める。
奴の認識がヴィルキスのデッドコピーであり、次元跳躍の行える独自の進化を遂げたパラメイル止まりであれば………道はまだある!
「ビックオー!アーックション!」
「なん…だと!?」
……ごめなさい
作品が違いますね