ただ推しを救うために紡ぐ糸   作:ティファールは邪道

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6話:日常と疑問

さなが織崎家の協力で二葉家と絶縁し、織崎さなとなってから二週間が経ち…

 

織崎家の朝は、少しだけ賑やかで幸せなものになっていた…

 

「……あ、悠人くん。おはようございます」

 

エプロン姿のさながキッチンから顔を出す…

 

以前の彼女を支配していた、消え入りそうな透明感はもうない。頬には健康的な赤みが差し、その瞳はしっかりと「今」を見つめていた

 

「おはよう、さな。……今日も早いな…なに作ってるんだ?」

 

「はい。お義母様から昨日教わった水出汁が良い感じに出来たので、折角だからということでお味噌汁作ってたんです。あの、迷惑、じゃないでしょうか…?」

 

「まさか。父さんなんて、さなの料理が楽しみで仕事の効率が上がったって豪語してたぞ?」

 

悠人が笑いかけると、さなは「えへへ……」と、花が綻ぶような笑みを見せた。食卓の下では、すっかり毛並みが良くなったゴローがあくびをしながら体を伸ばしていた…

 

__________

 

ー~♪

 

「ん?」

 

時が進み、放課後…

いざ帰ろうかと思った矢先に、悠人のスマホのSign(現実で言うLINE)にメッセージが届いた…

差出人は、さなだった

 

●さな:今夜、こんこん焼き作るので、納豆お願いします。後、入れたいのがあれば買って来て良いですよ?

 

そのメッセージをみて、悠人はすぐに返事をする

 

○悠人:了解です。納豆はいつも通り小粒で良い?後、キムチと大葉、チーズとベーコンも買って良い?

 

その返事はすぐに来た

 

●さな:小粒で大丈夫です。…ベーコン?良いですけど…合うの?

 

○悠人:だって肉食べたいし

 

●さな:お義母様が生姜焼き作るのでベーコンは無しで

 

○悠人:りょ

 

メッセージによるやり取りをした後、悠人は鞄を持ち出ようとする

 

「あ、悠人もう帰るのか?」

 

「うん、買い物頼まれたからもう行くわ」

 

隣の席の健太の問いにそう返しながら席を立つ悠人

 

「そっか、じゃあ近い内遊ばない?最近ゲーセンで新しいのが出たらしいぞ?」

 

「マジ?行く行く!…んじゃあ、今度の土曜日行こうぜ?」

 

「OK、またきまったらつたえるわ」

 

健太の言葉に悠人はそう返しながら教室を出るのであった…

 

______

 

「えっと、キムチ買った大葉買ったチーズ買った…これで全部かな?」

 

買ったものを確認しながら、商店街を歩く悠人…

買い忘れたものがないことを確認した彼は、ふとさなのことを考える

 

ーあの子、ほんとに良い子だよなぁ…

 

織崎家の一員になってからというもの、彼女は控えめなままながらも明るくなった…

なんかいつの間にか家の味まで教えられてるし、学校でも少ないながらも話し相手が出来たとかいってた…

近いうちに友達も出来るだろう…

 

「?あれ…そうなったらさなは魔法少女になることはなくなる…?」

 

ーげ、原作大丈夫かな…?

 

さなが魔法少女にならなくなる、という可能性が産まれたことを危惧してしまう…

 

「…いや、そうなったら俺がさなの代わりになれば良いのか…?」

 

ーだとしたら早く発を作らないとなぁ…

 

そんなことを考えながら歩く悠人…

そのときだった

 

「あ、悠人さん」

 

下校途中だったのだろう…

さなとばったり出会った

 

「あ、さな…さなも帰り?」

 

その問いにうなずくさな

 

「はい♪クラスメイトが勧めてくれた歌手のCDを少し見に来たんです」

 

確かに、さなが出てきたのは珍しくCDなどが売られている音楽ショップだった…

 

「?…Y○uTubeじゃ駄目なの?」

 

悠人のキョトンとした問いに、さなは自然と目が遠くなる…

 

「…そのクラスメイトに、CDの良さを延々と説かれちゃって…」

 

「えっと…お疲れ様です…」

 

その哀愁を漂う表情に思わず敬語で労る悠人であった…

 

「それで?そのCDはあったの?」

 

「あ、うん…視聴可能だったから聞いてみたけど、結構響いたかな?」

 

それとなく話題をそらすために、CDについて聞く悠人

さなもそれを聞いて戻ってきたのか、詳しく話す

 

「響いた?…ロック系かな?」

 

「うん、雪野かなえって人がボーカルなんだけど」

 

「へ?」

 

「?どうしたの?」

 

固まる悠人にさなの言葉が響くも、それすらも悠人は気付かなかった…

 

だって、雪野かなえは…

 

ー既に死んでるはずじゃ…?

 

マギアレコードが始まる、2、3年前に亡くなってる筈なんだから…

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