リムルに喰われる悪魔に転生してしまった……   作:てきとーでいこう

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転スラの二次創作を読み漁った結果、自分でも作るか、という勢いでできた作品です。
感想や評価をいただけるととても嬉しいです


注意!!!!!

この物語はめちゃくちゃにネタバレを含みます。
それをご了承ください。


冥界編
死の運命


 

 

 最初から知っていれば……みたいなことを考えたことはないだろうか。

 変な例えかもしれないがテスト勉強をしていたときどの範囲を重点的にやるか悩み、選んだのとは別の範囲が多く出た、みたいな感じだ。

 

 いきなりなんでこんな話をするのか、疑問に思うだろう。

 それは単純明快、今の俺に関係があるからだ。

 

 さて、簡潔に今の俺の状況を説明するとすると

 

 

 

 今にも死にそうな青年。

 

 

 

 これが1番しっくりくるだろう。

 

 簡潔に述べると、トラックに撥ねられた。

 

 不謹慎だがラノベをこよなく愛する俺からすればさまざまな作品で取り上げられている死因だ。

 まさか俺自身がそんなことを体験すると思いもしなかったが。

 

 ぶつかった時の衝撃はすごかった。

 こりゃ人は死ぬわ、と体感して納得してしまうほどには。

 

 物理で運動エネルギーは速度×質量だってならったがトラックとなるとここまですごいのか。

 ポ◯モンでの体当たりの超強化版みたいなものだ。

 

《確認しました。打撃耐性を獲得……成功しました》

 

 何やら声が聞こえる。

 こんな事故が起こったんだから当然と言えば当然か。

 

 ……あぁ、体が暑い……いや、寒い?

 自分でもよくわからない感覚に包まれる。

 

《確認しました。耐熱耐性、耐寒耐性を獲得……成功しました。スキルが進化し熱変動耐性exを獲得しました》

 

 ポケ◯ンやら物理やら考えたが体は正直だ。

 どうにか現実逃避しようと俺のちっぽけな頭をフル回転させても体は遠慮なく痛みを訴えてくる。

 

 あまりにも受け入れ難い現実に一周回って冷静になっていた俺からすれば全力で拒絶したいものだ。

 

《確認しました。痛覚無効を獲得……成功しました》

 

 視界が血で滲む。

 頭から出血しているのか。

 死という終わりが迫っているためか変に感覚が研ぎ澄まされているため自身からどんどんと血液が失われているのがわかる。

 突飛な考えだが体がなきゃこんな喪失感を味合わなくて済んだんだろうか。

 

《確認しました。肉体を捨て精神体(スピリチュアルボディ)を作成……成功しました。物理攻撃耐性が物理攻撃無効へと進化しました》

 

 あぁくそ。

 周りうるせぇぞ。

 そんなだべってんだったら救急車呼べ救急車。

 

《救急車への連絡……失敗しました。代行として思念伝達を獲得……成功しました》

 

 なんか幻聴も聞こえる。

 死に際にそんな幻聴聞くほど追い詰めらちゃいないと思うんだがな……まぁ死ぬ時は皆んなそうなのかもしれない。

 

 はぁ、なんでよりにもよって今日なんだよ。

 転スラの最終巻でたから買いにいこうって出たのが悪かったのか?

 早く読みたいと思って出向いたが死ぬと知ってたら来なかったぞ……

 

 ……あぁ、最初からこうなるってわかってればな……

 

 それな無茶な話だと分かっていながらも俺はそう考えてしまった。

 

《確認しました。ユニークスキル『預言者(アテルモノ)』を獲得……成功しました》

 

 あてるもの?

 おいおい、マジで転スラみたいじゃねぇかよ。

 好きではあったけどまさか死ぬ間際に幻聴として聞こえるくらいのめり込んでたとはな。

 

 この世界で生きてきて十数年。

 周りに流されながら生きてきた。

 ゲームとかは好きだったがずっとやりたい、これだけは負けられない、そういった熱中できるものはなかった。

 

 次の人生では夢中になれるものがあればいいな……

 

《確認しました。ユニークスキル『夢中者(ムチュウニナルモノ)』を獲得……成功しました》

 

 ったく。

 どうやら俺の幻聴は最後までうるさいらしい。

 

 ……けど、最後静かに寂しく死ぬ、みたいじゃなかったのは少し嬉しいかもしれない。

 

 そんな思いを最後に俺は2度と目覚めぬ眠りについた。

 

 

 

 ──はずだった。

 

 

 

 なんだ、ここは。

 

 ぼんやりとした意識の中ふと浮かんだその疑問。

 本来なら帰って来ず……そもそも返事も期待していなかった俺の問いに答えたのは……

 

《解。ここは悪魔族(デーモン)の集う冥界です》

 

 !?

 

 男なのか女なのかわからない中性的な声だった。

 なんの抑揚もなく感情も感じないまるで機械のような……

 

(なんなんだ、お前は神様……なわけねぇよな)

《解。ユニークスキル『預言者(アテルモノ)』です》

 

 俺の荒唐無稽な質問に、その冷徹な声……『預言者(アテルモノ)』は端的にそう答える。

 

(ユニーク……スキル?)

《是。現在、主人(マスター)が獲得しているユニークスキルは『預言者(アテルモノ)』と『夢中者(ムチュウニナルモノ)』の2つです。権能を確認しますか? YES/NO》

(権……能? それにさっき冥界とかいってたな)

《是。主人(マスター)は現在冥界に存在しています》

(…………)

 

 ……どうやらこの『預言者(アテルモノ)』は俺の質問に答えてくれるらしい。

 感情もない機械のように冷徹な声で。

 

 俺は、知っている。

 ユニークスキルも冥界も。

 なんせ俺の大好きなラノベの一つだからな。

 そりゃ一度は妄想したことはあるさ、その世界にもし自分がいたらって。

 

 あのとき、俺は間違いなく死んだはずだ。

 あの喪失感は死以外で感じることはできないだろう。

 奇跡的に死んでなく病院にいたとしてもこんな変な状況にはならない。

 

 要するにこれは現実である、ということだ。

 

 とどのつまり、俺は──

 

 転スラの世界に転生してしまったらしい。

 

 いやなんでだよ。

 死んだら全員こんな風に転スラの世界に行くのか?

 だとしたら転生者溢れることになりそうだが。

 

 とかんなこと考えてる場合じゃねぇ!

 必要なのは現状確認だ。

 転スラの世界はほのぼのしているように見えて結構殺伐としている。

 国家も当然だが利権やらなんやらが絡んでくる。

 そんな世界で自分の状況もわかっていないのは自殺行為に等しい。

 

 俺が所持しているっぽい『預言者(アテルモノ)』に聞けばある程度答えてくれるだろう。

 リムルが所有していた『大賢者(エイチアルモノ)』と似たような自立型のスキルっぽいし。

 本当にありがたい。

 俺だけなら現状の把握とか無理だし。

 

(権能……も気になるけど今の俺が置かれている状況についてわかっていることをできるだけ教えてくれ)

《解。現状、主人(マスター)悪魔族(デーモン)として冥界に存在しています》

(ふむふむ、それで?)

《現在把握できる情報は以上です》

(え、これだけ!?)

 

 いきなり詰んだかもしれん。

 今俺についてわかってるのは悪魔族(デーモン)としてある程度のスキルを持って冥界にいるということのみ。

 冥界についても悪魔たちが争いまくっているという知識しかない。

 自分が今どこにいるのかもわからないわけだ。

 クッソ、原作で冥界旅とかやっててくれれば多少はマシだったかもしれないのに。

 

 けどわからないものは仕方ない。

 『預言者(アテルモノ)』にわからないものは俺にもわからないだろう。

 冥界門とかの場所がわかればいいけど……いや、今の俺が出てもまともに肉体を維持できないだろうから無意味か。

 悪魔の頂点に位置する原初でも現世での顕現は難しいみたいな描写あったもんな。

 

 生まれたばかりの木端悪魔にそんな難しいことはできるはずない。

 

 できないとことはほっといて今できることをしよう。

 現状確認の続きだ。

 

(じゃあ権能とかスキルとかそういった情報を教えてくれ)

《解。現在、主人(マスター)が所有しているスキルおよび耐性は

 

◇ユニークスキル◇

 

 ◯預言者(アテルモノ)

 【思考加速】

 知覚速度を通常の1000倍に引き上げる。

 【運命観測】

 自身に起こる未来を観測する。

 尚、制限が多く多用できない。

 【未来予測】

 様々な情報をもとに演算を行い、未来を予測

 する。

 【解析鑑定】

 対象を解析、鑑定する。

 【森羅万象】

 この世界の、隠蔽されていない事象の全てを網羅する。

 【詠唱破棄】

 魔法等を行使する際、呪文の詠唱を必要としない。

 

 

 ◯夢中者(ムチュウニナルモノ)

 【夢中領域】

 半径10メートル内での権能の性能を大幅に

 引き上げる。

 また、身体能力も大幅に上昇する。

 【思考加速】

 知覚速度を通常の1000倍に引き上げる。

 【自己進化】

 一定の魔素量に達すると自己進化できる。

 

 ◇エクストラスキル◇

 ◯『魔力感知』

 

 ◇コモンスキル◇

 ◯『思念伝達』

 

 ◇耐性◇

 ◯物理攻撃無効

 ◯精神攻撃耐性

 ◯熱変動耐性ex

 ◯痛覚無効

 

 以上です》

 

 うーむ、もりもり。

 というか情報量が多すぎて対処できない。

 

《問。『思考加速』を使用しますか? YES/NO》

 

(お、ナイス『預言者(アテルモノ)』よろしく頼む)

 

《了。『思考加速』を使用します》

 

 その言葉が脳内に響いた瞬間、頭の中で情報がすごい勢いで整理されていく。

 これが『思考加速』を使う感覚か……ちょっと感動するわ。

 これでちゃんと権能を整理……ん?

 

(なぁ『預言者(アテルモノ)』、この思考加速って『預言者(アテルモノ)』と『夢中者(ムチュウニナルモノ)』のどっちを使ってるんだ? どっちも権能に『思考加速』が組み込まれてるけど)

『解。現在は『預言者(アテルモノ)』の思考加速を使用しています。『夢中者(ムチュウニナルモノ)』、その他のスキルとのリンクを構築し、『思考加速』およびその他の権能、スキルの補助を行いますか? YES/NO』

 

 どうやら思考加速は片方しか使用できないらしい。

 『思考加速』と『思考加速』を掛け合わせて1000×1000で100万倍とか安直に考えたりしたけどやっぱダメだったか。

 けどどうやら『預言者(アテルモノ)』で『夢中者(ムチュウニナルモノ)』とか『魔力感知』とかとリンクを構築して補助してくれるらしい。

 リムルが最序盤に『大賢者(エイチアルモノ)』と『捕食者(クラウモノ)』でのリンクを構築してたしそれに似たようなものだろう。

 それなら問題ない。

 

(YESだ)

 

 はてさてこれでリンクを構築したわけだがその成果は……うーん、ちょっと視界が広がってその維持が楽になったくらい?

 相変わらずくらいからそこまで劇的に変わったって訳じゃないっぽいな。

 周りを見渡しても誰もいない。

 冥界だから悪魔がたくさんいるんじゃないかと思ったけど結構バラけてるのな。

 まぁすぐに攻撃されて死ぬみたいなことがあるととても困るからいいんだけど。

 悪魔が死んだら復活までに数百年かかるっていうし。

 

 そんなことはさておき、パッと確認した権能の中に気になるものがある。

 

(この運命観測ってやつ今使えるの?)

《解。使用可能です。しかし一度使用すると次使用するまでにかなりの時間を要することとなります。それでも使用しますか》

(ちなみにその時間ってどれくらい?)

《約10年です》

 

 いやなげぇよ!

 10年か……けどまぁ未来を知るって権能がそう簡単には発動できる訳ねぇよな。

 

(ちなみにそれってリンク構築前? 後?)

《後です》

 

 後かぁ。

 ワンチャン短縮できるかなと思ったんだけど……。

 けどまぁ10年ごとに未来を知れるならとてもよい権能だ。

 

 で、使うかどうかだけど……まぁ使いたい。

 権能を使うとどんな感じになるのか早めに知っときたいってのもそうだけど今後の活動の方針を考えるにも利用したい。

 未来に必ずしも幸せな未来が待っているって訳じゃないからな。

 もしここでケチって不幸な目にあったらたまったもんじゃない。

 

(使うよ)

《了。運命観測を使用します》

 

 その次の瞬間、真っ暗な視界に色が灯る。

 規則正しい石畳に綺麗な街並み……そして目の前に天使……ん?

 ちょ、ちょっと待て!

 天使は天使だがあれ魔王進化して魂の秘術をしてるリムル(ラファエル)じゃないか!?

 あ、ってことは俺の前にいるのってディアブロ?

 んじゃあ俺はディアブロと一緒に召喚された悪魔ってことか……

 

 詰んだ。

 

 やばいやばいやばいやばい!

 ディアブロはともかくお供はやばい!

 ディアブロの提案でリムルに吸収されてエネルギーに変換されちまう!!

 

 え、なんで俺いきなり死ぬ運命になってんの?

 

 心の中で俺の心からの声が寂しく響いた。

 

 




ステータス
種族:下位悪魔
名前:なし
称号:なし
魔法:なし
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
   精神攻撃耐性
   熱変動耐性ex
   痛覚無効
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