リムルに喰われる悪魔に転生してしまった…… 作:てきとーでいこう
「さよならってもどうするか」
そう、予定が何もないのである。
今までは修行が終わったら次の修行、という感じでそもそもその修行の内容も濃いから予定に悩むことがなかった。
ひたすら目の前のことに集中していた。
……が、それが一気になくなったのである。
今までつめつめだった予定が急に無くなった。
要するに暇なのである。
何かやりたいことがあるってわけじゃねぇしな。
ここから地上に行くってのもありっちゃありだけどそこまで長く滞在できねぇんだよな。
原初でさえ長くはいけないんだから。
だとすると俺の次の目標は進化することか?
今俺は
いやいや、ないな。
目標としてはいいけど実際それを目指すとしたらひたすら殺戮の日々である。
原初の濃すぎる修行内容を経験した俺からしたらそれは退屈極まりない。
なるほど、原初たちも皆こんな気分だったのか。
今となってわかる。
長命種にとっての天敵である暇の恐ろしさが。
時間はあるのにその時間を活かせるものがない。
そりゃ勢力争いでもなんでもやりますわ。
暇から逃れられるんだから。
どうするかな。
前はこういう時どうしてたっけ。
あ、そうだ『運命観測』!
修行に夢中で完全に存在忘れてた!
よし、久しぶりにやるか。
(『
《了。『運命観測』を開始します》
はてさて、久しぶりの『運命観測』だ。
一体どんな未来が待っているのかな?
視界が濁り、新たな景色が見えてくる。
全くもって懐かしい。
前はまだ死ぬ運命なのか?
とビクビクしていたが今では全くもって余裕だ。
何せ本気ではないとはいえ
逃げることくらいならできるだろう。
お、写ってきたな。
視界が晴れる。
ここ冥界とは違って真っ白な世界だ。
ここは……どこだ?
見たことがない。
こことは違う、まるで別の世界のような印象を受ける。
横には……
おい待て。
ついさっき別れたばっかなんだが?
なんでさらっと合流しているんですかね。
というか
なんてことを考えていると
『へぇ! 君、面白いね』
!?
声!?
声がした!
なんでだ?
『運命観測』中で会話なんて今まで聞いたことないぞ!?
俺が進化した影響で『運命観測』も強くなっているのか?
いや、でも
ってことは向こうから話しかけてるって考えるのが自然か。
……んん?
え、俺未来を見てるんだよな。
なんで向こう未来から過去に向けて話しかけてんの?
しれっと俺の『運命観測』認知してるし。
『過去の君とはすぐ会うことになるだろうね。楽しみだよ』
ちゃんとこっちのこと認知してますね、はい。
もう確実に。
過去とか言ってるし。
で、そんな過去に会話を残したり過去からの観測を認知したりできるやつは俺、この転スラ世界で2人しか知らないんですよ。
1人は勇者。
時間関係の権能を使ってリムルが死なない世界線を探し続けているリムルラブ勇者。
でもその勇者は違う。
アニメでその声が出されているが明らかに俺に向けて話しかけてきたやつじゃない。
男とも女とも言いづらい中性的な声。
となると残るは1人だ。
何回も俺の中で話題に上がっていてこの世界でリムルと同じくらい強いであろう存在。
この世界の神である星王竜ヴェルダナーヴァ。
そいつに今、俺は認知されたのだ。
これって未来のヴェルダナーヴァは知ってるだろうけど現在のヴェルダナーヴァは知っているのだろうか。
正直ヴェルダナーヴァなら何やらかしてもまぁヴェルダナーヴァだし、と思うくらいには出鱈目認定してるんだが。
《以上で『運命観測』を終了します》
なんてことを考えていると『運命観測』が終わった。
というかこれ俺が今『運命観測』しなきゃワンチャン認知されずに済んだのでは?
今日俺が未来を覗くことも含めて運命ということなのか。
まぁいいか。
リムルに喰われる未来を回避したみたいに運命を変えることはできるけどヴェルダナーヴァから逃げる理由はないしな。
といかリムルはともかくヴェルダナーヴァからは逃げられる気しないし。
俺が全力で逃げたとしても『やぁ』なんて後ろから声かけてきそう。
うん、諦めよう。
──で、だ。
「一体いつまでストーカーするつもりですか」
「ふむ。気づかれていましたか……ところでストーカーとは?」
「隠れて相手を尾行することです」
「なるほど」
隠れて俺を追いかけていた
全く、いつかは来ると思っていたがこんなに早くくるかよ。
「それで俺をつけ回して成果はありましたか?」
「先ほどの〝未来予知〟らしきものが見れて私は満足です」
だよなぁ。
そりゃ俺が『運命観測』するとこ見られてたよなぁ。
これが
あの人が手に入れたらそれこそ手がつけられない。
まぁ
それだと俺の存在意義が消えるんよ。
今の俺の立ち位置は未来を視れる悪魔、なのにその上位互換が出てしまう。
同じく未来が見えて俺より意思が強くて戦闘も強い。
うん、文句なしの最強だね。
だとしてもまぁ10年に一度だけど。
いや、
未来ではリムルが理不尽だとかなんだか言ってるけどアンタも大概だぞ。
「それで、いつまでここにいるつもりですか。もう満足してんですよね?」
「えぇ。ですが今あなたを見てもう少し楽しめそうだと思いまして」
「遠慮させてください」
「あなたも暇してますよね。クフフフフわかりますよ?」
「してますけどあなたみたいに戦闘狂じゃないので」
「おや、残念」
よし、納得してくれた。
これでしばらくは大丈夫──
「なわけないですよねぇ?」
「クフフフフ」
それに対して
丁寧にこちらの種族性能に合わせている。
その技術をもう少し別のものにできなかったのか。
いや、今更か。
「わざわざこっちに合わせてくれてありがとうございますね!」
「種族を盾に蹂躙しても楽しくないじゃないですか」
「私にはまだ早い感覚ですね」
「いつかわかると思いますよ?」
そうなると
味方陣営でもこいつダルってなる時あるからな
悪魔三人娘からも頼られてるけどだるいって感じだったし。
うん、いやかな。
戦闘は生き残るためにするものであって娯楽でやるもんじゃないからな。
「クフフフフ。
「けど私一回も勝ててないんですよ」
「
「いや、未来で私の800年を簡単に乗り越える化け物がいましてね……」
他でもない
俺のことに執着されても仕方ないので主人公に押し付けてしまおう。
どうせストーカーされるんだ。
だったらそれが数千年早まったって同じことだよね。
「ほう?」
ほら、ちゃんと興味持ってくれたよ。
これで俺と同じ原初に目をつけられたやつだね。
頑張ってくれよ主人公。
俺と相棒と違ってまだ1人だ。
問題ないだろう?
まぁ、1番絡まれると面倒なやつだけど。
「因みにその方はどのような?」
「今教えても面白くないでしょう? あなた様はそういう性格だ」
「クフフフフ」
自分で探し回る方がいいだろう。
「時期も言いません。というかその時期私知りませんし」
「知ってても言わなくて結構ですよ。面白くなってきました」
「じゃあそいつの捜索に行ってきたらどうですか?」
「いえいえ、それはそれとしてあなたにも興味はありますので」
チッ!
完全には興味を移しきれなかったか。
けどやらないよりはマシだろう、多分。
今思えば俺も成長したものだ。
『運命観測』で原初勢揃いを見た時はどうなることかと思ったがまさかこんなふうになるとは。
やはりというべきか自分と同じスペックならば戦いやすい。
「そろそろ帰ってくれないですか?」
面倒になってきたので俺は暗黒魔法を使う。
「いえいえ、まだまだこれからでしょう」
俺の魔法をしっかりと相殺して再び
魔法を使ったからそのまま魔法で攻めてくるかと思ったが
戦闘技術大好物の
そのまましばらくあしらっていると向こうは満足してくれたのか『また来ます』と言って帰っていった。
2度とこないでほしい。
初めて絡まれた今日でももうやだと思ってたのにそれが繰り返し不定期に戦いを挑んでくるんだろ?
面倒行ったらありゃしない。
早く主人公のとこに行ってほしい。
リムル〜早くこの世界に来てくれ。
そんであの変態をなんとかしてくれ。
「暇だしな。久しぶりに
他にも
今相棒は
よし、行こう。
そう思い懐かしの
「あ、ちょ、ちょっと助けてくれ!」
青ざめた顔の相棒がいた。
なんでこうなってんの?
というか今日で100年経ってるはずだからもうそっちの修行も終わってるはずじゃ?
と思い聞いてみると
「いや、それはそうなんだけど
「あの程度の出来で私が許すとでも思っているのかしら」
相棒の声に被せるように
なるほど、魔法講義から逃げてきた感じな。
相棒は理論ってより感覚でやるタイプだからな。
きっちりした理論とかどうでもよくて威力さえ出ればいいって考えの
そういうタイプの相棒には魔法講義はきついものがあるのだろう。
けどその魔法講座はとても役に立つのである。
頑張って欲しい。
「まぁ、頑張れ」
「お前、裏切るのか!?」
「いや裏切ってねぇよ」
「裏切りだぁー!」
「うるせぇ」
うるさい相棒の口を塞ぎそのまま
今
様子見れて満足したし。
そう考えた俺は
ステータス
種族:悪魔公
名前:なし
称号:なし
魔法:『元素魔法』『暗黒魔法』
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』『疾走者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
精神攻撃無効
状態異常無効
自然影響無効
痛覚無効