リムルに喰われる悪魔に転生してしまった……   作:てきとーでいこう

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転スラって用語多いから難しいよね。

第一話で感想をいただき驚くと同時に嬉しく思っています。
お気に入りにしていただいている人もなんも複数、本当にありがとうございます。
自分は誤字脱字バリバリ起こすと思いますので気づいた方はこいつまたやってるよ、などと思いながら報告していただけると嬉しいです。

それでは本編どうぞ。


初の戦闘

 

 

 

《以上で運命観測を終了します》

 

 脳内に冷静で冷徹な『預言者(アテルモノ)』の音声が響く。

 が、俺の脳内は冷静なんてものじゃなかった。

 

 どうするどうする!?

 このままだとリムルにパックンチョされるぞ!?

 

 別にリムルが嫌いって訳じゃない。

 なんなら好きな部類だ。

 一から村を発展させて森の主などに成長していく、その人徳……スライム徳もあり非常に好感を持てる。

 

 けど!

 だからと言って!

 そのままおとなしく喰われるのは無理!!

 

 というのが俺の結論だ。

 

 さてどうする。

 結局ここに問題は戻ってくる。

 

 このままだと俺はリムルに喰われる。

 それを回避するにはどうすればいいか。

 

 喰われるのを回避するのに対して1番簡単なのは召喚を拒否する、というものだ。

 けどはっきり言ってそれは現状不可能だ。

 今転スラがどれくらい進展しているのかがわからないため、自分の召喚タイミングがわからないというのが問題の一つ。

 もしかしたらたった今呼ばれるかもしれない。

 呼ばれることはわかっているがそのタイミングはわからない。

 まるで目に見えない奈落がすぐそこまで迫ってきているかのようだ。

 それもあって咄嗟に拒否できる気はしない。

 

 それだけでなくさらに問題が出てくる。

 

 それは俺がどの派閥に属するか、ということだ。

 悪魔(デーモン)にはその性格からいろんな色に分類されるらしい。

 俺はディアブロと一緒に召喚されるから黒に属するのだろう。

 小説でも黒は変人が集まるとか言ってたし、それでいえば転生者の俺は変人に当てはまるだろう。

 

 要するに俺はディアブロの配下という扱いになっている可能性が高いのだ。

 心では全く思っていないけど。

 

 そしてディアブロはリムル狂いである。

 それを踏まえて召喚を拒否した場合、

 

『崇高なるリムル様の召喚に応じないとはなんという無礼者!』

 

 とかなんとか言ってぶち殺される可能性がある。

 それも結構な確率で。

 

 だからといって召喚に応じたら喰われるわけだ。

 逃げようとしてもディアブロに100%捕まえられる。

 逃げられない訳だ。

 

 となるとそもそも召喚されないというのが挙げられる。

 リムルの召喚術では本来かなりの数が呼ばれるがディアブロが割り込んだことでたった3柱になっている。

 だったら残り2柱以上に強くなって対象外にしてしまおうというのが俺の考えだ。

 

 これは召喚までにある程度の時間があるという前提ではあるが仕方ない。

 弱ければ呼ばれないという可能性もあるのだがもともと冥界は殺伐としているという描写がある。

 悪魔(デーモン)同士で殺し合いをしているらしい。

 

 もしこのままだと簡単に殺されそうだ。

 何せ俺にはまともな戦闘経験がないんだから。

 しかも悪魔という精神生命体なのだからなおさらだ。

 

 召喚を除いた身の安全も含めて強くなるのは理にかなってあると思う。

 俺には『自己進化』という手段もある。

 できるだけ急いで己を鍛えて生き残ろうじゃないか。

 うまくいけば召喚前に現世に顕現して召喚を回避できるかもしれない。

 そうやって方針を決めた場合がどう鍛えればいいのだろうか。

 こういう時は『預言者(アテルモノ)』に聞くに限る。

 

(俺が強くなるにはどうすればいい?)

《解。主人(マスター)悪魔(デーモン)ですので長年生きていれば自然と強くなります》

(いや、そうじゃなくて急いで強くなる方法)

 

 ちんたらやってたら喰われる以前に殺されるかもしれん。

 今後のためにもディアブロと対面しても逃げられるようにしていきたい。

 召喚された場合の保険だ。

 

《解。他の悪魔(デーモン)と戦闘を行い、魔素を吸収しつつスキルや技術(アーツ)を鍛えることがよいと考えます》

 

 結局そうなるよな。

 ともかくこんな何もない場所からは移動しなければならない。

 ここでは何もできないままだ。

 

 俺は彷徨い続けた。

 この何もない空間を。

 

 しばらく移動するとただふよふよと漂っているヤツがたくさんいた。

 見た目は俺と同じなのだろうがそいつらには意思がなかった。

 

 ただただ彷徨うだけの存在。

 俺と同じ下位悪魔(レッサーデーモン)であった。

 本来なら下位悪魔(レッサーデーモン)はこのような存在なのだろう。

 意思のある俺が異常なのだ。

 

 だけど格上ではなく同格、しかも意識がなくサンドバッグになってくれるという点では非常にありがたかった。

 『預言者(アテルモノ)』の指導のもと、効果的な戦い方を身につけることができたからである。

 

 精神世界である冥界に集う精神生命体である悪魔(デーモン)との戦い方は至ってシンプル。

 自身のエネルギーを相手にぶつけてダメージを蓄積させるというものだ。

 そうすればいつか自分のエネルギーがなくなると考えてしまうがここ冥界はエネルギーで満ちているためその心配はないとのことだ。

 簡単に言えば器を壊す戦いらしい。

 こういう知識の抜けているところを『預言者(アテルモノ)』が補ってくれるのは本当ありがたい。

 

 俺の力を試し、そして高めるため意識のない悪魔(デーモン)を刈り続けながらあちこちを移動していた時、『預言者(アテルモノ)』から初めての情報が入る。

 

主人(マスター)に対する敵意を確認しました》

 

 敵意、敵対する意思。

 意思のある悪魔との初対面であった。

 

「よぉ! ハジメマシテ、んでサヨナラだ!」

 

 ソイツはそう一方的に言い放ち、戦いを仕掛けてきた。

 

(『預言者(アテルモノ)』! アイツを解析しろ!)

《了》

 

 『預言者(アテルモノ)』の報告によりいち早く反応できた俺は攻撃を避け、『預言者(アテルモノ)』に解析を命じる。

 

《告。解析が終了しました。対象は上位悪魔(グレーターデーモン)です》

 

 すぐに『預言者(アテルモノ)』から解析結果が返ってくる。

 結果はご覧の通り上位悪魔(グレーターデーモン)、要するに俺の格上の相手というわけだ。

 だが、だからと言ってそう簡単に負けるつもりはない。

 というよりも勝つつもりでいる。

 世にも珍しいユニーク二つ持ちを舐めるなよ!

 

「いきなり仕掛けてきて言うセリフじゃねぇとおもうけどな!」

 

 そう返しつつ、未来予測を発動する。

 視界がぶれ、相手の未来の動きがハッキリと視える。

 

 初めての戦闘、なんなら前世を含めて初めての殺意を向けられての戦闘。

 相手を煽りつつもその内心めちゃくちゃ緊張していた。

 

 学校での柔道や剣道の授業とは訳が違う。

 俺を殺すために繰り出される攻撃。

 

 もし前世でこれをやられていたら何もなさずに死んでいただろう。

 けど、それはあくまで前世の話だ。

 

 戦闘中、緊張はしていてもその思考は冷静で冴え渡っていた。

 なんなら高揚感さえ感じていた。

 

 これは悪魔(デーモン)の本能なのか、それとも隠れていた己の性格なのか……

 それはわからない。

 が、それが今役に立っているのは事実だ。

 ならば問題ない!

 

「おらよっ!」

「うおっ!? やるじゃねぇか!」

 

 互いに殴って殴られる。

 地味な光景だがこれが悪魔(デーモン)の戦闘だ。

 

 それが同格の相手ならば、の話だが。

 

(待て待て待て。こちとら未来予測しているんだぞ!? なんで避けきれてねぇんだ!?)

《解。種族としての性能の差です。思考加速に身体が追いついていません。本来は勝負にもなりませんが権能によりなんとか勝負として成り立っています》

 

 うーん、正論。

 この転スラ世界、種族の壁というのが結構大きい。

 進化前で苦戦した相手を進化後に瞬殺する的な流れもあるくらいだ。

 

 それで言えば格上とも言える上位悪魔(グレーターデーモン)に対して下位悪魔(レッサーデーモン)である俺がまともに戦っているのがおかしいのだろう。

 

「マジかお前! 暇つぶしに殺ろうと思ってただけだがこれほどとはな! しかも下位悪魔(レッサーデーモン)の癖に意志があるときた! そんな何回も召喚されたのか? 羨ましいなぁオイ!」

 

 未来を観測し、相手の攻撃を避ける。

 頭では理解しているが体がそれに追いついていない。

 多少攻撃が掠ってしまった。

 

 が、掠っておしまいというわけではない。

 お返しとして相手に攻撃を叩き込む。

 

「1人で盛り上がってるとこ悪いが俺は一度も召喚されたことねーよ! というか今召喚されないために強くなってんだ!」

「ほぉ? そりゃまた変人だな! 黒か!」

「んなこと知らねぇよ! そんな気はしなくはないがな!」

 

 言葉ではそう返していたが、その実、俺は焦り始めていた。

 種族の壁、それが起きる1番大きな要因は最大魔素量(マックスエネルギー)だと俺は思う。

 もちろんそれが全てというわけではない。

 神がかった技術(アーツ)を用いれば壁を超えて対抗することもできるだろう。

 

 ……が、今の俺にはそんな技術(モノ)はない。

 そして何より、俺は悪魔(デーモン)であるということだ。

 悪魔(デーモン)は精神生命体。

 つまり肉体を持たない。

 そんな悪魔(デーモン)の戦い方は互いにエネルギーをぶつけること。

 要するに最大魔素量(マックスエネルギー)が大きいほど有利なのである。

 単純に攻撃チャンスが多いからな。

 

(『預言者(アテルモノ)』、俺の残り魔素量はどれくらいだ?)

《解。魔素残量は約4割です》

(だいぶやばいな……ちなみに相手は?)

《解。約6割です》

 

 やばい。

 非常にまずい。

 

 (ランク)の影響は大きいと思ってはいたがここまでとは……

 知識としては知っていたがいざ体感してみるとまるで違う。

 

(『預言者(アテルモノ)』、この場からの離脱は可能か?)

《解。逃走のための能力(チカラ)を持っていないため不可能です》

 

 ダメ元で聞いてみたがやはりダメか。

 悪魔なんだから魔法で転移、みたいなできないかなと思ったんだけど……

 

《解。情報不足のため発動できません》

 

 だよなぁ。

 『預言者(アテルモノ)』の権能のひとつである森羅万象。

 これは隠匿されていない全ての情報を知る、というものだがその実実際に目にする必要がある。

 一度知れば発動できるが知らなければ何もわからない、ということだ。

 図書館とかにいって魔法の本を読めば簡単に習得できるよ、やったね!

 

 まぁ、その図書館がここ冥界にはない訳だが。

 

「ったく、なんで初めてのまともな戦闘で格が上の相手と戦わなにゃならんのだ!」

「そりゃ、どんまいとしか言いようがないな!」

「独り言に付き合ってくれてどーも!」

「いいってことよ! ってかそもそも格が上の俺とまともに戦闘が成立してるのがおかしいんだぞ?」

「んなこと言われても成り立ってるからしゃあないだろ」

「まぁ、それはそうだが」

 

 まったく俺が手に入れたユニークスキルに戦闘系のものがないのが悔やまれる。

 『預言者(アテルモノ)』も『夢中者(ムチュウニナルモノ)』もどちらも演算系のスキルだ。

 『夢中者(ムチュウニナルモノ)』に『自己進化』とかそういう権能があるのが救いか……

 

(ちなみに今俺って自己進化できる?)

《解。不可能です》

 

 だよな。

 そう簡単に進化できるわけがない。

 『預言者(アテルモノ)』はサポート特化だから仕方ないとして『夢中者(ムチュウニナルモノ)』に何かないのか?

 『思考加速』『夢中領域』『自己進化』……ん?

 この『夢中領域』って身体能力のバフもあったけど権能強化もあったよな?

 

《是。その通りです》

 

 精神生命体だから身体強化は意味ないし相手にダメージ通る権能もないから権能強化もあんま役に立たないとか思ってたけどさ、この権能強化で未来予測の精度、さらに上げられるんじゃないか?

 

《解。可能です。『夢中領域』を発動しますか? YES/NO》

 

 キタキタキタ!

 いけるぞ、もちろんYESだ!

 

《是。『夢中領域』を発動します》

 

 その言葉と共に視界が変化する。

 今までは相手の数秒先の未来しか視えていないが今では俺だけが攻撃を当てることができる〝俺の未来〟も視ることができる。

 

 それに従い、俺は動く。

 先ほどまでのギリギリの攻撃ではない。

 圧倒的な余裕を持って──

 

「ほらよっ!」

「!?」

 

 相手に攻撃を叩き込んだ。

 いける、これなら勝てる。

 相手はわかりやすく戸惑っているようだ。

 そりゃあそうだろう、今まで劣勢だった相手が急に攻撃をしたのだから。

 けど、それに構う義理はない。

 困惑している相手を見つめ、俺は宣言する。

 

「さぁ、第二ラウンドを始めようぜ?」

 

 




ステータス
種族:下位悪魔
名前:なし
称号:なし
魔法:なし
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
   精神攻撃耐性
   熱変動耐性ex
   痛覚無効
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