リムルに喰われる悪魔に転生してしまった…… 作:てきとーでいこう
できるだけ投稿する、とか言ったくせに期末テストが入り込んで投稿できなかった作者です。
裏切った分投稿しなきゃ、という使命感と転スラ映画2作目の〝蒼海の涙編〟見に行ったことでモチベが上がっている作者です。
ネタバレになるのであまり言いたくはないんですが一言言わせてください。
ゴブタ好き。
それでは本編どうぞ。
〝この世界の未来をどこまで知ってる〟か。
本来なら何言ってんの案件だが
ひとまずいつも通りにごまかしに入る。
最初は上手くできなかったハッタリも今では呼吸するように簡単にできる。
生きるのには絶対に必要な技術だがなんだか悲しくなるな。
「おや、私がスキルで未来を見ることができるというのはギィ様から聞いているは──……」
自分のスキルを知っているのだから何を当たり前のことを、と言った感じで誤魔化そうとして、やめた。
何せヴェルダナーヴァがニッコリと笑って、無言の圧をかけているのである。
そんなことを聞いているんじゃない。
わかっているから早く話せ、と催促している。
思わず笑ってしまった。
効果自体はそこまで期待していなかったがここまでとなると逆に笑えてくるものだ。
「はい、すみませんでした。えぇ、その通りですよ。私は未来を知っています。ユニークスキルの権能とは別で」
何も隠さず素直に話す。
どうせバレているのだから問題ない。
というかこれ以上誤魔化したら殺されかねない。
こういう引き際の察知も残念ながら得意になってしまった。
「それで? その未来はどこまでだい?」
「どこまで、と言われても私が知るのはこれから遥か先の未来のこと。未来のことなので口で説明しろ、と言われても私自身どう説明したらいいのかわからないのが現状です」
「ふむ、嘘をついているわけではなさそうだね。その遥か先、というと?」
「ハッキリとした年はわかりませんがヴェルドラ様が勇者に封印されてから300年後からあるところまでの未来です」
「300年。そこだけずいぶん具体的だね」
「そんなことを言われても困ります。私の知っている未来はだいぶ偏っていまして。そのほかのことは一般人よりもちょっと詳しい、程度。知っている偏った未来以外では何年にどこで誰が何をしたか、なんていう具体的な内容はわからんのです」
実際、俺が知っているのはところどころ知識が抜けている転スラの書籍版22巻までと転スラ小説版のみ。
そこで言及されたこと以外はわからない。
だから今こうしているルドラたちの普段の生活はこうやって俺が実際に体験するまで何も知らなかったしなんならさっきまでやっていたナスカ王国の戦争のことも知らなかった。
未来のことについて転生……はともかく原作だったりといったことを除いては全て正直に話した。
嘘はついていない。
それはヴェルダナーヴァもわかっているのだろう、「なるほど」といって考え込んだ。
そして、思考がまとまったのか俺に目を合わせ
「それで、君はどうするつもりなんだい?」
真っ直ぐに。
そしてこの質問からは決して逃さない、という意思込めてヴェルダナーヴァは俺に質問をする。
どうする、というのは未来を知っていて俺がどう行動するのか、ということだろう。
そんなの決まっている。
「何もしません」
「へぇ? どうして」
俺の解答にヴェルダナーヴァは興味深そうにそう尋ねる。
「私は未来が絶対にハッピーエンドを迎える、なんてことは言えません。知らないので。しかし、私の知る未来では限りなく
もともといい方向に進んでいるのだ。
なら、何もしなければ今回もいい方向に向かう。
至極当然のことだ。
俺は最新刊を見ていないからハッピーエンドを絶対に迎えるって断言はできないがきっとそうなるだろう。
……そうだよな?
なってくれなきゃ困るぞ先生!
これまでハッピーエンド路線で描いてたんだから最後の最後でバッドエンドはやめてくれよ!?
「質問なんだが君はその未来にいるのかい? 舞台の観客などと言っていたが」
「いえ、いませんが。けど私は何かしらの肩書きを持っているわけではないですからね。重要な立ち位置ではない。重要人物の記憶にバッチリ残るような真似をしなければ……」
そこまで言った時、俺はヴェルダナーヴァのことを見る。
転スラにおいての主要人物である。
思い出す。
これまで出会ってきた者たちのことを。
一般悪魔(相棒)
一般市民(人間)
原初の悪魔たち
ヴェルザード
ヴェルダナーヴァ
ヴェルグリンド
ルドラ
ルシア
あれ、大半が主要人物では?
俺が低く見積もってもクソやばい事実を再確認していると、扉に手をかけたヴェルダナーヴァが話しかけてきた。
「君は言ったね。過度な干渉をしなければ、君の知る未来のままいけばいい結末に向かうと」
「……」
「けどね、君は勘違いをしている。君はもうこの世界の立派な住人なんだ。観客じゃなく、重要人物なんだよ」
そういうとヴェルダナーヴァは出ていってしまった。
ただ一人、部屋に残っていた俺の頭の中である言葉が浮かぶ。
〝バタフライエフェクト〟
ただの蝶の羽の動きが少し違うだけで未来は大きく変わってしまう、的な意味の言葉だ。
この言葉が言いたいのは些細な出来事で未来は大きく変わる、ということ。
些細な出来事。
俺が今までやったきたことは些細な出来事ではないと言えるか?
結論から言おう。
言える。
ただし大規模な変化、としてだが。
まず第一に相棒だ。
ただの一般悪魔であった相棒は俺と主に強くなり、原初たち……主に
この時点で大きな違いと言える。
だがそれ以上なのは俺の存在だ。
相棒はまだもともとこの世界に存在していたが俺は違う。
全く別の世界からなってきたいわば部外者、はみでものだ。
それががっつり主要人物と関わっている。
俺はずっと勘違いしていた。
この世界は俺が何もしなければハッピーエンドに向かっていくのだと。
だが違った。
俺がいた。
俺が歴史を変えてしまった。
大きな事件には関わってはいない。
強いていうならギィ対ヴェルザードの対決を見ていたくらいだ。
もしかしたらこのまま全部俺が知らないところで解決するかもしれない。
……なんて甘い考えが通るほどこの世界は甘くないだろう。
先ほどあげたギィとヴェルザードの対決の影響を抑えていたところ、あれは本来俺は介入していない。
そりゃあそうだろう。
そもそも原作に俺が存在していないのだから。
俺がその対決に多少なりとも介入した、ギィによって介入させられた。
要するに、俺はギィが使う選択肢の一つになってしまっているわけだ。
その状況でこれから起こる大事件から無縁で生活できる?
無理に決まっているだろう。
そんな甘いことをギィが許すわけがない。
他の原初やルドラたちもそうだ。
今、わかった。
なぜ俺が初っ端同族を殺すことにそこまで抵抗がなかったのか。
正しく転生していなかったからだ。
体や魂は間違いなく転生した、だが精神は違う。
心のどこかでまだ観客の気分でいた。
『転生したらスライムだった件』という作品を観る観客の立場であると思っていた。
先ほどのヴェルダナーヴァとの対談で「観客として」なんて言ったのがいい証拠だ。
俺がこの世界をもっとちゃんと受け入れていたらそんな発言は出なかったはずだ。
思い出せ。
俺が今まで出会ってきた人たちはどうだった?
感情がある。
意志がある。
温もりがある。
生きている。
どうだ、文字や絵としての情報の転スラとはまるで違うではないか。
この世界は転スラの世界であって転スラの世界ではない。
俺が知る転スラと全て同じだと考えるな!
俺が出会ってきた人たちをもっと真正面から受け入れろ!
自分勝手に相手を知った気になるな!
そうだ。
俺は今、やっと。
そう、1000年以上かけてやっと俺は『転生したらスライムだった件』という異世界に転生したんだ。
ふと思ったんですけど原作始まったら映画編とか需要あるんですかね。
ステータス(本来の力)
種族:悪魔公
名前:なし
称号:なし
魔法:『元素魔法』『暗黒魔法』
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』『疾走者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
精神攻撃無効
状態異常無効
自然影響無効
痛覚無効
ステータス(受肉時)
種族:上位魔将
名前:なし
称号:なし
魔法:『元素魔法』『暗黒魔法』
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』『疾走者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
精神攻撃無効
状態異常無効
自然影響無効
痛覚無効