リムルに喰われる悪魔に転生してしまった……   作:てきとーでいこう

3 / 22
感想、お気に入り、評価していただけるとディアブロがリムルに褒められた時くらい作者が喜びます。(言い過ぎ)




 

 

 俺が一方的に告げた第2ラウンド。

 それが始まってからしばらく経つと俺の頭に冷静さが戻ってくる。

 

 初めての意思あるものとの戦闘。

 しかも格上が相手。

 それによりテンションがおかしな方向にいってしまったが、今冷静になって考えてみれば『夢中領域』の異常性がわかる。

 

 『夢中領域』って結構ヤバい権能なのでは?

 というのが俺の正直な感想だった。

 

 領域展開前の『未来予測』は目の前の上位悪魔(グレーターデーモン)の動きを予測するのが限界だった。

 その予測は確かに素晴らしいのだが結局は上位悪魔(グレーターデーモン)レベルが限界ということだ。

 例えば人類の人外筆頭である坂口日向(ヒナタ・サカグチ)が相手ならば俺の未来予測は全くと言っていいほど役に立たないだろう。

 速攻で殺されるのがオチだ。

 

 これは決してバカにしているわけではなく、通常の『未来予測』の性能を端的に表したものだ。

 だから通常の『未来予測』が一介の下位悪魔(レッサーデーモン)が持ってていいシロモノではないというのはよくわかる。

 

 そんな『未来予測』が『夢中領域』によって強化された。

 このときの性能の上がり幅がおかしい。

 

 『未来予測』の精度が上がり、相手の動きがよりわかるようになる。

 これくらいだったらまだ理解できた。

 

 ……が、自分の未来まで視えるって何!?

 しかも俺が一方的に攻撃できるレベルで。

 

 これは字面以上にやばいことだ。

 何せ種族の壁を越えることができるのだから。

 

 今回は精神生命体の悪魔(デーモン)だったが、身体能力のバフが入る人類や魔物とかだったらもっとヤバいことになる。

 

 けどこの『夢中領域』、もちろんそんなメリットだけではない。

 ちゃんとデメリットも存在する。

 まずはっきり言って消費魔素量がバカくそ多い。

 俺の最大魔素量(マックスエネルギー)の2割を使ってようやく発動できた。

 

 しかもこの『夢中領域』は展開時間が短い。

 『預言者(アテルモノ)』によると現段階では10分が限界らしい。

 要するに燃費が悪いのだ。

 そう何度も連発できるものじゃない。

 

 だとしてもあの強化具合はバグってると思うが。

 まぁ俺の権能だからよし!

 相手が持ってたらめちゃくちゃ文句言うけどな!

 

 そんなことを考えながら目の前の悪魔(デーモン)を眺める。

 先ほどまでとはまるで逆の状況だ。

 

 さっきまで上位悪魔(コイツ)下位悪魔()を痛ぶっていたのに対し、今は下位悪魔()上位悪魔(コイツ)をフルボッコにしている。

 ……が、ここまでだろう。

 

 ここら辺が俺の『夢中領域』の稼働限界だ。

 そのタイミングで俺が展開していた『夢中領域』が消失する。

 

 それに気づいたのだろう。

 一瞬上位悪魔(グレーターデーモン)が反応した。

 

(『預言者(アテルモノ)』今の俺とコイツの魔素量はどれくらいだ?)

《解。主人(マスター)上位悪魔(グレーターデーモン)も互いにほぼ同等の魔素量です》

 

 互いに満身創痍。

 このまま戦いを続ければ待っているのは互いの消滅だ。

 

「なぁ、そろそろやめにしないか。このまま互いに死にたくないだろ」

「……言うじゃねぇか、下位悪魔(レッサーデーモン)の癖に……って言いたいとこだがそうだな、やめにしよう。俺もこんなとこで死ぬつもりなんて毛頭ない」

「最初に仕掛けてきたやつが言うなよ……」

「いや下位悪魔(レッサーデーモン)が意志を持っているとは思わねえだろ。ただでさえ悪魔(デーモン)が召喚されることは珍しいのによ。それに、お前だって下位悪魔(レッサーデーモン)を何体も殺してきたんだろ?」

「……まぁ、そうだが」

「じゃあお互い様だ」

 

 そうか?

 そうかも。

 

 なんか言いくるめれたような気がしなくもないがそこは気にしたら負けだ。

 考えないようにしよう。

 

「にしても下位悪魔(レッサーデーモン)がよく上位悪魔(グレーターデーモン)の俺とまともに戦えたよな。なんなら俺後半フルボッコだったし」

 

 全くもって意味がわからない、と上位悪魔(コイツ)はケラケラ笑いながらそう言った。

 

「そう笑い流していいものなのか?」

「あ? いいんだよ、俺がそれで納得してんだから。お前だっていちいち掘り返されたくないだろ?」

「それはそう」

 

 『お前俺をボコしただろ!』とか言って難癖つけられるのはめちゃくちゃめんどくさい。

 そういうのをいうタイプは何言っても聞かないだろうし。

 

「そうそう話は変わるんだが、お前ユニーク持ってるだろ?」

 

 いきなり言われたそのセリフに俺は動揺を隠しきれなかった。

 ユニークを知っている!?

 いや、上位悪魔(グレーターデーモン)とやり合ってたって時点で疑われて当然か。

 ここで隠しても意味がないだろう。

 言ったところで実害はないのだから。

 

「あぁ、持って──「俺も持ってるんだけどよ」……え?」

 

 え、持ってるの、ユニーク。

 というかそんなバラしていいの?

 俺はともかくそっちは別にバラさなくて良くないか?

 

 実際俺はお前がユニークを持っているかもって疑ってなかったし。

 そのまま黙ってれば普通にわからなかったぞ?

 

「それ、言っていいのか?」

「ん? まぁいいだろ。言ったからってどうなかなる訳じゃねぇし」

「いや、ユニーク持ってるって知ったら警戒するだろ普通」

「そりゃそうだろうな。実際お前は警戒しただろうし。けど俺はもうお前と敵対する気ないからな。俺をここまで追い込む奴と敵対なんかするかよ。お前だって俺と戦うのは嫌だろ?」

 

 その言葉を俺は肯定する。

 

 そりゃあそうだろ。

 強くなるために戦闘するのは当たり前だしこれからもやるつもりだ。

 その過程でこれから命を賭けて戦うこともあるだろう。

 

 けどわざわざ自分から死ににいくような真似はしない。

 今回だって奇跡みたいなものだ。

 『夢中領域』を使ってギリギリ。

 なんなら上位悪魔(コイツ)『夢中領域』中最後らへんに俺に反撃入れてきたし。

 俺の領域に慣れられたらまず間違いなく勝ち目がない。

 そんな相手とは戦いたくない。

 

「次は俺が負けるだろうからな」

「そう自分を下げる必要はねぇと思うがな。普通負けて当たり前なんだし」

「だとしてもわざわざ死ににいくなんてことはしたくねぇよ」

「ま、そりゃそうだ。……で、ここからが本題なんだが俺たち手を組まないか?」

「? どういうことだ?」

「簡単にいうとだな──」

 

 上位悪魔(グレーターデーモン)のいうことを簡単にまとめるとこんな感じだ。

 

 どうやら上位悪魔(グレーターデーモン)は基軸世界で生活したいらしい。

 それはわかる。

 俺も日本というアニメやゲームの娯楽があった世界で暮らしてきた身からしたらここ冥界は地獄そのものだ。

 なんにもなく、娯楽は強いていうなら戦い。

 こんな場所な嫌気がさすのも当然だと。

 

 で、基軸世界で生活するには向こうで受肉する必要がある。

 そのためには自分がある程度強くならないといけない。

 強くないとそもそも召喚されなかったり向こうに行っても存在を保てず直ぐに消えてしまうからだ。

 

 だから強くなるために同胞(デーモン)を狩りまくっていた。

 その被害者の1人が俺であるわけだ。

 

 けどずっと1人でやるのも効率が悪い。

 悪魔に大事なのは戦闘技術。

 最大魔素量(マックスエネルギー)とかの話を除くと互いに同じようなことしかできないため、差がつくのは技術(アーツ)の練度になる。

 そのためにも修練をする相手が必要だった。

 殺し回るにも個体差が激しいから安定しないのだという。

 

「そしたら意志があって話が通じそうで俺と同等に強くてしかも俺と同じようにユニークを持ってて強くなろうとしてる奴がいる。まさに最高の相手ってわけだ」

 

 

 話を聞く限りは確かにそうだ。

 互いに敵対する理由もないし、協力して行ったほうが互いに利がある。

 ここでたった一度の死闘を繰り広げるよりも互いに高めあったほうがいいというのもその通りだろう。

 

「けど大丈夫か? 俺は下位悪魔(レッサーデーモン)だしスキルだよりでまともな戦闘技術は持っちゃいねぇぞ?」

「だからいいんだよ。俺もお前に教える過程で勉強になるしその戦闘技術がない状態で俺と互角なんだから鍛えれば俺の訓練相手として仕上がっていく」

「俺につられてそっちも強くなるってことか」

「そうだ、互いに1人で黙々と同胞(悪魔)を殺し回るよりはいい話だろ? 2人でやったほうが何かと便利だろうしな。2人でならこれまで挑めなかった相手にも勝ち筋が見えてくる。手っ取り早く強くなるには自分よりも強いやつを倒すことだからな。どうだ?」

 

 そういい上位悪魔(グレーターデーモン)は手を差し出す。

 

「少し考えてもいいか?」

「あぁ、もちろん。これは数100年と続くものだからな」

 

(『預言者(アテルモノ)』俺にはこれがいい話に見えるんだがどうだ?)

 

 俺はまず『預言者(アテルモノ)』にそう聞く。

 すぐに返事をすることもできるが、ここで俺の勘違いで何かあったら困る。

 1人だと視野が狭くなるからな。

 複数で考えたほうが良い結果が出ることが多い。

 

《解。主人(マスター)1人でやるよりも成長率が高くなると思います》

 

 どうやら『預言者(アテルモノ)』も同じ考えのようだ。

 1人で黙々と相手から魔法などを覚えることはできるとは思う。

 何せ俺には『預言者(アテルモノ)』がついているのだから。

 

 でも技術(アーツ)はそうはいかない。

 こればっかりは俺が覚えなきゃいけない。

 その時俺1人では全くと言って進歩しないだろう。

 そりゃ『預言者(アテルモノ)』がいるから時間をかければ成長するだろうけど今、原作(ストーリー)がどれだけ進んでいるのかわかっていない今悠長に過ごすのは自殺行為だ。

 

 より早く技術(アーツ)を鍛えるならコーチがいたほうが断然いいな決まっている。

 相手は強くなるためにいろんな相手に喧嘩を売ってきたやつだ。

 いくつか修羅場も潜っているだろう。

 そんな相手に教えを乞うことができるのは非常に幸運であると言えるだろう。

 

 答えは決まった。

 

「よろしく頼む」

 

 俺は差し出された手を掴む。

 

「おうよ」

 

 視線を上位悪魔(グレーターデーモン)に向けると、そいつは満足そうに笑っていた。

 

 




ステータス
種族:下位悪魔
名前:なし
称号:なし
魔法:なし
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
   精神攻撃耐性
   熱変動耐性ex
   痛覚無効
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。