リムルに喰われる悪魔に転生してしまった……   作:てきとーでいこう

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誤字脱字報告ありがとうございます!
我ながら多すぎじゃないですか?
もっと丁寧に書かなければ。

また、驚くべきことにこの作品に赤マーク(作者はハーメルンでの投稿は今回が初めてなので呼び方は知りません)が入りました。
僅か二桁話行く前にこうなるとは思っていなかったので嬉しいです。
お気に入り登録、評価、感想ありがとうございます!


運命の悪戯

 

 

 上位悪魔(グレーターデーモン)との協力関係を結んでから500年以上が過ぎた。

 いきなり時間が飛び過ぎだろう、なんて思うかもしれないが本当にいうべきことがない。

 悪魔の日常は変わらない。

 アイツが敵を見つけて2人で屠る、そして移動する。

 これをただひたすらに繰り返してきた。

 500年だぞ!?

 

 そんなに時間が過ぎても心がおかしなことになっていなかったり、500年間悪魔を殺し続けてもなんとも思わないのは俺がすでに心まで悪魔として染まってしまったからなのだろう。

 いや転生した時からもうすでに変わっていたのかもしれない。

 

 とどのつまり俺はもともと人の心を失っていた……

 なんか悲しくなってきた、これを考えるのはよそう。

 

「おーい、こっちの上位悪魔達(雑魚ども)は片付いたぞ。そっちはどうだ?」

「ん? あぁ、こっちも終わった」

 

 目の前にいる瀕死の上位悪魔(グレーターデーモン)にとどめを刺しながらそう返事をする。

 全く、昔は苦戦した上位悪魔(グレーターデーモン)も今では苦労することなく倒せる。

 瞬殺だ。

 俺も成長したものだ。

 昔は上位悪魔(グレーターデーモン)相手にヒイヒイ言ってたのが懐かしいぜ。

 

 けど今は違う。

 何せ今では俺は上位魔将(アークデーモン)なのだから。

 もちろん相棒もだ。

 

 ん? 

 相棒って誰だって?

 んなの決まっているだろう、俺が最初に戦った上位悪魔(グレーターデーモン)だ。

 

 長い間ずっと一緒に戦って強くなってきたからな。

 互いに技や魔法を教えあったりした。

 そりゃもちろん親密度は上がりますとも。

 何せ人間の人生の5倍だぜ?

 これでギクシャクしてたら逆にすごいだろう。

 

 あの個性の塊ともいえる原初だって仲がいいんだから。

 ただ1人、(変態)だけはウザがられているが。

 

 ともかく、今までずっとただひたすらに強くなるためだけに俺たちは悪魔を狩り続けた。

 『疾走者(カケルモノ)』なんていうユニークスキルを手に入れてしまうくらいには駆け回った。

 多分ここ数年で1番悪魔を殺したのは俺たちなんじゃないかな。

 1番悪魔を殺したのが悪魔ってのはどうかと思うが。

 

 そんなことを考えていると500年時を共にした相棒が近づいてくる。

 

「にしてもお前の『狩猟者(オイカケルモノ)』って便利だよな。追跡に全く困らん」

「まぁな。俺もこいつは重宝してる。強くなるためには1匹も見逃せないからな」

「とか言いつつ最近は下位悪魔(レッサーデーモン)は相手にしなくなったよな」

「今じゃあいつら倒しても全く成長できねぇからな。まだ上位悪魔(グレーターデーモン)だった頃はよかったんだが」

「贅沢な悩みだな、おい」

「全くだ」

 

 そう言い相棒はニカッと笑う。

 

 思えば俺たちは上位魔将(アークデーモン)になってから姿が随分と人間らしくなったと思う。

 相棒は黒髪の爽やかフェイスのイケメンである。

 黒を基調とした服装で街中で女性が100人いたら半数以上は必ず振り返るだろう。

 全く……羨ましいぜ、とは思わない。

 別に誰かと付き合いたい的な願望はないし。

 けど日本に連れて行ったら間違いなくモテる。

 これだけは確信できる。

 

 対して俺はというと、相変わらずモヤモヤとしていた。

 要するに霧というべきか雲みたいというべきか自分でもよくわからない姿なのだ。

 一体なんでこんな姿になったのか『預言者(アテルモノ)』に聞いてみると

 

《わかりません》

 

 と返された。

 

 うん、『預言者(アテルモノ)』もわからないなら仕方がない。

 俺は悪魔の生態に詳しいというわけでもないからな。

 変な格好ではあるが問題はない。

 

 自分の姿に関しては何か執着というか要望というか、そういうのはなかったからな。

 相棒の姿がくっきり変わったのに俺だけ変わらなくて焦りはしたがもはや今更な話だ。

 

「これからどうするよ」

 

 俺は相棒に聞く。

 

「どうするっても俺たちと同格レベルの上位魔将(アークデーモン)っていねぇもんな。とはいえ悪魔公(デーモンロード)に喧嘩売るわけにはいかねぇよな。だってそういったやつらはどこかの原初の配下だろ? 下手に手を出したら親玉出てきて殺されるぞ」

「するとここまで強くなってきたものが台無し、かぁ」

「かといってこれ以上俺たちより下の上位魔将(アークデーモン)を狩ってもって感じもするしな。上位悪魔(グレーターデーモン)は言わずもがなだ。……お前の『運命観測』ってまだ使えないのか?」

 

 相棒は俺にそう聞いてくる。

 なぜ相棒が俺の『預言者(アテルモノ)』の権能を知っているか。

 簡単だ、俺が教えた。

 

 500年も長い間過ごしていると話のネタも尽きてくる。

 また、強くなる都合上自分たちよりも強い相手に2人で挑む時もあった。

 その中で簡潔にだが自分たちの権能を伝えていたのだ。

 

 流石に全部教えられないけどね。

 あくまで大雑把、ほんの一部だ。

 それは相棒もわかっている。

 実際俺が知っているのはレーダーみたいなことができる権能、ということだけなのだから。

 

 だからこそ俺の『預言者(アテルモノ)』の権能一部である『運命観測』は相棒に教える気はなかった。

 俺の中で『預言者(アテルモノ)』が自立型のスキルであることの次に隠していた。

 いくらなんでも効果が強すぎるからだ。

 けれど長い間やってずっと隠し通すのも無理な話で結局バレてしまったのだ。

 あの時の追求は凄まじいものがあった。

 永遠にふざけてるのか、早く言えよ的なことを言われるのだから。

 流石に疲れてしまった。

 それと、この権能は防ぐ術がほぼないからという理由で渋々話したのだ。

 

「おい」

「ん、あぁ、すまん考え事をしていた。で、『運命観測』だったな。そろそろ使えるかもしれないな」

「今まではずっと変わらず吸収される未来だったんだろ?」

「まぁ、な。今までの段階で呼ばれていないのが幸運だった。今の上位魔将(アークデーモン)になった俺ならそろそろ召喚条件からずれていると思うんだが……」

 

 いや、基軸世界に行くと種族制限とかがあるからまだ召喚範囲内なのか?

 そんなことを考えながら『預言者(アテルモノ)』に『運命観測』の使用を命ずる。

 

《了。『運命観測』を使用します》

 

「んじゃちょっといってくる」

「おう」

 

 相棒のそのセリフを最後に俺の視界が暗転する。

 最初は真っ黒に染まりそこから色彩が彩られていく。

 

 何回もやってきたのだ。

 今では慣れたモノだ。

 

 進化の影響もあってか俺の『運命観測』はよりヤバい権能になっていた。

 最初は写真のような風景を眺めるだけだったがだんだんと動くようになり、今では映像にまでなっている。

 相手の声とかは聞こえないが表情とかの外見的な情報は読み取れる。

 もちろんそこで解析なんてのはできない。

 

 それでもヤバい権能であるのは間違いないのだが。

 

 はてさて今回の『運命観測』はどうなっているかな。

 そろそろ死ぬ運命から逃れたいんだけど……

 

 そんなことを考えていると視界が変化していく。

 

 ここは……どこだ?

 真っ暗で何も見えないとまではいかないが暗い。

 どうやらここは冥界のようだ。

 

 今まで見てきた彩豊かな魔国連邦(テンペスト)とはまるで逆の暗い世界。

 色的には最悪だが俺の心はこの上ない喜びに包まれていた。

 

 ついに俺の運命を変えることができたのだから!

 嬉しい、この一言に尽きる。

 今まで頑張って良かったと心の底からそう思った。

 もうこれで『運命観測』も終わっていいや、なんて一瞬思ったが思いとどまる。

 先の未来を知れるのだ。

 ここで知れる情報を見逃すなんて選択肢はありえない。

 

 そう考え直し注意深く見る。

 そこで俺は驚愕に包まれることになる。

 

 あれはギィか!?

 

 視界に映るのは前世の転スラでよく知っている赤い悪魔の姿。

 いくつか置かれた椅子の一つに座っている。

 俺もその椅子の一つに座っているっぽい。

 横には相棒。

 

 なんでギィとの対談みたいになってんだ?

 この後何か目をつけられることをしてしまうのだろうか。

 もしそうだったら人生終了レベルでやばいんだが……

 そんなことを考えていると突然転移門が現れる。

 

 この場にまた誰かくるのか!?

 え、何、他の魔王とか、もしくはヴェルザード?

 どっちも今の俺には荷が重い存在なのだが。

 

 そんな俺の思い組んだのか、そこには別の存在が現れる。

 それが俺の心を安らげる存在であるわけではないが。

 黄色の髪をもった悪魔……後にリムルに仕えることになる悪魔3人娘の1人。

 

 カレラか!?

 え、は、なんで?

 なんでカレラいるのさ!

 俺らってカレラにも喧嘩売っちゃうようなことしちまうのか!?

 原初の2人直々ってもう死んだも同然じゃねぇか。

 

 そんなふうに絶望している俺を更なる絶望が襲う。

 

 んあ、また転移門!?

 しかも複数!?

 一体どんだけくんだよ!

 原初全員連れてくる気か!!

 

 それがフラグになったしまったのだろう。

 運命はすぐさまフラグを回収し、転移門から残りである(ノワール)(ブラン)(ブルー)(ヴェール)(ヴィオレ)が現れる。

 

 原初全員+俺と相棒による9者面談かよ!

 ここにいる奴らだけで世界滅ぼせるじゃねぇか……

 一体何がどうなってんだよ!!

 

《以上で『運命観測』を終了します》

 

「はっ!!」

 

 俺がそう心の中で叫んだところで『運命観測』は終了した。

 

「おい大丈夫か!?」

 

 相棒の声が聞こえる。

 現実に戻ってきたようだ。

 

 そこで俺は一度安堵する。

 ……が、その程度で俺の緊張は治らない。

 今でもこれ以上ないくらいに心臓がバクバクしていた。

 悪魔に心臓なんてものはないのだがそう思わせるくらいに緊張していた。

 何せあそこにいる奴ら全員が漏れなく俺たちよりも強いのだ。

 命がいくつあっても足りない。

 映像を見ただけでこれだ、本当にあったらどれだけ……!!

 そうだ、早く相棒に伝えなければ!!

 

「おい、ヤバいことになったぞ!」

「ど、どうした。そんなに慌てて、お前らしくないぞ!?」

 

 俺が今までにないほどに必死になっているのをみて相棒はひどく困惑していた。

 だが、今の俺にはそんなことを気にかけている余裕はない。

 

 『運命観測』は俺の未来を表す。

  聞くだけで相当ヤバい権能だがこれには弱点がある。

 

 それは〝明確な時期〟がわからないこと。

 

 未来は知ることができるがいつ起こるかわからない。

 だからこそ俺はできるだけ急いで己を強くし、上位魔将(アークデーモン)にまでなったのだ。

 それにかかった500年の間、俺はリムルに召喚されることはなかった。

 こうして実際に生きている訳だから。

 

 つまり、『運命観測』が表した俺がリムルに殺される未来は500年以上先の話だったということだ。

 だが、それが今回の『運命観測』に当てはめられるとは限らない。

 この地獄のような原初勢揃いの場に呼ばれるのが500年以上先という保証はどこにもないのだ。

 

 そう、まさに

 

「よぉ、見つけたぜ? ここ数百年悪魔を殺しまわっているお2人さんよ」

 

 今、こうしてこの場に赤い悪魔が現れる可能性もあったのである。

 

 




ステータス
種族:上位魔将
名前:なし
称号:なし
魔法:『元素魔法』
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』『疾走者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
   精神攻撃耐性
   熱変動耐性ex
   痛覚無効
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