リムルに喰われる悪魔に転生してしまった…… 作:てきとーでいこう
上位悪将じゃなくて上位魔将じゃねーか!
はい、すみません作者のミスです。
指摘ありがとうございます。
これからも細かいあれ、これ違くね?ってのがあったら教えてくれるとありがたいです。
巨大な円形のテーブルに9つの椅子のみの空間で、悪魔が3人集っていた。
「ほぉ、このワインは美味いな」
1人はなんともなさそうにワインを嗜んでいる。
それに対して反対の椅子に座っている残りの2人は──
「…………」
「…………」
ガッチガチに固まっていた。
はっきり言おう。
気まずい。
正確に気まずいとは表現しないんだろうがそうとしか表現できないくらいには緊張している。
何せ目の前に原初の一角である
(…………お前が焦っていた理由がよくわかったぞ……)
(……だろ? こんなに早いとは思わなかったけどな……)
(ここでしばらく待ってろと言われたが何が始まるんだ? お前何かしらないか? 〝視〟たんだろ?)
(視たには視た。……知りたくはなかったがな)
(え、なんだよそれ。クソ怖いんだが?)
普段は使わない『思念伝達』でこっそり会話をする2人。
いつもなら堂々と話しているのだが原初がいる前でそんなことをする度胸は2人にはなかった。
いや、なかったというよりできないの方が正しいだろう。
原初は反物質世界では力が制限されるが冥界でならば最大の力を発揮できる。
それこそ俺たちの
……が、解析鑑定による測定結果だけを見れば
もし俺がなんの知識もなかったりただのアホならば『なんだ同格か』なんてバカなことを考えていたのかもしれない。
〝圧〟とでと呼べばいいのだろうか。
500年間戦い続けた結果鍛え上げられた生存本能がガンガンに警鐘を鳴らしている。
目の前にあるコイツはやばいと。
やはり『運命観測』とは訳が違う。
これが本物の〝圧〟なのかと冷や汗が流れるような感覚に陥る。
悪魔には冷や汗なんていうものはないのだが、そう思わせるほどに圧倒的だ。
一体原作がどの時点まで進んでいるかはわからない。
500年間全く音沙汰がなく、こちらから半物質世界で情報を集めるなんてことはできていないためだ。
リムルと対峙した時はわざと魔力制御のムラを見せて偽装していたが俺はそれを見抜くための最低条件である
とはいえ冥界での悪魔の性質上100%偽装だろう。
悪魔の王が俺たち程度の
ここまで考えて頭が痛くなる。
原初という万年を超える時を過ごしてきた悪魔に高々数百年しか過ごしていない悪魔が敵うはずがないのに向こうが既に究極にまで手を伸ばしていたら逃げることすらできないのだから。
この後起こることを考えたら尚更だ。
《告。この空間への転移を感知》
(!? 誰か来るぞ!)
(……来たか)
その場に現れた転移門から圧が放たれる。
運命通りというべきか。
……できれば外れて欲しかったが。
「やぁやぁ、久しぶりだね
「おう久しいな
「ふむ、ところでキミが飲んでいるのはなんだい?」
「これか? どこぞの人間が作ったワインだ、美味いぞ。お前も飲むか?」
「結構だ。私はそういうのに興味はないんでね」
「そうか? この美味さを知らんとは可哀想なヤツだ」
門から現れた黄色の髪を靡かせるその悪魔は一直線に原初の
その悪魔もまた圧倒的だった。
俺らを拉致した
というよりこっちは偽装なんてしていないため文字通り桁違いな
『
測定可能段階で俺の10倍以上の魔素量。
これで改めてギィのやつは偽装だと確定した。
ミリムと相対した時のリムルの気持ちがようやくわかった。
……というかなんでリムルはこんなレベルのやつを目の前にしてあんな冷静でいられたんだよ。
逆に怖くなってきたぞ!?
2人の会話は仲の良い友人のような会話で緊張する要素などどこにもないのだが俺たち……主に相棒はすごいことになっていた。
(お、おい。あれって
声には出さなかったもののその表情は真っ青になっている。
いや、ここは声を出さなかったっていうだけでも褒めるべきだ。
俺とは違って何も知らないのだから。
いや、知っていても声に出してしまうレベルなのだから。
(……だろうね)
(なんでここに原初が2人も……というかお前これを知ってたのか!)
(言っただろう、〝視〟たと。正直信じたくはなかったけどね)
(お前があれだけ取り乱した理由がわかったぜ。こんなの〝視〟たらあぁなるわ。圧倒的な
相棒はこの光景を見て俺が慌てふためいた理由を理解したようだ。
というより安堵している。
それは俺も同じだ。
思っていた以上に
……けどこれはこんなもんじゃ終わらない。
今でさえお腹いっぱいな状況なのにまだまだおかわりがくるのだ。
(これで終わりにしないほうがいいぞ)
(え?)
俺の忠告に対して驚いている相棒をよそに新たに来客がやってくる。
「ありゃ、
「いいや遅れてないさ
「ふーん。じゃあボクは3番目って訳だね。ところで
「そのようだな」
それぞれそこから出てくるのは
「あらあら久しぶりね
と、軽い挨拶をする
「全員集まるなんて珍しい。
「それを貴方が言いますか
驚いた様子でそう言う
「クフフフフ、この会合に全員集まるなんて最初の時以来ではないですか?」
と、どこか楽しそうに笑う
一気に原初である
この世界ではまだギィは星王竜ヴェルダナーヴァに出会っていない。
というかまだ地上に呼ばれてすらいない。
どうやら俺は転スラ開始の相当前の時代に転生したらしい。
ということはまだ〝名付け〟が終わっていないということだ。
辺にギィ、なんて言ったら面倒になること確実だ。
ボロを出さないよう心の中でもギィのことは
さて現時点で
まぁ持っていても持っていなくても種族的に越えられないんだが。
悪魔の最終形態である
はてさてそんな俺たちにとって超格上の
「は……ぁあ?」
もう声に出してしまっている。
げと仕方がない。
自分を容易く殺せる相手が7人も目の前にいるのだから。
かくいう俺も戦慄している。
知ってはいたがいざ体感するとなると別の話だ。
もう圧がやばい。
そんな俺たちを察したのだろうか。
「おいお前ら。こいつらが萎縮してるじゃねぇか。せめて
そう、ギィが言う。
そうしてくれてればありがたかった。
……いや、悪魔の頂点のレベルを直に体感できたのだからこれでよかったのかもしれない。
制限してくれていれば精神的には良かったかもしれないがこれからのことを考えるとこれが最善だろう。
「別に良くない?」
「そうだな。わざわざ隠す必要もないだろう。ここに来たのだから我ら原初と相対する覚悟を持ってきたのだろう?」
いや、あの。
俺はともかく相棒は何も知らないんですけど。
なんの説明もなく速攻ここに転移させられてきたんですけど。
そんなことを思っているとそのことに思い至ったのかギィの顔色が変わる。
「あ、やべ。説明忘れてた」
その言葉によって原初の視線が俺たちに集まる。
いや、こっわ!!
やめて!?
せめて1人ずつにして!?
「おや、
……え、これ答えろってこと?
原初相手にたかだか
やばいやばい、ディアブロは短気だから答えなきゃ殺されるかもしれん!
相棒……はショックで放心状態。
クソ、俺が話すしかないか。
「……簡潔に話しますと我々2人のところに
「……ふむ、なるほど」
あーーー!
怖かった!!
めっちゃ怖かった!
多分というか間違いなく前世含め今までで1番緊張した。
文字通り言葉に命がかかっている状況だった。
「え? じゃあボクたちが来ることも知らなかったんだ」
その
どうする!!
ここで嘘をつくか?
いや、ここで肯定して後々バレたら死ぬのでは?
ワンチャン面白いとかいって生かしてくれそうなギィとは違って拷問大好き原初一残虐な
拷問されて死にそう。
それだけは絶っっっっ体にいやだ。
仕方ない、腹を括ろう。
覚悟を決めた俺は意を決してその言葉を口にする。
「少なくとも、彼は」
俺の言葉に原初たちはピクリと反応する。
「ほぉ? どういうことだ?」
ギィが興味深そうにそう尋ねる。
「お……私には10年に一度ですが私の未来を見ることができます」
「「「「!?」」」」
俺の言葉に2人を除いた全員が驚愕な表情を浮かべる。
その2人とはもちろんギィとディアブロだ。
どちらも笑みを浮かべている。
「クフフフフ面白い。どういうことですか?」
「簡単に言えば私のスキルの権能です。
「そうだな。お前は
やっぱりすごい洞察力だ。
あんな短時間なのに形がない俺の感情を読み取っている。
「
「なるほど。私たち原初全員が現れたのにあなたの動揺が少なかったのはそういう理屈ですか」
「はい。彼には伝える時間がなかったのでこのことは知りませんでした」
俺の説明に納得したのかディアブロはそれ以上の追求をしなかった。
……ディアブロは、だ。
「お前のその未来はどれくらいまで視えるんだ?」
「どこまで視れるかはわかりません。500年以上先の未来のこともあれば今回のようにすぐのこともあります。私もまだこの権能については完全には理解していないのです」
「その口ぶりからして視えた未来がいつ起こるのかわからないのか」
「はい」
そこまでいうとギィは何か考えるような仕草をし、質問をする。
「お前らはなんでずっと悪魔を殺してきた」
お前ら?
もしかして──
(お前大丈夫か?)
(悪い。固まってた。けど大丈夫だ)
どうやら俺が話している間に復活したらしい。
よかった、ずっとこのままだとどうしようかと思ってた。
これで相棒は大丈夫。
残るのはギィの質問のみ。
答えはもちろん、決まっている。
「「強くなるためです」」
「なぜ強くなりたい?」
なぜ強くなるのか。
最初はそんなの考えていなかった。
ただただ死ぬのが嫌で必死に戦ってきた。
けど今は違う。
ここまでやってきてリムルに喰われなかった、やったーで終わり?
んなのありえないだろ。
この転スラの世界で本やアニメといった媒体でしか知ることができなかったこの世界を。
自分で見てみたい。
それはただの生存本能ではない。
「「夢を叶えるためです」」
俺たちの声は一言一句同じだった。
その言葉を聞いたギィはニヤリと笑い、とんでもないことを口にした。
「よし、決めた。お前らを俺の眷属にしてやるよ」
最強の悪魔からの唐突な申し出だった。
原初たちってこんな感じでいいのだろうか……
原初たちが驚いたシーンは全員分カッコをつけるとすごいことになるので減らしてあります。
ステータス
種族:上位魔将
名前:なし
称号:なし
魔法:『元素魔法』
ユニークスキル:『預言者』『夢中者』『疾走者』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『思念伝達』
耐性:物理攻撃無効
精神攻撃耐性
熱変動耐性ex
痛覚無効