巨乳大好きマン   作:覚め

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鬼のこと。


酒乱

力勝負。萃香から持ちかけられた。が、無視。大体、宴会の場を抜けたのに何故俺に付きまとうのか。俺は大変不思議に思う。この家も風見幽香に譲ってもらったものだから壊されてはいけない。力勝負も断る。美鈴師匠を勧めても俺を誘ってくる。何を考えているのかわからない。俺の変な噂のうちどれかが回っていったのだろう。かわいそうに、胸がデカくないと俺は気分が乗らない。帰ってくれないかな。酒の匂いが家に染み付いたらどうしてくれるのか。まあどうもしないのだろうけど。

 

「私と力勝負したら出て行ってやる」

 

「草食ってるだけの人間を誘うな」

 

「草食ってる方が悪いだろ」

 

「それはそうなんだけども。」

 

「安心しろ、私は力の扱いが得意な鬼なんだ。家を壊すことはしないさ」

 

「…」

 

信用出来ない。こういうのって博麗の巫女案件なんだよな?でも俺は残念なことに外来人だからなぁ…多分見捨てられる。そうなれば最後だ。だって妖怪って怖いし。俺のことをどこか丈夫なサンドバッグに思ってる節があるし。胸がでかい奴とデカくない奴の差が激しいし。鬼なんて伝記に寄るけど人を食うし襲う伝統的な妖怪だろ。日本三大妖怪、河童と鬼と天狗。ほら見ろ、どう考えても力勝負をして良いわけがない。負けたら喰われそう。…よくよく考えたら風見幽香もそんな感じだったな。

 

「腕相撲でやるか」

 

「強制かぁ」

 

「よし…あ、胸あんま見るなよ?」

 

「小さい胸に用がない」

 

「は?」

 

始まり。流れを掴み、腕の後ろから推進力として流れを吐き出すようにイメージ。最高のスタートダッシュと言える。だがどうだろうか。びくともしない。一瞬腕がその場でぐりんと回ったような錯覚さえ覚えた。肝心の萃香は首を傾げながらコチラを見ていた。そりゃそうだろ、俺人間だぞ。お前は鬼。そもそも勝ち目がない。真面目に考えてほしいと思った。結果はもちろん俺の惨敗。驚くほどすんなり倒された。俺の渾身の力が、大人からした子供の腕力のように倒された。

 

「よっわ…」

 

「鍛え始めたばっかだもん…」

 

「男ってのはもっとこう、力がなきゃいけないものだろう。」

 

「そんなわけないでしょ」

 

そう言うと萃香は肩を落とした。そう言うわけで俺は萃香を無視していた時と同じように椅子に座った。安楽椅子、最高。風見幽香に無理を言って作ってもらったものだ。酔うし揺れが普通にきついし良いことはあまりないのだけれども、それでもこの家の中では座る場所としては上等だった。萃香がグチグチと軟弱を指摘するのも無視している。と言うか多分、萃香の発する言葉ほぼ全てを無視している。人間にそんなこと言われてもね。人間が人外の力なんて使い出したら、それはもう人外になるんすよ。

 

「あーっもう!ちょっと来い!力で言えば私より強い奴教えてやる!」

 

「何言ってんの」

 

「行くぞ」

 

森の中を素早く移動し、たどり着いたのは大穴。何この、穴。落下している最中でさえ萃香から一歩も離れなかったのを悪く言う奴はいないだろう。怖いんだから。ドシンと大きな音を出しながら着地。少し湿っているし、暑い。穴の底には地底世界。まあ素晴らしい、となるわけもなく。萃香曰く、人間を食い物として扱っていた時代の奴らがここに多くいるのだとか。つまり、おれは餌。萃香は鬼を呼び出し、とある鬼を呼べと言った。名前は星熊勇儀。俺が腕相撲で負けた萃香よりも力が強く、巨乳。

 

「お前よりも随分と強い力を見せれば向上心ってのも付くだろう?」

 

「反対」

 

「言え。つまらなかったら殺す」

 

「態度が変わりすぎ。帰って良いですか」

 

「殺す」

 

「ねえ聞いてよ」

 

とりあえず並べよと言われた。今から俺は勇儀に試されるらしい。本気で殴られて死ぬのなら救いようのない、才能が無いねで終わり。重症でも生きてたら望みはある。軽症なら最高、らしい。試される内容?正拳突きだって。あんね、笑えない。勇儀と俺の間に現れた大股10歩程度の距離。挟み込むが、勇儀の胸は巨乳だ。しかし、その厚さは脂肪ではなく筋肉だ。しかしそれでも巨乳だ。…明鏡止水(おっぱい)。地底でどんなに騒がれようと、星熊勇儀の胸、胸筋に全てを向ける。

 

「良い集中力だ。じゃ、私も構えるかな」

 

そう言った勇儀は腰を落とした。相撲取りですかってくらい。補足だが、勇儀の服装は和服だ。少しはだけさせた、花魁みたいでかなり色っぽい服。あとは言わなくてもわかるな。俺も体の中の流れを掴んで整える。前提として、間違いなく殴られたら死ぬ。ではどうするか。勇儀が思い切り踏み込む。その様を見て、コチラも足に流れを集める。答えは簡単、避けるだけ。ぶっちゃけそれ以外、受け止めるだったり話し合いだったりは不可能。酒臭えもん。

 

「っはぁ…」

 

「避けたか!これは望み大だぞ萃香!」

 

「なんで私が殴られたんだ?」

 

「巨乳ってやっぱ最高だわ」

 

「次私がやって良いか?」

 

断って逃げる。足元にながらを集め、大穴の底から大ジャンプ。重りがないので楽々大穴を抜けた。じゃ、帰って寝るか。道中アリスに出会った。なんか、明後日とかにも宴会をするらしい。宴会。多い気がする。俺の聞いた限りにはなるが、それでも多く感じる。まあ俺が誘われてない範囲は知らないから、いつもからこの間隔なのかもしれないけど…。もしそうなら絶対に長生きしない。多分肝臓が硬くなって死んでると思う。それか急性アルコール中毒で死んでる。健康を考えてほしい。

 

「…そういや萃香、俺と出会った時は神社で何してたんだ?」

 

「人を集めてた。鬼だって同族のいない寂しさを他で埋めようとするのさ」




嘘である。酒が飲みたいし宴会も見たい、なのに宴会がない。だから人を集めているだけである。
なお須磨元は集めるの意味を履き違えているため異変とかそこら辺に繋がらない。
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