「ねえこいつ剥がして」
「えっやだ」
「何をそんなに…神託を受けると言うのはとても有難いことなのになぁ?」
神様は神社に返すべきと判断し、博麗神社。ここで剥がして神無月にはどっかの県に帰してあげて。後俺との縁切りもしたいな。…無理だろうね。分かってた。後ろの摩多羅隠岐奈自身が言うには格の高い神様らしいからな。まあ諦めはつく。諦観も。家に帰って寝ようとしても未だに告げ口をしてくる。神託ってそんなに大事ですか。おっぱいがデカくてもこれは勘弁して欲しい。俺にとって神託は胸なんだよなぁ。俺の人生とかどうでも良い。…常に後ろを陣取られるから気味が悪い。
「疲れた…」
「そうか、じゃあ寝ると良い。ただし寝るのはここではダメだ。知り合いの家で眠れ。ここにはとても強い妖怪が来るからな」
「お、占いだけは当たるんだ」
「そう言う物言いはどうかと思う」
「そうね。他人の差し出したものを押し返してしまうなんて勿体無いわ」
風見幽香出現。これに伴い摩多羅隠岐奈消失、とはならなかった。帰ってくれ。病院だと悲鳴のせいで寝つき最悪だったから。…なんか、俺を挟んで威嚇し合ってる気がする。勿論俺は風見幽香に着く。この家の管理人だぞ。逆らったら首と頭に分け目が入って肥料にされちまう。去年言われたし。病院のほうがマシな環境とかないよな。そんなことあったら泣くよ俺は。無理やり布団に潜り込んで音の遮断を試みるか。多分出来ないけど。なんで間に挟まれなきゃならないんですか。
「…あぁ、後戸の引きこもりね。何年も前から姿も変わらず。気持ちの悪いことね」
「そう言う貴女は花の妖怪。どうして今ここに?冬の間は花と同じように萎れているのだとばかり思っていたが」
「この森は少し変なのよ。冬でも咲く花があるから。で、引きこもりは何をしに私の別荘に来たの?間借りの許可を与えた覚えはないのだけれど」
「ならば貴女が間借りする立場だろう。管理は那谷がやっていたらしいけど」
「…那谷?」
知らないか、ならば教えよう!とテンション高めに説明してくる神様に、悪いがでかい声を出すなら家の外に行ってくれないかと頼む。少しの沈黙の後、抑えめの声で話し始めた。出て行ってよとか言わないと出て行ってくれないのかな。無理やり寝付き、頭痛と共に起き上がった時には既に家の中が悲惨な状態、俺自身も逆さ立ちに近い状態で寝ていた。どうやら喧嘩したらしい。家に穴が空いていないので無視して今度こそ寝ようとしたが、扉を叩く音が聞こえた。うるさい。
「誰…んっ…開かねえ」
…押しても引いても開かない。なんだ?誰が抑えているのか?アリスやら魔理沙なら服かキノコを寄越しに来たのかもしれない。…いや違う、風かな。風切り音がした。魔法の森でここまで大きな風が吹くなんてとんでもなく強い風だろう。…さて、風見幽香と摩多羅隠岐奈がどこかに消えたのと関係していないことを祈りたい。…しかし、巨乳が二人揃って…。頭痛が響いている頭ながらにも、惜しかったなと思う。とても惜しいことをした。まあそれほどに疲れていたわけでもあるか。
「…全く。困った神にストーカーされてるのね」
「と言うことはつまり?」
「勝った負けたを言いふらすつもりはないわよ。…ま、今後二度とあの神を相手にするのは勘弁よ」
「おぉ。大きいほうが勝った」
「改装工事でもしようかしら」
「ごめんなさい。」
どうやら摩多羅隠岐奈が負けたのか撤退したのかした模様。いつの間にか風が止んでいた。風見幽香すげえ。布団に包まりながらも思う。…言わせてもらうことがあるとすれば、俺の安全を考慮して欲しかったことだろう。周りの家具、ほぼ傷付いちゃったんだけど。そう言うと風見幽香は顔色のひとつも変えずに舌打ち。聞けば風見幽香がやったのではなく摩多羅隠岐奈が警告として力を振るった結果らしい。その結果で俺はでんぐり返しをしていたのか。摩多羅隠岐奈、なんて神様なんだ。巨乳なら許されるとでも?許すよ。
「…八雲紫には出会った?」
「何その人、知らない。人名なの?」
「は?」
「えっ」
「…全身が紫色の服をした奴よ」
「…あ、あの巨乳ね。出会ったよ」
「何か話した?」
「何も」
「したら殺意湧くからやめたほうがいいわよ」
それは風見幽香が短気であることの証明ではなかろうか。怖いので口には出さない。だってまだ死にたくないもん。寝て起きたら性欲がかなり復活してきた。今なら明鏡止水もできる気がする。気がするだけかもしれない。風見幽香の胸が右往左往、俺の瞳孔も右往左往。バレてお灸。痛かった。ちなみにお灸は日傘で軽めのスイング。風見幽香の軽めのスイングなので、痛い。余波で家具が揺れたのを感じた。俺のケツ、吹き飛んだりしてないよね。
「そういえば摩多羅隠岐奈はどうしたの?」
「帰ったわ。用事を思い出したとか言ってたけど」
「…ちなみにあの人ってどんな人?」
「神よ。よくつらつら他人に喋っている場面を花伝に聞くのよ」
「え、なにそれ」
「…ああ、言い忘れてたわね。須磨元、貴方がここで何をしていてもわたしの耳には筒抜けよ」
「…その、えっと。ごめんなさい」
「冗談よ。植物に語り掛ければ返してくれるだけで、何でもかんでも聞こえるわけじゃない」
と言われた後、即座に聞いてそうな素振り。なんでそう言うの聞いちゃうのかな。俺の独り言とか、おっぱい歌曲とか、そこらへんがバレるわけでしょ。なんなら植物同士の噂とかで俺が変態になってたりするかもしれない。もしかしたら今日俺が詠んだデカチチ俳句がバレるかもしれない。…どう考えても良くない方向になってないか。まあ良いか。しゃーなし、植物が黙ってくれることを祈ります。一生休眠状態でいてくれ頼む。冬眠でも良いから。
「…意外と変なことはしてないのね。」
「ほっ」
「…何、その反応」
「えっあっ」
デカチチ俳句杯
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