須磨元「永琳先生、患者でーす」
「…」
何かよくわからないものを眺めている。皆んなで。俺、勇儀、萃香、お燐。少なくともお燐は帰れ。どうして眺めているものがよくわからないものかと言うと、俺にはどうもそこそこの大きさの乳を持つお姉さんが写った写真、またはポスターに見えて、勇儀と萃香は酒に見えて、お燐は食べ物に見えるためだ。皆の意見を一致させるものではないため、何かよくわからないものと形容している。皆んなでまずは物体の右端を触ってみようとなった。萃香と勇儀は見えてるのが同じなので同じ場所から。
「…ここ!」
「ここだな」
「ここにスーッと」
「人体の右端ってなると右手だよねぇ」
「…おい、まるっきり違うぞ」
「須磨元さぁ」
「お兄さんさぁ…」
「お燐の提案だったよな」
まあとにかく。俺とお燐が喧嘩しそうになっていると徐に勇儀が一言。心当たりがあると言った。それに気を取られた俺を見逃さずお燐が猫マックスで頬を引っ掻いて来た。言うまでもない。お燐の髪の毛を掴んで外に放り投げる。鍵閉めときゃ来ねえだろ。あいつなんなんだよ。ったく…頬が痛えよ。妖怪の力で引っ掻くなよな。萃香に見てもらったが、少し深めに切れているようだ。痛えだけはあるな。あいつ次であったら噛みついてやろうかな。ダメか。流石に食いちぎるのはな。
「普通に入って来るぞ」
「アレも妖怪だろ?」
「で、心当たりって?」
「お兄さーん!」
「いや、見方を変えれば正体不明だろ?だから正体不明の妖怪、鵺かと思ったんだ」
「髪の毛全部無視ってハゲ猫にしてやるよ。ほら服脱げ服」
「そんな、みんなの目があるのに…!?」
「話聞け」
どうやらその鵺とやらの仕業ではないかと言うこと。お燐は三発殴っておいた。さとりに躾をしっかりするように言っておくつもりだ。こいつほんと酷いからな。クソが。とにかくこの物体は俺の好みが写ったポスターなのか、酒なのか、それとも死体なのかを判断するためにはその鵺を探さなければならないらしい。…鵺かぁ…地上にいたらどうなるんだ?誰か地上まで行くのか?…俺は嫌だぞ?流石にまだ死にたくない。見たいおっぱいが多すぎる。…嘘じゃないよ、本当だよ。黙れやコラ。
「とにかく、私とお燐は地底だな。萃香、須磨元。地上に行ってこい」
「ちょっと待ってくださいよ姉御」
「いつから姉御になった」
「なんで勇儀が仕切ってんだおかしいだろー!」
「…だってほら、私は今現在進行形で地底の馬鹿どものリーダーだろ?実績が違う。」
「ぐぬぬ…」
「確かに…」
地上に放り出された。嫌だ嫌だと喚く俺を掴んで空高くに上げた勇儀の笑顔を忘れない。ヤマメに捕まることもなく地上へこんにちは。浮遊感を感じてすぐに横へ脱出。まあこの際だし返したいものも返して、楽に過ごせるようにするか。風見幽香だけは警戒して。…萃香、守ってね。かなり怖いからね今。…萃香?どっか行ってやがるあの酒乱鬼…ヤマメにラブラブチュッチュして殺されに行っても良いかなこれ。ほんと許さんどうなっとんだ。…とりあえず、動くか。
「お久しぶりです美鈴師匠」
「…はて、どなたですか?」
「そう来たか」
「流石に知らない人間を通す事はできませんねぇ。どうでしょう、何か私たちと知り合いであることを主張できる物はありますか?」
「ないから他当たる」
さて、紅魔館は勿論ダメだった。なので他を当たる。…もしかしたら同じようなことが地上で異変として始まっていたり。ということで博麗神社を訪ねてみる。霊夢がいれば良し、居なければ探しに行くだけ。…となったのだが、階段を登っている最中に聞こえた早苗の声に戦慄。帰らせていただく。…さて、あと尋ねられるのは魔理沙くらいか。ネックレスがちゃんとあることを確認し、魔法の森を歩く。んー…一年近く離れてたからかな。なんか全然道わかんない。どこだここ。
「…お、アリス」
「どなた?」
「えー…」
「なんてね。今日は何?須磨元が死ぬ日?」
「なんだ悪い冗談しやがって。正体不明に関する異変とか起きてない?鵺とか」
「私は…知らないわね。少なくとも聞いてないわ」
「じゃあ魔理沙の家とか」
「忘れたの?…でも、確か今日は魔界に行くとか言ってだからそもそも居ないけど」
「あいつ何やってんだ?」
よくわかんねーけど、とりあえずそう言うもんだろうと納得しておく。困ったな…これじゃ異変の解決云々以前だ。誰か、知見の広いやつ…後フットワークが軽かったりするやつ。…願わくば泊めてもらえる…これは無理だな。野宿かぁ。めんどくさ。正直言ってそこまであのポスターの正体が気になるかと言われたらそんなわけがない。むしろあのポスターのままでいいぞ。俺の好みどストライクだ。…さて、探すか。紅魔館ダメ、魔理沙ダメ、霊夢もダメ。早苗は論外。天狗はもっと論外。…あ、草の根。あいつらなら何か知ってるかもしれない。
「久しぶり〜」
「うぇあ!?」
「久しぶりじゃない!」
「須磨元、生きてたのね…!?」
「お前らそんな喋り方だっけ」
「日にちが経てばそりゃ変わるわよ!」
「姫、久しぶりに全員揃ったわ!」
「影狼ちゃん!」
「…鵺って知らない?」
「そんなことより再開を喜びましょう!」
わーいわーいと皆んなで大喜び。欲しい話は聞けそうにない。今地底で暮らしていることを話して立ち去ろうかな。…いや、多分無理だな。やらかした、選択ミスだ。なんならここ自体が紅魔館から見て目と鼻の先だし。しかしわかさぎ姫の湿っぽい着物がもうアレだな。素晴らしいな。地底捨ててこっちで永住しようかな…草食ってさ、そのままわかさぎ姫の胸を眺めながら生きる感じで。風呂も湖でやったらどうだろうか。ドクターフィッシュみたいなやついるかな。
「…須磨元ちゃん、これからはたまにでいいからここに来てね?」
「寂しいのよ」
「…地底に住んでるから難しい、かな…」
お燐「シャーーーー!!!!」
須磨元「ぅぐぁぁぁああ!」
って感じに引っ掻かれた。猫ってそんなもん。