あとは友好関係。
新しい布団を手に入れた。割と高い布団らしい。村紗が言ってた。おっぱい要求してきた奴が高い布団で寝るなと騒いでた。残念だが村紗、その呼ばれ方と罵られ方は地底で慣れている。一輪車に乗せ地底の大穴にジャンプ。壁を伝ってなんとか布団を壊さないように降りる。ヤマメのところは通らない。色々と問題がある。蜘蛛の巣で布団がダメになったらどうするんだ。家の扉を開け、誰も居ないことを確認。布団は…仕方ない、どこかで捨てよう。燃やすとしてもゲロがどうなんだ。燃えるのか、ゲロ。
「今日はすっきり眠れるかな」
「ごめんなさいお兄さん…」
「うわお燐」
「お布団ダメにしちゃって…ごめんなさい…」
「…少なくともゲロ吐いたのはお前じゃないだろ?」
え、嘘だよな。お前も吐いてたの?萃香が出してたと思ってたのに。萃香とぬえが吐いてただけじゃないの?…いや、こいつがダメにしたのは枕だけだろ?枕だよな?まあ良い。聞けばさとりがキッツイ言葉で攻め立ててくれたらしい。ありがとうさとり。でもかなり泣いてるからね。泣いてるならここに来させるのはやめて欲しい。俺だって面倒ごとは嫌いなんだよ。同じような性分だろ。…違うかも。ぐすぐすえぐえぐと喚きながら謝罪を述べるお燐を落ち着かせる。つーかもう寝たいんだよ。
「じゃ、おやすみ〜」
「ゔぇぁ〜!」
「泣くなら入るな。入るなら泣くな」
「っぐ…ぇあっ」
後俺の意識があるうちに入るなら猫で入れ。いやもうこの際入るのは良いから。泣くな。近くで。そう伝えて寝た。起きたら猫がいた。へー、お燐って黒毛だったんだ。何となく赤毛とかだと思ってたんだけどな。まあイメージと現実が違うのはいつものことか。起きたら飯作ってくれねーかな。…岩塩だけでも取りに行くか。後は肉。白米は不味いのが売ってたかな。日差しもないのにどうやって作ってんのかね。あれかな、室内栽培してんのかな。地底そのものが室内みたいなものか。こりゃ失敬。
「肉焼くかぁ…」
「お兄さん…?」
「起きたか。…やらんぞ」
「ええ!?あたいだって食べたいよ!?」
「帰って食えよ…今までそうしてたはずだろ」
「…えっと…お兄さん連れて謝った証明しろってさとり様に言われて…」
「何がどうなってんだキレそう。」
さっと肉を焼き、岩塩をその上で割る。破片でいいんだよ破片で。塊で食うほどバカじゃないからね。ほんと。白米も既製品なので良し。…炊飯が出来ないだけだ。さっと飯を食ってさとりの元へ。お燐を連れて…の前に。一輪車を取り出す。これもついでに返そう。割と傷だらけだけど。なんかお燐の視線を確認したくない気分だ。無視。さとりにカチコミを決めると、なんかあっさり通された。なんだろう、もうちょいお燐をいじめるのかとばかり思っていたが。どうもそうではないらしい。
「その人自身の記憶というのはかなり現実との齟齬が発生します。お燐が謝ったと思い込めば私もその思い込みを見ることになります。貴方を使ってお燐が謝っているかを確認したいんです」
「性格悪」
「さとり様…」
「ふむ…どうやらちゃんと謝ったようですね。知っていますか?この子、貴方のことを━━」
「にゃ、にゃー!シャーッ!!」
「…あら、頬を引っ掻いたことも謝ってなかったのですね?」
「あっ」
お燐の感情が揺さぶられている。その乱高下っぷりには少しの愉快さを覚える。その間、俺はどうやって帰ろうかと思案していた。客人がいる前でやるのは控えてもらいたいものだ。どれくらい続くんだこの変なプレイ。後お燐は俺のことどう思ってるんだ。…おっぱい大好きマンか?平常だろう、それは。…仕方ない。普通に帰るか。もう帰って寝たい。なんかこう、これだけで疲れた。もう今日は寝て良いんじゃないかな。今日は他に予定なんかあるわけないし。そこまで久しぶりではないけど、休める日だな。
「…眠れねえよなぁ、そりゃ。」
「だからって此処に来たの?全く暇そうで妬ましい。私は力を失わないようにするだけで精一杯なのに。あゝ妬ましい。」
「そうやって耳元でなんか言ってて。その方が眠れる。」
「眠れる獅子のように寝て。妬ましい…」
妬ましい、妬ましい、とまあよくそこまで他人を見てられる。他人を見て素早く妬ましい点を挙げられるとは、自己分析と観察眼が秀でてる証拠だ。俺も胸に関する観察眼だけならまず負けないが、自己分析はな。少し苦手だ。…おっぱい大好きマンで、それで…何だろう。変態奇人以外に俺って何があるんだ?言動に寄らず、大きくても小さくても好き…とか?いやでもこれはただのおっぱい大好きマンだな。…流石はパルスィ、自身と他人の状況を一瞬で把握するとは。負けだな。
「訳のわからないことを恥じることなく言えるその頭が妬ましい」
「それなら妬まない方がいいと思うよ」
「気遣いをするなんて、妬ましい…!」
「怒らないで聴いてくださいね、今此処で一番馬鹿なのパルスィだからね。」
「私より強くて羨ましいわぁ…!!」
襲われるなんて聴いてない。パルスィの力は中々。俺を十とすると、6くらいはある。まあこの力なら余程のことがない限りは地底で襲われることがないだろう。…が、すぐに息切れ。体力がないのか。可哀想に…と思ってたらそれすらも妬まれた。あー、何処にいても眠れない。気分的には寝足りないのに、どうしてこんなに眠ることで悩まなければならんのか。お燐のこともあったんだから。…お燐のことは別に良いか。どうするべきだ、この状況。
「…んがっ」
「私に襲われても尚ここで寝るなんね、その胆力が妬ましい」
「んっ…そう?今昼?夜?」
「妬ましい…昼。」
パルスィ→そういややってなかった。この人は小さくても別によかった。でも並みはあっても良いかなと思った。