だから地底ダヨ!
「ここにも桜ってあったんだ」
「意外だな、須磨元が桜に目を奪われるなんて」
「花よりおっぱい」
「…お兄さんはブレないねぇ」
まあ厳密には桜ではないそうだが。正体?知ってどうする。桜の満開はまだ一部咲いてないんですよって知識と同じくらいどうでも良いだろ。お前が相手するのは人間なんだぞ。俺は胸だけど。桜と胸と。あと地底特有のジメッとした空気。これだけでかなり生きていける。後で温泉入ろう。と言うふうに今日はお燐と勇儀と…萃香はどこかへ行った。この面子で桜を見にきている。舞い散る桜が主ではある。ちなみに、俺がこの灰みたいなのが邪魔だと言ったのが始まりである。お燐がノリノリだったのが気になるが…仕事は?
「もうっ!お兄さんてば鈍感だね〜」
「さとりに伝えておけば良いってことか?」
「サボりたかったのは認めるけどね?」
「須磨元は酒呑まないからなぁ。この際お燐に酒呑ませてやるか」
「ちょっ」
桜を見るような奴は地底では数少ないらしく、周りを見渡せば…なんか、頭に変なの乗っけてる奴がいた。後ろ姿だけだが、まあやめておこう。関わるのは。そしてとある一人の妖怪に目を奪われた。頭に可愛らしく付けられたドアノブキャップのような飾り、ピンクの髪色、胸元にワンポイントとして存在する花の飾り。全体的に赤っぽい。そして俺が目を奪われると言うことは当たり前に存在するその巨大な存在感。あれは…そう、例えるなら。絶景と言われる山の麓に行き、その過酷さに目を奪われるようなものだ。前掛けのような布と腹部、しかもその下部にある接点。これに目を奪われぬと言うのは、男としてどうだろう?
「佇まいからも、その胸からも気品の高さを見受ける…」
「お、華扇か。あいつ来てたのか」
「えっ知り合い?」
「そうだけど、そうじゃないとも言えるな。あいつ私らのこと避けてるし」
「…鬼の四天王って奴?」
「ん?ああ。」
「鬼の四天王じゃなくて巨乳の四天王でしょそれ」
意識を失いかけながら凛々しい方へと赴く。横に座らせてもらった。…思えば最近、こう言う感じで能動的に関わりに行くことが少なくなった。舞い散る桜を横目に、団子を食べている姿をがっちりと見る。すると流石に迷惑がられたのか不審者と思われたのか、話しかけられた。霊夢に。思わずうぉっと叫んでしまった。霊夢も霊夢で成長したよなぁとか思ってたら、華扇の胸を見るなと言われた。いや、見てはいましたけどね、あの、言わないと言う選択肢はなかった?あ、ない。
「なんですかこの人」
「須磨元。これでも一瞬役に立つのよ。数時間の不便を我慢した上でね。」
「言い方酷くない?」
「…まあ、不審者ではないから。妖の類ではあるけど。」
「あ、はい…」
華扇と紹介された方がコホンと咳払いをし、腕を組んだ。持ち上げられ、少し平らに見える胸が素晴らしい。しかし始まったのは説教によく似たものであった。性欲があることに理解は示しつつも、それをひけらかすなと言う説教。多分そうだったはず。ごめんけど胸見てて覚えてなかった。と、そこで轟音。ビクッと揺れた華扇さんの胸の揺れに対して可愛らしさを覚える。うん、胸ってのはこれで良いんだよな。
「…ま、まあ今日はこの桜を肴にお酒でも呑んでいるのでしょう?」
「んにゃ、飯食ってる。」
「成る程…ちなみに霊夢との関係性は?」
「何もないかな。異変の時に出逢えば大体が退治される側だと思うけど」
「初対面から?」
「いや、外の世界に返してくれなかったし」
「霊夢!!」
うげっと呻く霊夢を初めて見た。腰に手を当て、かなりご立腹なようだ。…まあ、帰さないと言われたのは事実だが。今はもう正直そこまで恨んでたりはしてないんだよな。いや風見幽香と出会ってからだけど。…あー、懐かし。背中を曲げて霊夢を怒る姿に、ワンポイントの花が胸の存在を嫌でも教えてくれる。重力によってかかる力の向きが変わり、服の引っ張られ具合が変わる。前掛けと腹部の接点へと向かっていた布が、少し前方向に。あー、素晴らしい。好きだ。
「あ、あいつ胸見てる」
「今は貴女についてです。何よそ見してるんですか?」
「お、霊夢の奴が怒られてる。」
「勇儀、お燐は?」
「んー…まあ…明日は仕事できないな!」
「鬼畜かな」
互いにやることを終えたと言うふうにどこかへと消えていく勇儀を見送り、桜を見る。…華扇さんの胸を思うとこんなものに目を奪われることを恥じたくなった、やめておこう。勇儀のように筋肉により支えられ、ある種開放感のある胸も良いが…やはりこう、締め付けられたと言うかなんと言うか。律されている胸も良い。かなり。見てて美しさと逞しさを感じる。鬼の四天王は何か突出した胸のステータスがなければなれないのかもしれない。萃香も二種類のステータスとかだし。
「…あれ、俺の隣に?」
「ええ。貴方が一番静かですから」
「心を奪われるものが近くにあれば誰でも静かになりますよ」
「…見てます?」
「はい」
沈黙。お燐が猫状態でこちらに来た。唸っているため、酔っているかもしれない。最悪、吐くかもしれない。まあ良いか。華扇さんが何やらウズウズとし始めた。…もしや、動物好きなのか?妖怪だぞ?お燐だぞ?…いや、お燐がどんな妖怪かを知らないのか。お燐をスッと差し出す。華扇さんがこちらを見るが、俺からは何も言わない。勇儀にも撫でられてたし、拒絶はしないはずだ。そう思って差し出したのだが、何故かお燐はシャーッと喚いてから尻尾を振った。俺をペチペチと叩くために。なにやってんだこいつ。
「…嫌われてしまいましたか」
「意外と可愛い反応するんですね」
「落ち込んでなどいませんよ」
「無理があると思うよな、お燐」
華扇が無闇矢鱈に胸を揺らすわけがないだろ。
でも腕を組んで結果的に押し上げたりはするだろ。